レミゼラブル


10/24(土)帝国劇場にて「レミゼラブル」(昼公演)を見る。


気になるプリンシパル


 ジャンバルジャン 橋本さとし
   前回の公演より、よりバルジャンが自分の中に入ってきているのか、
   歌を歌いますよーというのではなく、バルジャンとしての感情を一番に考えながら、
   台詞を多めにしたり、歌をきちんと歌ったりと、台詞⇔歌を変幻自在に操り、
   かなり「橋本さとし流」なバルジャン像を作り出していました。
   ただ、そこまで自分のものになってきているので、
   作品全体の中でのバルジャンの位置付けを考えて、
   1幕のバルジャンと、歳を重ねた後の2幕のバルジャンを演じ分けるなど、
   もう一工夫ほしい気がしました。(ちょっと要求が多いですか。。。)   


 【ジャベール】 岡幸二郎
   「ただ怖いだけの」ジャベールだった頃と比べると、 
   年齢を重ねた分、渋くてカッコイイジャベールになってきたなあ、、と、今回再実感。
   舞台栄え、歌を聴く分には岡ジャベなんだけど、、、
   あとは説得力を持って歌を聴かせられるだけの演技力をファンとしては期待してしまいます。
   

 【エポニーヌ】 新妻聖子
   今までの「歌で聴かせる」新妻エポから一変、
   「歌を力いっぱい歌う」のではなく、「感情表現としての歌がある」演技に変わっていて、
   彼女の作り出すエポニーヌ像を楽しんだのと同時に、
   圧倒的な声量で歌う「オン・マイ・オウン」など「歌」を期待していたこちらとしては、
   少し物足りない感もありました。
   芝居と歌のバランスを上手く取っていくのは難しいことなんだろうなあ。


 【ファンテーヌ】 シルビア・グラブ
   今回の3名のファンテの中では、歌は間違いなくシルビアファンテなのですが、
   いろんな意味で成長してきた感があり、ちょっと見た目が難しくなってきたでしょうか?
   歌の上手さは健在でしたが、今回は細かなビブラートを多用した歌い方でした。
   もっとフラットに伸びやかに歌ってもいいかなあ。。。個人的な好みの問題ですが。
 

 【コゼット】 菊池美香
   実は菊池コゼを見るのは今回が初めて(何せ前回は4回中3回が冨田コゼだったので)。
   清潔感があり、かわいいコゼット。高音もしっかり出ている。
   ちょっと顔の丸さが気になりましたが、今日は相手が藤岡マリウスなので、大丈夫でしょう。 
  

 【マリウス】 藤岡正明
   前々回、前回のマリウスから最も変ってしまったのが藤岡マリウス。
   2007年当時はスマートだったのに、2008年のミス・サイゴンでは
   体形が少しヤバくなり始めていたので、その間に何があったのか。。。。
   伸びやかで力強い歌声、朴訥で真っ直ぐなマリウス像は今までと変らず。この点は安心。


 【テナルディエ】 駒田一
   今日は駒田テナと阿知波夫人のカップル。
   この2人の組み合わせだと、根っこのところでお互いを認め合っていて、
   きちんと夫婦として成立しているリアル感があります。
   実はしっかり者で計算高いが、あえて調子良くすることで
   居心地の良い立ち位置を得ている、、そんなテナルディエを感じます。
  

 【テナルディエの妻】 阿知波悟美
   口先では夫の悪口を言い、悪態をつくが、
   実は夫が大好きで、認めていて、、、そんなしっかりものの女性。
   これが阿知波テナ夫人から受ける印象。
   駒田&阿知波ペアは最強だなあ。
   観劇した日は喉の調子が良くなかったみたいで、高音がキツそうでした。大丈夫かな?
 

 【アンジョルラス】 原田優一
   前回(2007年)は美声ではあるが、力強さが欠けていた感がある原田アンジョですが、
   今回は、朗々と声が出ていて準備バッチリでした。
   前回よりも学生のリーダーとしての風格も出てきたようで、今後が楽しみです。
   結婚式の給仕役でのアドリブが最高でした!



音 楽 : ★★★★★
脚 本 : ★★★☆☆
演 出 : ★★★☆☆
役 者 : ★★★★☆
舞台/衣装: ★★★☆☆
満足度 : ★★★★★



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