ストラスブール美術館所蔵 語りかける風景 コロー、モネ、シスレーからピカソまで

caltec2010-07-09



渋谷にあるBunkamuraザ・ミュージアムにて『ストラスブール美術館所蔵 語りかける風景 コロー、モネ、シスレーからピカソまで』展を観る。

高原を吹き抜ける爽やかな風―。こんなヨーロッパの風景のイメージは、ある人にとっては憧れであり、ある人にとっては懐かしい思い出です。しかしその風景は、画家の眼差しを通して初めて風景画となるのです。つまり語りかけているのは実はその風景を選んだ画家であって、私たちはその画家が描いた作品に感動しているのですが、描かれたその風景は、それでも私たちを、遠い国への旅へと誘いつづけます。


ヨーロッパで風景が描かれるようになったのは、15世紀のイタリアであると言われています。最初は物語の背景に過ぎなかったものが、次第に独立したジャンルへと発展していき、今日のような風景画が誕生したのは19世紀のことでした。自然主義写実主義の流れのなかで、画家たちは飾らない風景そのものをテーマに描き、印象派のように光や大気までをも描くようになったのです。また一方では、自らの心模様をそこに重ね合わせる画家も現れました。


本展はフランスとドイツの伝統が交わるフランス・アルザス地方の豊かな文化都市ストラスブールの美術館から厳選された、約80点で構成される風景画の展覧会です。窓、人物、都市、水辺、田園、木という6つのテーマから近代の風景画の全体像を追いながら、ヨーロッパの風景の中を走り抜ける列車の車窓からの眺めを楽しむように、これらの風景画を堪能していただきたいと思います。


企画力  :★★★☆☆
展示方法 :★★★☆☆
作品充実度:★★★☆☆
満足度  :★★★★☆



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