アンカー展

caltec2008-01-19



渋谷Bunkamuraザ・ミュージアムにて「アンカー」展を観る。アンカーという画家の名前を聞いて、その画風がすぐに思い浮かぶ人は少ないと思うが、彼の作品を見ると、どこか懐かしさを感じる、そんな作風の作家だ。きっと心温まる多くの作品に出会えるに違いない、と思い、Bunkamuraに向かった(実は以前Bunkamuraで開催された「スイススピリッツ」という展覧会で彼の作品を直に見ているのだ)。


Bunkamuraザ・ミュージアムのHPによると、アンカーは以下のように紹介されている。

アルベール・アンカー(1831-1910)は、スイスの中央部のインス村(ドイツ語名/フランス語ではアネ)出身の、19世紀のスイスで大変な人気を博した画家です。日本ではあまり知られていませんが、国民的画家としてスイスの人々に親しまれ、その作品は国内の多くの美術館に所蔵されており、没後100年近く経つ現代においても、その人気は衰えることがありません。


これは、アンカー自身がそうであったように、家族や人と人とのつながりを大切にし、平凡な中にも幸せな日々を送る人々を、愛情を持って描いた作風に起因しているといえます。


(中略)


誰にも親しみやすく、理解しやすい、 “故郷”という国境を越えた広い考えを基にしたテーマを常に持っていたアンカー。スイスの人々の心を捉えて離さない情景の数々は、我々日本人が見てもどこか懐かしく、ぬくもりを感じさせます。


編み物をする少女、孫を暖かく見守る祖父・祖母との団欒、学校の様子、など、その作品の中心にいるのが少女、少年などの子供達だ。派手さはないものの、優しく温かい眼差しで描かれたその作風に、展覧会場に訪れていた鑑賞の多くが、彼の作風同様優しい面持ちで作品を見つめているのが印象に残った。


キャンバスに多くの子供達が登場する作品は、ノーマン・ロックウェルの作品を彷彿とさせるし、少年の半身像では、キスリングの作品を思い出したりもした(アンカーの方が先に生きた時代の人だが)。もっと注目されてもいい画家だなあ、と思いながら展覧会場を後にした。


企画力  :★★☆☆☆
展示方法 :★★☆☆☆
作品充実度:★★★★☆
満足度  :★★★★☆