ミス再婚

caltec2006-03-27



TSファンデーションのオリジナルミュージカル、「ミス再婚」を博品館劇場にて観劇(3/25)。元宝塚トップスターの香寿たつき、成瀬こうきが出演することもあってか、客席には現役の宝ジェンヌの姿も見かけられました。。。


さて、このミュージカルですが、題名からわかるとおり、ミスサイゴンを少しパクッテいます。パク・トンハ演じるキム(!)が登場するシーンは、ミスサイゴンのクリスの歌をかなーりパクッていたり、音楽も少々似たものを。。。まあ、それはそれでおもしろかったです。


内容の方ですが、香寿たつき演じるバツイチの臨床心理士の高嶺希美(たかのぞみ?)が「理想の結婚」という呪縛から逃れて、自分を取り戻すという、30代女性の「自分探し」がテーマだと思います。様々な登場人物との交流を通じて、希美が結論を出していく、というのが基本的な筋なので、「主役の希美」+「彼女をインスパイアーするその他の登場人物」という位置づけが正しいのかな。エンディングで主役の香寿以外の出演者が同じ色の服を着て現れることからもそれはわかります。


感想はというと、ライブドア問題とか、ネットトレーディングとか、負け犬とか現代のキーワードや世相を取り入れていたり、希美をめぐって異なる2つのタイプの男性がアプローチしたりと、いろいろ面白い仕掛けはあるのですが、それが効果的に活かされていない気がしました。エンディングで述べられる希美が選択した「自分探しの」結果との関連付けがイマイチしっくりとこないし、途中の展開が劇画的過ぎる気がしました。


登場人物の数も少ないので、もっとお互いの人間関係をじっくりと描き、その結果としての希美の出した自分探しの結論としたほうが説得性も作品の充実度も増したとは思うのですが、コメディだから、そこまでリアルなテイストにしないである程度夢物語的な方向で演出した形の方が良かったのでしょうか。。。(まあ、要は好みの問題ですが)


香寿以外の出演者は、妹役の成瀬こうきが良かったです。サバサバとして明るくて、コメディというこの作品には合っていた気がします。彼女のスケールの大きさというか、男前的なところも良く出ていて、同僚の桐ヶ谷役の新納慎也と対照的なのも面白かったです。
パク・トンハの歌の上手さ、平沢智と新納慎也のダンス、安崎求の安定感など、各人の特徴を上手く活かした舞台になっていたな、と思いました。


音 楽 : ★★☆☆☆
脚 本 : ★★☆☆☆
演 出 : ★★★☆☆
役 者 : ★★★☆☆
舞台/衣装:★★☆☆☆
満足度 : ★★☆☆☆