サド侯爵夫人
世田谷パブリックシアターにて『サド侯爵夫人』を観劇。蒼井優、白石加代子、麻実れい、美波という出演者の顔ぶれをみての観劇決定だったので、興味はストーリー云々というよりは、もっぱら女優陣の演技。
世田谷パブリックシアターのHPによる本作品の概要は以下のとおり
詩情あふれる美文が精密を極めた三島由紀夫戯曲の最高峰『サド侯爵夫人』。
1965年の初演では、その衝撃的な内容から“事件”となりました。以来、国内のみならず海外でも高い支持を受け、上演されるごとに話題を呼んでいます。
比類なき優雅な言葉で飾り立てながらも烈しく交錯し、衝突する女性6人には存在感が際立つ女優が揃いました。ルネ役に蒼井優、アンヌ役に美波、シミアーヌ男爵夫人役に神野三鈴、シャルロット役に町田マリー、そしてサン・フォン伯爵夫人役に麻実れい、モントルイユ夫人役に白石加代子を迎えます。
演出は、かねてより三島由紀夫の秀麗な文体に魅せられ、注目を続けていた野村萬斎。
600年の歴史を持つ能・狂言の体現者・伝承者として、日本語の響きの美しさを知る彼が“言葉による緊縛”に主眼を置いた演出に挑みます。
対称的な役を演じる「麻実 VS 神野」の遣り取りだったり、「そこまでデフォルメするか?」と突っ込みを入れたくなってしまうくらいの白石の快演を前にすると、蒼井優の演技は淡々としているように思えるが、一部、二部、三部と通して観て行くと、蒼井の演技プランも、それはそれで彼女中では十分に練られていたものだとわかる。
その場の感情に任せて話してしまうと、それはそれで説得力を持たないようにも思える三島の戯曲。一人ひとりの演技プラン、各役者同士のの相性、そして作品全体を通じての世界観の創出。6人しか出演者がおらず、かつその6人の台詞を通じて「サド侯爵」を表現する、なかなかにハードルが高いような作品だと思うが、(最近は慣れてきたものの、実はまだ)演劇が苦手なcaltecだが、気づくとあっという間に終演を迎えていた、そんな作品だった。
<出演者>
蒼井 優:ルネ(サド伯爵夫人)
麻実れい:サン・フォン伯爵夫人
神野三鈴:シミアーヌ男爵夫人
美波 :アンヌ
白石加代子:モントルイユ夫人
町田マリー:シャルロット
音 楽 : ★★★☆☆
脚 本 : ★★★☆☆
演 出 : ★★★★☆
役 者 : ★★★★☆
舞台/衣装:★★★★☆
満足度 : ★★★★☆