陶磁の東西交流 ―景徳鎮・柿右衛門・古伊万里からデルフト・マイセン― 展

caltec2008-12-21



出光美術館にて「陶磁の東西交流 ―景徳鎮・柿右衛門古伊万里からデルフト・マイセン―」展を見る。


陶器の蒐集が多い出光美術館お得意の、陶器にスポットを当てた展覧会。そして中国(景徳鎮)や日本(柿右衛門古伊万里)の陶器と、東インド会社を通じてその陶器がもたらされたヨーロッパの窯元の、東洋磁器を模倣した陶器を比較展示することで、陶磁器の東西交流を展示しようというのが本展覧会の意図だと思う。


美術館のHPによる本展覧会の概要は下記のとおり

15世紀後半期は、ヨーロッパ勢力にとっての“地理上の発見”の時代と言われていますが、16世紀にはいると、彼らの東洋への進出が本格化します。その時彼らが香辛料とともに東洋に求めたものは、優れた中国・景徳鎮の磁器でした。やがて17〜18世紀になると、日本の肥前地方に華やかに開花した柿右衛門古伊万里の磁器芸術も、強い憧れをもってヨーロッパの王侯・貴族に受け入れられ、その宮殿や生活文化を彩りました。


17世紀に主として東西の世界を結んだのは、オランダ東インド会社でした。彼らを介してヨーロッパにもたらされた東洋の陶磁器は、ヨーロッパの陶芸に強い刺激を与えました。18世紀にようやく始まるヨーロッパ磁器は、熱心に東洋陶磁を写すことを通じて成長したのです。一方、肥前磁器もヨーロッパからの注文に応えることを通じて技術を養い、需要に応えることによって産業としても発展してゆきました。これはまさに陶磁器による東西交流と言えるでしょう。


本展では、17〜18世紀を中心に花開いた陶磁の東西交流を、中国・景徳鎮をふくむ東洋の磁器と、それらを熱心に写し、学んだヨーロッパの陶磁器との比較展示でご紹介します。交流史上の数々のエピソードを交えて鑑賞していただきながら、交流を進めた人々の熱意や、時として生じるほほえましい“誤解”、陶工や商人たちのたくましい営みなどを楽しく感じ取っていただけたら幸いです。


実際に訪れた海外の美術館や宮殿(ベルリンのシャルロッテンブルク宮殿イスタンブールのトプカプ宮殿)の写真が展示されていたりして、いろいろ考えることが多い展覧会だった。


企画力  :★★★★☆
展示方法 :★★★☆☆
作品充実度:★★★★☆
満足度  :★★★☆☆



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