国際交流特別展「北宋汝窯青磁 - 考古発掘成果展」

caltec2010-03-20



せっかく大阪に来たのだし、陶磁器好きとしては、是非訪れなければ、、と思い、久しぶりに、大阪、中之島にある大阪市立東洋陶磁美術館を訪れた。今回開催されていた企画展は「国際交流特別展「北宋汝窯青磁 - 考古発掘成果展」。


美術館のホームページにおる本展覧会の概要は以下の通りだ。

本展は中国の河南省文物考古研究所が近年進めてきた河南省宝豊県清凉寺(かなんしょう ほうほうけん せいりょうじ)の北宋汝窯(じょよう)青磁窯址の考古発掘成果を日本で初めて紹介する展覧会です。北宋汝窯の伝世品は北京・台北の両故宮博物院をはじめ世界でも数少ないもので、日本では当館所蔵の「青磁水仙盆」が知られています。北宋末期、北宋宮廷の命により宮廷用の青磁製品を製作した汝窯は、「天青色(てんせいしょく)」とも呼ばれる青みがかった独特の釉色と精緻なつくりで知られ、中国の青磁を代表するものの一つとして評価が高いものです。本展は宝豊県清凉寺汝窯窯址の出土資料約80点により、北宋汝窯青磁の謎と魅力に迫ります。なお、本展では近年汝州市内で発見され注目されている張公巷(ちょうこうこう)窯址の出土資料の一部も併せてご紹介します。


これと言って派手で目立ったものがない、というのが正直なところだが、中国磁器のもつ、スッキリとした美しいフォルムの清楚な青磁がひっそりと展示ケースの中に納まっている様は、観る人がみると、たまらない、ものに見えるのだと思う。どちらかと言うと玄人好みのする展覧会だったと思うが、個人的には大いに楽しませてもらった。


本企画展の北宋青磁を見た後、次の展示室で展示されている朝鮮の青磁を観ることで、北宋と朝鮮の青磁の繋がりや違いが明確に理解でき、興味深く鑑賞することが出来た。


なお、同時期に「特集展:初代宇野宗甕(そうよう)の陶芸」が開催されており、こちらも素晴らしい作品が展示されていた。

宇野宗甕(1888‐1973)は京都に生まれ、中国五大名窯の釉薬研究と作品の再現に生涯を捧げた陶芸家です。明治の終りにアメリカ向けの貿易陶磁によって成功を収めた父・初代仁松を父に持つ宗甕は、青年期に京都市立陶磁器試験場に伝修生として通い、科学的な研究理論に基づく窯業技術を熱心に学びました。大正の初めになり、当時しばしば行われていた名家所蔵品の入札に出かけ、宗甕は中国陶磁の美しさに深く心を打たれ、その釉薬研究と作品の再現を生涯の仕事とすることを誓います。折しも家業は欧米の不況によって国内向けに制作転換を向かえることになり、元来釉薬研究で実績を納めていた宗甕は、以後辰砂、釣窯、青磁、天目などの釉薬研究と再現に没頭していきました。「二世仁松」から「宗甕」に名を改めたのちは、いっそう釉薬研究に独自の作品制作を続け、辰砂と青磁の技術は後に無形文化財の撰定を受けることになりました。85歳で生涯を閉じるまでその熱意は変わることがありませんでした。
 

本展では、宇野眞理栄氏のご寄贈品全87点の中から約30点を展示し、中国古窯に魅せられた初代宗甕の艶やかな陶芸の世界をご紹介します。


企画力  :★★☆☆☆
展示方法 :★★★☆☆
作品充実度:★★☆☆☆
満足度  :★★★★☆



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