眠れぬ雪獅子

caltec2011-10-28



三軒茶屋にある世田谷パブリックシアターにて「眠れぬ雪獅子」を観劇。ここ数年caltecが興味をもっているチベットをモチーフにした作品であることと、出演陣の顔ぶれに惹かれての観劇。


客演の面々はTSではお馴染の顔ぶればかり。そして客演(メイン)の女性は元宝ジェンヌというTSの(もはや)お約束ごとであった枠が、今回は元劇団四季の看板女優保坂知寿である点がいままでのTSミュージカルファンデーションとは少し違うところ。


本作の概要はTSミュージカルファンデーションのHPによると以下の通りだ。

「黒い帽子の踊り」―それは、チベットに伝わる“悪霊を鎮める祈りの舞い”であったが、9世紀、仏教を弾圧した暴虐王ラン・ダルマを暗殺するために、僧侶のラルンが踊り手の一人に扮して忍び寄ったことで伝説の踊りとなり、ラルンは王を殺して、自ら“眠りを殺した男”となった。


そして1951年。東チベットの古都チャムドで旅芸人のテンジンは詩人のドルジェと出会い、乞われるままにこの踊りの手ほどきをする。行く手に待ち受ける大きな黒い影と、その影に翻弄される二人の運命も知らぬまま。


チベットの人々の心に根付くターラ菩薩の光が二人を正しき道へと導くのか…。


東山義久のダンス、そして伊礼彼方、小西遼生の歌、青年のヒール役に今井清隆、青年を導く役に保坂知寿、と適材適所に配役されているのはTSならでは。ただ、保坂知寿といっしょに登場するダンサーの女性のダンスは必要なのか? 等、謝玉栄演出にはつきものの「この舞踊は必要なの?」が今回もところどころあり、うーん、、、とは思うところは今までと変わらず。そうはいいつつも、役者(歌・演技)組の添え物としてのダンサー組という他のミュージカル作品にありがちな存在ではないところが、TSミュージカルファンデーションのいいところでもあるので、要は全体のバランスや使い処の問題なのだとは思うのですが、今回の演出に関していえば、あのダンスは不要な箇所が多かったと思います。知寿さんピンで登場&歌の方がよい場面もあったかと。。。


全体的な作品のトーンだったり、演出パターンは他の公演と同等な気はするのですが、幕末ものと比べると今イチ感情移入できないのは、それは馴染のある時代・場所設定ではないから、なんでしょうね、きっと。伊礼君、歌も上手いし、一生懸命演じているのだけど、他の客演陣と比べると、客席にいるcaltecの心に演技や歌が響いてこないのはなぜなんだろう? 東山・小西・今井・保坂といった他の出演者と比べての舞台経験の少なさからくるものなのだろうか?


<主な出演者>
   東山義久
   伊礼彼方
   小西遼生
   今井清隆
   保坂知寿
   照井裕隆
   滝沢由佳
   小野妃香里
   小林遼介
   中塚皓平
   麻尋えりか
   上口耕平
   山田ジルソン



音 楽 : ★★★☆☆
脚 本 : ★★☆☆☆
演 出 : ★★☆☆☆
役 者 : ★★★☆☆
舞台/衣装:★★★☆☆
満足度 : ★★☆☆☆



人気ブログランキングへ