サロメ

caltec2012-06-16



初台にある新国立劇場 中劇場にて『サロメ』を観劇。多部未華子の健闘が光る舞台だった。


本作品の概要は下記のとおり(特設HPより)

アイルランド人のオスカー・ワイルドが初めてフランス語で書いた『サロメ』。
小説家、平野啓一郎による見事な現代語の新訳『サロメ』。


これを昨シーズンからの宮田芸術監督のテーマである、【JAPAN MEETS…】の流れで、フランス語からの翻訳を平野氏に依頼。氏にとっては初めての翻訳ながら、それはさすが小説家の物語全体における登場人物の役割、位置を明確に把握したうえでの、ポップな日本語による『サロメ』が誕生した。


これまでの『サロメ』の印象をがらりと変えるほどの魅力的な翻訳である。


この平野版『サロメ』の演出にあたるのは、ストレートプレイでは新国立劇場初演出となる宮本亜門。タイトルロールに抜擢されたのは多部未華子、これまでの官能的で肉感的なサロメ像とは全く異なり、清純なイメージ、若くまっすぐな性格の新しいサロメ像にぴったり。そしてヨカナーンに成河、母ヘロディア麻実れい、へロデ王に奥田瑛二と実力とともに今回の新しい『サロメ』を創りあげる役柄にぴったりの布陣が結集。さらにオーディションで選ばれた26人の男優陣。群集劇ならではの多彩な面々による舞台となるに違いない。


ファム・ファタールとしての妖艶で男を惑わすサロメという従来の印象とは違い、本舞台で多部が演じるサロメは、天真爛漫で自分の気持ちに正直で、でも自分み魅力があることを自覚している、我侭な少女だった。サロメのキャラクターが従来のものとは違っていることで、このサロメという作品の持つ性格が全く変わってしまった印象を受けた。


良くも悪くも(従来とは違う)「サロメ」に焦点が当てられていただけに、Pの「みどころ」に「群集劇ならではの多彩な面々による舞台となる」と書かれてはいるが、(本当に多彩な)面々を十二分に活かしきれていたかというと、それは違う印層を受けた。


<主な出演者>
  多部未華子サロメ(ヘロディアの娘)
  成河   :ヨカナーン(預言者)
  麻実れい :ヘロディア(ヘロデの妻)
  奥田瑛二 :ヘロデ・アンディパス(ユダヤの四分領王)
  


音 楽 : ★★☆☆☆
脚 本 : ★★★☆☆
演 出 : ★★★☆☆
役 者 : ★★★☆☆
舞台/衣装:★★★☆☆
満足度 : ★★★☆☆



人気ブログランキングへ


/