寿歌(ほぎうた)/ザ・シェルター

caltec2012-03-10



下北沢、本多劇場にて加藤健一事務所『寿歌(ほぎうた)/ザ・シェルター』(二本立て公演)を観劇。観劇の理由は、もちろん先日の未消化感いっぱいの『寿歌(ほぎうた)』に再度向かい合うため。


加藤健一事務所のHPによる本作品の概要は以下のとおり

◆寿歌◆
核戦争が終わった後の、関西のとある町。家財道具をリヤカーに積んで、ゲサク(加藤健一)とキョウコ(占部房子)がやってくる。二人は、ええかげんな芸をして町から町へと渡り歩く、旅芸人である。そこへ、謎の男・ヤスオ(小松和重)がふいに現れ、3人一緒に旅をする事に・・・・。関西弁のおかしな芸人コンビと、謎の男の行く先は?


◆ザ・シェルター◆
核シェルター製造会社のサラリーマン・センタ(小松和重)は、製品テストの為、自宅の庭のシェルターで、家族4人で3日間生活をする事になる。妻のサトコ(日下由美)と娘のカノ(占部房子)、そして父のセンジューロー(加藤健一)は、まるでピクニックにでも出かけるような浮かれ気分だ。すると、突然コンピュータが故障?? 外に出られなくなった一家は、なぜか昔の台風の思い出話で盛り上がり――――。


両作共に北村想による脚本、一方は「各戦争前」に核戦争が起こることを想定した「核シェルター」が題材、もう一方は「核戦争後」の世界が舞台、という「核戦争」が共通のテーマ。


『ザ・シェルター』の方は、わかりやすい内容(だと思われた)で、非日常の中に置かれたときに生まれる「連帯感」がとある一家の台詞の中に表現されている印象を受けた。


caltecも、10数年前に東京に大雪が降った際に、5時間以上東海道線の車中に閉じ込められた際、そして昨年の3/11の震災の際、その場に居合わせた見知らぬ他人との間に生じた連帯感と似たようなものをこの『ザ・シェルター』の中で感じた。


『寿歌』については、やはり「?」なところは多々残るものの、悲惨な状況下に置かれているにもかかわらず、カラッと明るく乾いたような笑いに溢れている点が、生命力だったり前向きな思いだったりといったポジティブな感情を連想させ、妙に清清しい感情が観劇後に生まれてきたのが不思議だった。


『寿歌』に関しては、リアリティを持った演出よりも、今回のような演劇的な演出、笑いに溢れた演出の方が正解なのかな、という印象を受けたのは事実。


<出演者>
 『ザ・シェルター』
  加藤健一:センジュ―ロー
  日下由美:サトコ
  小松和重:センタ
  占部房子:カノ
 

 『寿歌』
  加藤健一:ゲサク 
  小松和重:ヤスオ
  占部房子:キョウコ



音 楽 : ★★☆☆☆
脚 本 : ★★★☆☆
演 出 : ★★★☆☆
役 者 : ★★★★☆
舞台/衣装:★★☆☆☆
満足度 : ★★★★☆



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