ギュスターヴ・モロー展

caltec2005-10-16



ギュスターヴ・モロー展」@Bunkamura・ザ・ミュージアムに行く。
都内で唯一残っていると言ってもいいくらいの百貨店系美術館のBunkamura・ザ・ミュージアム。文化企業を目指す東急グループの本丸、渋谷東急本店の横にあるBunkamuraの最地階に鎮座しておりまする。場所柄、いつ行っても混んでいるのですが、今日も混んでおりました。。。


さて、肝心の内容ですが、パリにあるフランス国立ギュスターヴ・モロー美術館所蔵作品が来日している、ということで、作品の質という意味では、あまりたいしたものは来ていません。そもそもこのギュスターヴ・モロー美術館というのは、モローの住居兼アトリエであった邸宅が、モローの死後に彼の書贓品と共に国立の美術館となったもので、大作制作のための素描や下絵などがたくさん所蔵されている美術館だからなのですね。展示作品の中に有名な『サロメ』『出現』などがありましたが、やはりルーブルに展示されている本作と比べると、完成度は落ちるのは仕方ありません。。。モローの有名な作品・傑作をみたいならルーブルへどうぞ。


この展覧会はモローの傑作を見る、というよりは、素描や下絵を通じてモローへアプローチをするというのに適した展覧会なのかもしれません。なので、この展覧会を見ただけで、ギュスターヴ・モローの絵について判断を下すのは少し待った方がいいかなあ、と思います。逆にモローの絵に親しんでいる人にとっては、モローの新たな側面を知ることのできる、いい機会なのかもしれません。


実は、1999年にパリにあるフランス国立ギュスターヴ・モロー美術館に行ったのですが、この美術館はおススメです。実際にモローが住んでいた邸宅を見ることが出来る、というのと、建物全体に展示されている彼の作品がすごくモロー的なもの(ギリシャ神話を題材にした、少しエキゾチック(東洋趣味が入った)で、幻想的な絵画)が多いこと、膨大な数の資料・素描を実際に閲覧可能な点が特に良くて、僕は開館から閉館までこの美術館で過ごしてしまったくらいです。モローの世界観が好きな人は是非訪れてみる価値のあるところだと思います。あーあ、またパリに行きたくなってきた(ついこの前ベルギーに行ってきたばかりだというのに)


満足度:★★☆☆☆