セバスチャン・サルガド アフリカ

caltec2009-11-13



目黒にある東京都写真美術館にて「セバスチャン・サルガド アフリカ」を見る。


上記美術館のホーームページによる本展覧会の概要は以下の通りだ。

東京都写真美術館では、フォト・ドキュメンタリーの先駆者であり、今もなお精力的に新作を発表し続けているセバスチャン・サルガド(Sebastião Salgado、1944〜)の「アフリカ」展を開催いたします。


この展覧会は、かつて経済学を専門としていたセバスチャン・サルガドの視点を通して「見捨てられた大陸」と呼ばれるアフリカの現状に迫るものです。サルガドが初めてアフリカを取材した1970年代から今日に至るまで、世界各国でアフリカの飢餓、砂漠化を救うべくキャンペーンが組まれ、さまざまな計画が実行されてきました。にもかかわらずその状況は一進一退を繰り返しています。度重なる紛争で、さらに悪化する環境を食い止める手段すら見つからない地域がある一方で、経済的発達が見込める都市では一時期、爆発的に経済が発展し、アフリカが保有する資源にも注目が集まっています。格差が広がるばかりのアフリカの現状をどのように理解し、関わっていくかが国際的に問われているのです。


作家は現在、自ら「最後の大プロジェクト」と語るシリーズ「GENESISジェネシス/起源)」に取り組んでいます。このプロジェクトは世界各地、前人未踏の地までも取材し、作品発表だけでなく、教育や植林活動等を通して地球の恵みと人類の歴史を見直そうとするものです。本展覧会では、「ジェネシス」シリーズの最新作も含めた作品群100点を展示します。


サルガドというと、イリーのエスプレッソカップ、コーヒーシリーズの写真家であり、またアフリカの動物等を被写体としている写真家である、というイメージしか持っていないなかったが、本展覧会を見て、その認識が、この写真家のほんの一部分でしかなかったことが分かった。


展示作品は大きく分けて次の3つに分かれている。

  ・アフリカの風景を撮ったもの

  ・アフリカ民族の伝統や生命力にクローズアップしたもの

  ・戦争・紛争・飢餓に苦しむアフリカの人々を撮ったものの


本展覧会で一番印象に残ったのは、間違いなく最後のパートである。戦争や紛争、飢餓に苦しむアフリカの人々を採った写真なのだが、悲惨な現実を映していながらも、その背後から差し込む自然光により、彼らの苦しみが浄化されているような、そんな神々しさを感じた。いや、それは自然の力ばかりではなく、サルカドによって切り取られた被写体(アフリカの人々)の表情にもある種の神々しさを感じてしまう、そんな写真があった。


企画力  :★★★☆☆
展示方法 :★★★☆☆
作品充実度:★★★★☆
満足度  :★★★★☆



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