「茶の湯の美―数寄のかたちと意匠―」展

caltec2010-06-20



昨日に引き続き、茶の湯に関する展覧会を観に、白金台にある畠山記念館へ。本日は「茶の湯の美―数寄のかたちと意匠―」展を観る。


本館を訪れてまず気になったのが、そのあり方。公共の美術館でもなく、財閥系でもなさそうで、一体何が母体の美術館だろう? 企業の創業者が美術品蒐集に熱心だった企業の建物にしては、佇まいが少し違う、、、と色々考えながら受付を済ませたのだが、この記念館の成り立ちを読んで納得。


能登国主畠山氏の後裔で荏原製作所の創業者の収集品が母体だったとは。。

創立者畠山一清(1881―1971)は能登国主畠山氏の後裔で、東京帝国大学工科大学を卒業、技術者としてポンプの開発に取組み、株式会社荏原製作所を興して実業界に名を馳せました。事業のかたわら、即翁と号して能楽茶の湯を嗜み、長年にわたり美術品の蒐集に努めました。昭和の初めには旧寺島宗則伯爵邸のあった白金猿町の土地約三千坪を購入、明治13年に天覧能が催されたという由緒あるこの地に、奈良般若寺の遺構や、加賀前田家重臣横山家の能舞台などを移築して、私邸「般若苑」を造営し、昭和18年に開苑の茶会を催しています。


戦後、国宝の「林檎花図」「煙寺晩鐘図」をはじめ、大名茶人松平不昧の茶道具や加賀前田家伝来の能装束など、今日の畠山記念館の中核をなす美術品の蒐集がおこなわれました。畠山即翁は主として茶事の場において所蔵の美術品を披露してきましたが、その文化的価値に鑑み、恒久的な保存を図るとともに、広く一般の研究鑑賞に資するため、苑内の一角に美術館を建設、昭和39年10月に財団法人畠山記念館が開館しました。その7年後、昭和46年11月17日に即翁は91歳の天寿を全うしましたが、愛蔵の美術品を受け継いだ畠山記念館は、現在にいたるまで、茶の湯の美術館として親しまれています。


さて、肝心の展示品の方だが、趣味の良い茶道具がセンス良く並べられており、数は少ないながらも、とても見ごたえがあった。携帯用に籠に茶道具一式を入れる揃いだったり、会席料理よろしく、漆盆に漆椀、そして織部の向付をセットで合わせ、展示する、、など。 実際の茶会や、テーブルウェアとして取り入れるのに参考になる組み合わせを提示していた。

茶の湯は、日本が誇る総合芸術のひとつであり、そこには日本独自の美をみることができます。本展は、侘び茶を大成した千利休と継承発展させた古田織部小堀遠州ゆかりの茶道具など、春から初夏にかけての季節にふさわしい品々を紹介いたします。茶人の好みや取り合わせの醍醐味など、茶の湯ならではの美の世界をお楽しみください。


基本的に季節毎に年に4回の企画展を開催するようなのだが、今から冬季展 生誕250年「酒井抱一琳派の華―」が楽しみである。


企画力  :★★★☆☆
展示方法 :★★★☆☆
作品充実度:★★★★☆
満足度  :★★★★☆



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