創刊記念『國華』120周年・朝日新聞130周年 特別展「対決−巨匠たちの日本美術」展

caltec2008-08-15



7月に続き、2度目の「対決−巨匠たちの日本美術」@東京国立博物館 平成館。宗達光琳の「風神雷神」の両作品が展示される、ということで、この絵見たさに、2度目の訪問である。


今回は、それぞれの対決について、個人的な感想を書いてみます。


①運慶 【勝】 vs 快慶

写実的で力強い彫刻の運慶と、静謐でバランスのとれた快慶の彫像。個人的には運慶の作品の方が力強さがあって好きです。


雪舟等楊 【勝】vs 雪村周継

これは間違いなく、雪舟の勝ち。画面のバランスや墨絵の技術などは雪舟の方が上だと思う。一方、ユーモラスに溢れ、絵に動きがあるのが雪村。好みの問題だとは思うが、僕は雪舟の方が好み。


狩野永徳 vs 長谷川等伯 【勝】

豪快で大胆な構図に力強さを持つ永徳と、余白の美、世界観で迫る等伯。僕は等伯の方が好きです。


本阿弥光悦 vs 長次郎 【勝】

マルチな才能を発揮してきた光悦と職人芸が光る長次郎。茶器という観点からの完成度を見ると、長次郎の作品の方に分がある気がしました。


俵屋宗達 【勝】 vs 尾形光琳

風神雷神図を見ると良くわかるが、派手で目を引くのが光琳の絵。一方、パッと見、何気ない装いをだが、よくよく見ると構図といい、色・バランスの全体との調和といい、隙がなく「完成されている」感が強いのが宗達の絵。となれば、僕の好みは「宗達」です。


野々村仁清 【勝】 vs 尾形乾山

凝った意匠を見るのが楽しい乾山の作品と、全体のバランスが取れた仁清の作品。どちらも好きなのですが、強いてどちらかを選べ、と問われると、、仁清の方が好きです。


円空 【勝】 vs 木喰

これは円空です。


池大雅 【勝】 vs 与謝蕪村

画面いっぱいに絵を描く大雅と、余白の美が光る蕪村。蕪村作品の余白がいい意味で作品に広がりを持たせており、見る側にその世界観に入っていくきっかけを与えている印象を受けた。ということで、蕪村の方が好きです。


伊藤若冲 【勝】 vs 曽我蕭白

若沖の絵を見て、鮮やかだなあ、トンデルなあ、と思いながら隣の蕭白の作品を見たら、若沖以上にトンデル作品がデーンとそこに鎮座しており、正直言ってビックリしたのがこの両者の対決。どちらもブッ飛んでおりますが、現代に見ても「斬新さ」を感じることが出来る普遍的な独自性を感じた、若沖の勝ちではないでしょうか?


円山応挙 vs 長沢芦雪 【勝】

正直どちらにしようか迷った。



喜多川歌麿 【勝】 vs 東洲斎写楽

これは歌麿でしょ。写楽一発屋的な扱いだし。。。 疑問なのは、広重 VS 北斎 とかにしなかった点。個人的には歌麿 VS 写楽より、広重 VS 北斎 の対決の方が興味があります。


富岡鉄斎 vs 横山大観 【勝】

僕の好みとしては、大胆な構図ですっきりとした簡潔なデザインの大観の勝ち。鉄斎は作品にユーモアがあっておもしろいけど、繰り返し見たり、飾ったりする作品となると大観を選びます。


企画力  :★★★★★
展示方法 :★★★★☆
作品充実度:★★★★☆
満足度  :★★★★★