GOLD〜カミーユとロダン〜
日比谷にあるシアタークリエにて「GOLD〜カミーユとロダン〜」を観劇。音楽は(日本のミュージカルファンの間ではすっかりお馴染になった感がある)ワイルドホーン。新妻&石丸の歌唱力ある2人だからこそ実現できた作品であると感じた。
観劇後に脚本を思い返してみると、女流彫刻家としてのカミーユが置かれていた当時の社会的状況、ロダンとカミーユの関係性(惹かれ合う理由、そして離反する理由)も丁寧に描かれている作品であることがわかるのだが、実際に観劇しているときには、少々冗長に感じる印象を受ける場面もあった。二部構成になっていたが、もっと舞台構成を練り直し、一部構成の舞台として仕上げることもできたのでは?という気もする。
楽曲に関しては、ワイルドホーンならではのもので、耳馴染の良い曲が多い(時々「ジキル&ハイド」のルーシーのナンバーに似ているなど、彼の他の作品で使用されている旋律の一部が聴こえてくることもあったりもするのは、彼ならでは?)。出演者の多くが歌が上手い人が多いので安心して聞けたが、カミーユの父、クローデル氏の歌に関しては半音階のものが多いとは言え、ピッチの甘さ(上がりきれていない)が気になった。
石丸・新妻は歌唱力はもちろんのこと、演義面でも良かったと思う。特にカミーユ役は前半の少女時代から終盤の気がふれた演技まで行う必要があり、演じる新妻は大変だなあと。。そして(初舞台当時から観ているものとしては)良くここまで成長したなあ、と。
舞台上に多く置かれている白色の彫像に加え、主要人物以外の登場人物の衣装が抑えた色のモノトーンが多いことで、ロダンやクローデルの衣装の「色」でキャラクターを表現できるつくりなど、舞台・衣装も色々と考えられた演出である印象を受けた。客席にいた白井(晃)さんはとてもダンディでした。
<主な出演者>
新妻聖子:カミーユ・クローデル
石丸幹二:オーギュスト・ロダン
伊礼彼方:ポール・クローデル
根岸季衣:クローデル夫人
西岡徳馬:クローデル氏
音 楽 : ★★★☆☆
脚 本 : ★★★☆☆
演 出 : ★★★☆☆
役 者 : ★★★★☆
舞台/衣装:★★★★☆
満足度 : ★★★☆☆