ナイン

caltec2004-11-13



今日はアートスフィアにて「ナイン」を観劇。ブロードウェイでアントニオ・バンデラスが主人公のグイードを演じて人気を集めたこの作品が、日本にいよいよ登場しました。


主人公のグイードと彼の少年時代の子役以外、登場人物16名は全て女性。しかも、全員主人公であるグイードを愛している、という設定。16名のタイプが違う女性に愛される「グイード」役を決定するのは、なかなか大変だったろうなあ、と思います。


舞台の方ですが、とにかく女優陣が豪華。演出家のディヴィッド・ルボーが「スターシステムを配して全てオーディションで(実力主義で)選んだ」というだけあり、舞台の主・脇を固める実力者がぞろり(ただ、宝塚出身者は意図的に採用しようと考えていたようなので、実力を唯一の判断基準にしたとは言いがたいとは思いますが)
特にカーラ役の池田有希子リリアン役の大浦みずきの活躍が目立った舞台だった。あとはスパのマドンナ役の剣持たまきも役にあっていて好印象(レミゼのコゼットよりこういう役の方があっているよなあ。。。)。他にクラウディア役の純名りさも久々のミュージカル出演ということで嬉しい限り。とにかく舞台装置・設定が斬新なのと女優一人一人にあてがわれて作られたようにピッタリと似合っている舞台衣装に感心させられまくりでした。


余談ですが、プリティな服を着ている「山田ぶんぶん」さんは想像がつかなかった。実際見てみると、斎藤こずえみたいでした。あれはあれでかわいかったです。はい。
作品については、フェリーニの「8 1/2」を元にした舞台ということで、まあ、映画を見てもらうとわかると思います。僕はこの映画自体は、ストーリーがわかりづらかったので苦手だったけど、ビジュアル的には面白くて、映像美については十分堪能しました。


この作品は主人公は男性ですが、女たちの舞台であり、いろいろな愛の形(家族愛、夫婦愛、恋愛、憧れ、嫉妬)が描かれているような気がします。
一度だけではなく何度か観ていると「あ、そうか」とわかるところもあると思うので是非リピートしてみてみたい作品だと思いました。あとは元ネタのフェリーニの映画ファンの人にとっても、映画中のエピソードを上手く取り入れているので、そこらへんを楽しむというのも、この舞台ならではのものだと思います。


とにかく、出演者のクオリティーという面からみても、十分観る価値のある舞台です。来年の5月に再演するようなので、機会があればぜひ観てみてください。僕も観に行くつもりです。