天日坊
渋谷、東急Bunkamuraにあるシアターコクーンにて、渋谷・コクーン歌舞伎第十三弾『天日坊』を観劇。
松竹のHPによる本作の「みどころ」は下記のとおり
1994年、渋谷に登場したコクーン歌舞伎は人々を瞠目させ、それからとどまることなく進化を続けてきた。第十三弾となる今回は、幕末に上演された河竹黙阿弥の作品に挑む。初演から150年のときを超え、宮藤官九郎の脚本、串田和美の演出で『天日坊』がいま目覚める!
ふとしたきっかけから将軍頼朝の落胤になりすまし鎌倉を目指す法策(後の天日坊)。旅の途中で盗賊地雷太郎とその妻お六と出会い、思いもよらぬ自分の運命を知る。
「俺は誰だあっ!」
狙うは天下! 若者たちは壮大な野望と純粋な希いを胸に疾駆する。彼らの人生を賭けた大勝負がはじまる---
次代の核となる歌舞伎俳優と、ジャンルを超えた個性豊かな俳優たちがシアターコクーンを熱くする。
歌舞伎ということで、演劇ファンだけではなく、従来の歌舞伎ファンの人も多く、いろいろな客層となるのが、コクーン歌舞伎の特徴。また演目そのものも、従来の「歌舞伎」ではなく、ネオ歌舞伎というか、歌舞伎と演劇の要素がミックスされたものであり、双方が楽しめる作品となっていると思う。
演出「串田和美」、脚本「宮藤官九郎」ということで、想像通り、雑多なプレーヤーがワイワイガヤガヤと騒動を繰り広げる、そんな楽しい作品となった。
驚いたのが、真面目な人だと思っていた、中村勘九郎(旧中村勘太郎)のコメディぶり。そして、さらに驚いたのがさすが親子というか、時々、父親の姿が垣間見られる点。中村勘九郎、七之助、獅童の人気若手3名の演技を観ると、中村獅童の役作りの造詣に深みが足りない印象を受けた。
<主な出演者>
中村勘九郎:法策 後に 天日坊
中村七之助:人丸お六
市村萬次郎:猫間光義
片岡亀蔵 :お三婆/赤星大八
坂東巳之助:北條時貞
坂東新悟 :傾城高窓太夫
近藤公園 :越前の平蔵
真那胡敬二:観音院/鳴澤隼人
白井 晃 :久助
中村獅童 :地雷太郎
音 楽 : ★★☆☆☆
脚 本 : ★★★☆☆
演 出 : ★★★☆☆
役 者 : ★★★★☆
舞台/衣装:★★★☆☆
満足度 : ★★★★☆