花組:ベルサイユのバラ〜フェルゼン編〜

caltec2001-06-06



ベルバラ第3弾、花組公演〜フェルゼン編〜の感想です。


フェルゼン:大浦みずき(トップ)
アントワネット:ひびき美都(娘役トップ)
オスカル:真矢みき
アンドレ:朝香じゅん


ダンスの花組といわれるだけあって、通常バージョンよりもダンスシーンがふんだんに盛り込まれたベルバラ。この舞台の特徴を一言で述べるとこうなります。普通は踊らないマリーアントワネットまでもが、踊っているのには、正直驚きました。(^_^;)


まず、フェルゼン役の大浦みずき(トップ)。
当時の花組での彼女の存在というのは、圧倒的だったのでしょうか?普通、フェルゼンが登場するはずのない場面にまで、フェルゼン役の大浦みずきがこれでもか、これでもか、と登場します。例えば、雪星・星組版の舞台では、オスカルと貴族婦人(?)の間のやり取りがフェルゼン+オスカルと貴婦人方だったり。。。ただ、オープニングのフェルゼン・オスカル・アントワネットの3人での場面など、星組の舞台よりも、この3人の人間関係をよりわかりやすくする舞台進行になっており、そういう意味ではフェルゼンの過剰な舞台登場も良かったかな、と思います。


すらりとした長身に伸びやかなダンス(モダンダンスが軸?)。舞台上の彼女は凄いですね。その圧倒的なダンス力ばかり注目されがちですが、演技・歌もなかなかのもので、This is 男役、という印象を受けました。歌に感情を込められる、歌の場面で演技できるという点も凄いと思いました。


オスカル役の真矢みき
歌の場面では、彼女の少し鼻にかかったような歌い方と声がくぐもってしまう(朗々と響き渡らない)点が少し気になったのですが、これは他の2人の男役が歌が上手すぎたからなのでしょう(笑)。芝居の方も及第点をクリアーしていて、大浦みずきの圧倒感と比べると小ぶりですが、全ての面において、堅実に手堅くまとめているという印象を受けました。ただ立っているだけでは、存在感がないことを本人も自覚しているのか、台詞を言うときは、必ず斜め上を見上げて、上目遣いで話す点など、いろいろ努力しているんだな、と勝手に想像してしまいました。


フェルゼンの過密登場のあおりを受けたのがアンドレ役の朝香じゅん。すごく登場時間が短かったような気がします。でも、この人、歌が上手いです。よく響き渡る、芯もあり、華もある声でのナンバー。登場場面が少なかった分、その歌唱力が際立って見えました。ちょっと橋本志穂に似てました。


マリーアントワネット役のひびき美都。
テロップでの説明によると、昭和63年から平成3年までの娘役トップ。かなり長くないですか?彼女の特徴は、まず、ダンスが上手い。ダンスの名手大浦みずき と並んでペアで踊る娘役トップなのだから、それは当たり前なのかな?(宝塚に詳しくないので、他の娘役トップとの比較が出来ないのが残念ですが)そして、お芝居も上手い。宝塚芝居って、どこなーく、バタ臭い大芝居的な感じを受けてしまうのですが、彼女の場合、新劇とか劇団系の芝居をしていると思います。発声もしっかりとしてるし。その分、歌は少し劣るようですが、守備範囲は広いように思えました。いろいろなタイプの役柄を演じられそうですね。台詞を聞いているうちに、一瞬、荻野目慶子にダブって見えてしまいました。


芝居の後の ダンス場面(ボレロとかいろいろなダンスを踊る)では、さすがダンスの花組。「これほどタキシードを着てのダンスが似合う人はいない」と言いたくなるような大浦みずきのダンスは、クールでダンディでカッコイイ。


花組は(将来の)有力者揃いなのか、安寿ミラ汐風幸紫吹淳、純名理沙(舞台初出演にして、エトワールに大抜擢!)などなど、後々有名になる人もたくさん出ていて、結構お得感の高かった花組ベルバラでした。


しかし、純名理沙の かわいらしさと華やかさ、と美しい声には、びっくり。新人にして、重要な役を任されるなど、彼女が相当期待されていたことがわかりますね。



音 楽 : ★★★☆☆
脚 本 : ★★★☆☆
演 出 : ★★★☆☆
役 者 : ★★★☆☆
舞台/衣装:★★★☆☆
満足度 : ★★★☆☆