宝塚月組:オクラホマ!

caltec2006-10-14



日生劇場にて「オクラホマ!」(宝塚月組)を観劇。
月組の本公演ではなく、理事の轟悠を主演に迎え、若手中心の月組メンバーで臨むという布陣。


感想の方は、まあ、可もなく不可もなく、といったところ。ブロードウェイのミュージカルの最後にレビューを加え、少し宝塚風にアレンジしました、といった感じだったが、これくらいのレビューの濃さだと、キラキラな宝塚の芸風が苦手な一般のミュージカルファンも安心して見られる気がした。


ミュージカルの古典とも言うべき作品なので、話の展開や演出にはそれほど期待できないのだが、これぞミュージカル!という典型的なナンバーが多いので、観劇後も音楽が耳に残り、「観劇中は退屈なのだが、観劇後には気分がウキウキする」というなんとも不思議な感覚に陥るミュージカルでもある。


ただ、1幕は冗長で、少し飽きることは確か。1幕終盤〜2幕は怒涛の展開でアッという間に話が終わってしまうので、前半をなんとか短くできないのかなあ、などと考えたりもしたのだけれど、カーリー(轟)とローリー(城咲)のもどかしい恋の関係をきちんと描くにはやはりあれくらいの時間は必要なのかな、とも思ったり。。。 演出家は大変だったのかなあ。


出演者の方は、主演のカーリー役に理事の轟悠。顔は超美形(美男子)。スタイルも良い。芝居も歌もこなれているし、破綻はない。ただ、スケールが小さいというか、こじんまりとまとまりすぎているというのと、実はすごく真面目な人なんだろうなあ、というのが伝わってくるようで、個人的には彼女の芝居の部分は苦手(それが好きな人もいるとは思うけど)。


ヒロインのローリー役には月組娘役2番手の城咲あい。今まではどちらかというと歌が苦手だったように思うのだが、今回は頑張っていたように思う。ローリーを可憐に演じていた。本作の中で唯一の悪役といえるジャッドに月組2番手、霧矢大夢。歌はうまいし、芝居も上手いし、ダンスも上手いのだが、他の2人(轟・城咲)と比べるとスタイルが悪いのが目だってしまって、損をしてしまった感がある。もったいない。


実は今回の舞台で一番目だっていたのは、ローリーの叔母、エラー叔母役の越リュウ。男役の人が叔母役を演じるので、迫力があることあること! 歩き方がどうしても大またで腰からずんずん歩く男役の歩き方なので、すっげー気風のいい叔母さん像となった。そして一つ一つの動作がはっきりしているので舞台のどこにいても一番目立つのが彼女だった。


いつもの宝塚公演に比べて、一般客(ヅカファンじゃない人)の割合も多く、入門編としてみるには良い作品かもしれないなあと思って会場を後にした。