レミゼラブル


10/25(日)帝国劇場にて「レミゼラブル」(夜公演)を見る。レミゼを見るときの定番、異なるキャストを見ようとすると、何故か日程が詰ってしまうことが良くあって、今回も2日連続の観劇となった。


気になるプリンシパル


 ジャンバルジャン 橋本さとし
   昨日より、オリジナルな「橋本」ジャベ度が増していた感あり。
   グイグイと鋭く押し出してくる岡ジャベと、細かく切り込んでくる今ジャベ。
   バルジャンの感情表現も相手キャストによってかわってくるのでしょうか。
   今日の橋本ジャベは葛藤振りがすごかったです。


 【ジャベール】 今拓哉
   見た目の派手さはないものの、堅実に求められた働きをきっちりとする今ジャベ。
   今回も自分の信じた正義を信じ、それに忠実に生きていこうとするジャベールを演じていました。
   スター、自殺とも、彼なりの解釈で歌い上げているな、ということが伝わってきて、
   味わい深かったです。
   

 【エポニーヌ】 坂本真綾
   4人のエポの中では声量がない点と、ヒロイン経験の数では劣っている坂本エポですが、
   歌声による細やかな感情表現は、実は4人のエポの中では最も優れている印象を持っています。
   声による表現という点は声優としての本領発揮だと思います。、
   舞台上の華が他のエポと同様であったら言うことないのですが。。。


 【ファンテーヌ】 山崎直子
   山崎ファンテは歌の人ではなく、演技の人。caltecの中ではこう位置づけられています。
   やはり「夢破れて」などのナンバーは物足りなさ感はありますが、
   工場での首を宣告される箇所や、病室でのコゼットへの感情表現など、
   彼女ならではの良さが見られました。
   あとは、歌、何ですが、、、 うーむ。
   レミゼラブルは芝居ではなくミュージカルなので、プリンシパルはやはり歌が上手くないと、
   特に女性陣で言えば、ファンテーヌとエポニーヌは「歌の人」でしょう。。。


 【コゼット】 神田沙也加
   舞台に登場した瞬間から。。。。
   何もせずとも「コゼッとだ」とわかる、というのは実はとても大事な要素なのだと思います。
   歌声に関しては、正直言ってファルセットの部分がきついですが(コロコロするビブラート含めて)、
   でも今回の3人の中で一番コゼットらしい気がします。
   声質的にはエポなんだけど、見た目はコゼットなんだよなあ。
   「♪プリュメ街」は育三郎マリとの、若さあふれるコンビで、爽やかさ初々しさエネルギーいっぱい。
   「あんなに急いで舞台上を走らんでも。。。」と、ちょっと突っ込みいれたくなりました。


 【マリウス】 山崎育三郎
   端正なマリウス。山崎マリウスを一言で言い表すと表現できると思います。
   確かな技術に裏付けられた伸びやかな歌声は聴いていて心地良いですが、
   その心地良さゆえ、すっと聞き流してしまうこともできるのかな、と公演を観ていて感じました。
   橋本バルトは逆に、彼の場合は、もっとアクを出して、自分なりの味付けをしてもいいのかも。


 【テナルディエ】 三谷六九
   今回が初見の三谷テナ。
   感想はと言うと、独特の表現だな、、と。
   「歌を歌う」というより、「音程がある台詞を喋っている」ような感じで、
   譜面どおりの音の長さではなく、ブツ切りで歌い続けるところが気になりました。
   声量・音程が良いだけに残念なのです。
   彼の演技からは、コミカルなようでいて、フテブテしいようでいて、
   何か仮面を被った得体の知れない気持ち悪さを感じました。
   これは、形から役作りをしているから感じることなのか、
   そういうテナルディエ像を想定してからなのかは、芸達者故に判別がつきません。


 【テナルディエの妻】 田中利花
   彼女のテナ夫人は、今回の3人のテナ夫人の中では、最も普通の人に近く、もっとも怖い。
   力でグイグイ押してくる表現のみなので、もうちょっと力を抜いた表現があると、
   余裕が出てユーモアも生まれるような気がするのですが。
   カーテンコールの「女優対応」は「この森で天使はバスを降りた」からの引き続き。
   これはこれで面白いけど、本編でもっと目立ってもいいよなあ、
   と余計なお節介ですが、思いました。   
 

 【アンジョルラス】 松原剛志
   アンサンブル(フイイ)から昇格してのアンジョ。
   マリウスと共に登場するシーンから「松原アンジョいける!」と。
   声が朗々、見た目濃い感じで、舞台化粧映えもし、押し出しの強さも感じます。
   根っこは真面目でも熱く学生を引っ張るリーダー、という印象のアンジョです。
   雰囲気は今回の3人の中では一番アンジョっぽい。
   元アンサンブルな経験からか、他の学生を演じる役者の気持ちも判ると思うので、
   そうした目に見えないところが、他の学生との絆の深さみたいなものを
   醸し出しているのかもしれません。  
 

全体的な安定感とかバランスは昨日のキャストの組み合わせの方があると思うのですが、今日のキャストはそのアンバランスさ故に、逆にいろいろ発見するところもあり、見ていて面白かったです。



音 楽 : ★★★★★
脚 本 : ★★★☆☆
演 出 : ★★★☆☆
役 者 : ★★★★☆
舞台/衣装: ★★★☆☆
満足度 : ★★★★★



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