バウハウス・デッサウ展

caltec2008-06-29



東京藝術大学 大学美術館にてバウハウス・デッサウ展を観る。同美術館による本展覧会の概要は以下の通り。

本展はドイツ、デッサウ市にて活動を展開するバウハウス・デッサウ財団所蔵のコレクションから日本初公開となる146点を含む、241点を中心に、国内外から集められた260点におよぶ貴重なプロダクト(製品)と資料によって構成されます。バウハウス・デッサウ財団所蔵のコレクションが、これほどの規模で、ドイツ国外で紹介されるのは、例がなく、世界的にみても本展が初の試みとなります。


これまでもバウハウス展は日本において数多く開催されてきました。しかし、本国ドイツのコレクションを基幹とする展覧会は、1995年のセゾン美術館での展覧会以来、国内では13年ぶりの開催となります。また、2009年にはバウハウス誕生90年を記念して、バウハウス・アルヒーフ(ベルリン)やニューヨーク近代美術館/MOMAでも「バウハウス展(仮)」の開催が予定されており、本展はそれに先駆け、バウハウスとその活動の理念を大きく展観する貴重な機会となります。


バウハウスといって広く一般に知られているベルリンのバウハウス・アルヒーフに対し、ヴァイマールとデッサウは東ドイツ圏内に位置していたこともあり、東西ドイツが統一されるまで、実際の建物やその内部、活動の全容が一般に紹介される機会は多くはありませんでした。今回の「バウハウス・デッサウ展/BAUHAUS experience, dessau」では、デッサウ(1925〜1932年)での活動を中心に当時の文化動向や社会情勢との関わりも紹介しながら、バウハウスというデザイン運動の核心とその誕生の起源に迫ります。


デザイン・プロダクツのある生活があたりまえになった今、デザインや建築に関する展覧会も数多く開催されています。そんななか改めて“デザインのバイエル”ともいえるバウハウスを知ることは、デザインの原点を知り、昨今のブームから一歩踏み込んで、自分たちの身の回りにあふれるデザインについて考える貴重な機会となるにちがいありません。もし、バウハウスがなかったら、私たちのライフスタイルはどのようなものになっていたのでしょうか。それほど現代の私たちの生活の中には、バウハウス・デザインと理念をルーツとするものが息づいているのです。生活の一部として普及し、発展していった文化としてのデザイン。来年、バウハウス誕生90周年を迎えようとする今、近代デザインの大きな流れを決定づけたバウハウスについて、もう一度、検証する時期が来たといえるでしょう。


まあ、ちょっと小難しいことが書いてあったりするが、ドイツにあったバウハウスというデザイン学校の概要を知る、そしてその精神が現在私達が使用しているプロダクトと深い関わり合いがある(=それだけバウハウスが果たした役割が大きい)ということを知る、というのが本展覧会の趣旨だと思う。


しかしその趣旨に反し、「展示内容をただ見ただけでは、その概要を知ることができないのではないか?」と本展覧会の展示を見て感じてしまった。というのも、「バウハウスとは何か?」を理解していることが前提で構成が組まれているからで、基礎知識がない人が見ても、ただのプロダクトの羅列にしか見えない恐れがあるからだ。


たまたま2年間にベルリンのバウハウス美術館で見た展示内容や、10年前以上にNYで見たバウハウス展の内容を覚えていたので、何とかなったが、、、 本展覧会に興味がある人は、東京藝術大学 大学美術館のホームページ、もしくは会場でのイヤホンガイドを借りて展示作品を見ることをお勧めする。


個人的にはシンプルすぎて、バウハウス的なプロダクトはあまり好きではなかったりするのだが、バウハウスの精神って何かな?というのが知れるかなと思って臨んだ本展覧会。結果は、やはり、、、なものになってしまったようで。残念。


企画力  :★★★☆☆
展示方法 :★★★☆☆
作品充実度:★★☆☆☆
満足度  :★☆☆☆☆