創刊記念『國華』120周年・朝日新聞130周年 特別展「対決−巨匠たちの日本美術」展
上野にある東京国立博物館 平成館にて、創刊記念『國華』120周年・朝日新聞130周年 特別展「対決−巨匠たちの日本美術」展を見る。
まずは本展覧会を観て来て一言、「とても良かった!」。長谷川等伯の国宝「松林図屏風」が展示されるのが27日までだということで、この作品観たさに慌てて出かけたのだが、想像以上の作品の充実振りにすごく満たされた気分で美術館を後にしたからだ。
同美術館のHPによると、本展覧会の概要は以下の通りだ。
本美術の歴史に燦然と輝く傑作の数々は、時代を代表する絵師や仏師、陶工らが師匠や先達の作品に学び、時にはライバルとして競い合う中で生み出されてきました。優れた芸術家たちの作品を比較すると、興味深い対照の妙を見出すことができます。
『國華』創刊120周年を記念して開催するこの展覧会では、『國華』誌上を飾ってきた名品・優品を、作家同士の関係性に着目し、中世から近代までの巨匠たちを2人づつ組み合わせ、「対決」させる形で紹介いたします。国宝10余件、重要文化財約40件を含む、計100余件の名品が一堂に会し、巨匠たちの作品を実際に見て比較できるのが本展の最大の魅力です。
同門から出て異なった作風を開拓した鎌倉時代の「運慶vs快慶」に始まり、室町時代の代表的水墨画家雪舟等楊と彼に私淑した雪村周継、安土桃山時代に天下人の御用を争った狩野永徳と長谷川等伯など、中世から近代までの日本美術史に名を刻む巨匠たちを、2人づつ下記12組とし、名品を対決させる形で紹介いたします。
その関係は、同時代に競い合った文字通りの「対決」だけでなく、弟子と師匠の関係、一方が一方に私淑する関係など様々ですが、広い意味でライバル意識があったととらえ、「対決」としています。互いの作品を比較して見ることで、巨匠たちの優れた個性にふれていただければと思います。
日本を代表する24名の巨匠が、12本の対決勝負を挑む、というこの企画が、かなり面白い。入場口で借りられるイヤホンガイドを借りて作品に臨むと、いっそう理解が深まり、展覧会を楽しむことが出来ると思う(caltecが訪れたとき、次の次の人で貸し出しが一杯になった)
では、12本の対決、個人的にどう感じたか、というと。。。
①運慶 【勝】 vs 快慶
②雪舟等楊 【勝】vs 雪村周継
③狩野永徳 vs 長谷川等伯 【勝】
④本阿弥光悦 vs 長次郎 【勝】
⑤俵屋宗達 【勝】 vs 尾形光琳
⑥野々村仁清 【勝】 vs 尾形乾山
⑦円空 【勝】 vs 木喰
⑧池大雅 【勝】 vs 与謝蕪村
⑨伊藤若冲 【勝】 vs 曽我蕭白
⑩円山応挙 vs 長沢芦雪 【勝】
⑪喜多川歌麿 【勝】 vs 東洲斎写楽
⑫富岡鉄斎 vs 横山大観 【勝】
企画力 :★★★★★
展示方法 :★★★★☆
作品充実度:★★★★☆
満足度 :★★★★★