ハムレット

caltec2012-02-19



シアタークリエにて『ハムレット』を観劇。観劇後の感想を一言で言うと「とても音楽が良い! でもストーリーは・・・」というもの。耳に馴染む音楽に乗って、あまりにもスピーディーにハムレットの物語が展開されていくため、もともとのハムレットのストーリーを知らない人には「???」な物語進行である印象を受けた。


ハムレット』の公式サイトから本公演の概要を・・・

シェイクスピア四大悲劇の1つ「ハムレット」は、古今東西さまざまな形で上演されてきた世界で有名な作品である。


チェコの天才音楽家と言われるヤネック・レデツキーが脚本・作曲・作詞を担当。ミュージシャンだからこそ産み出せる多様なジャンルの音楽との融合で、本国チェコで大ヒットを記録。


本公演はこれまでに作られてきた「ハムレット」達とは一線を画するミュージカル版『ハムレット』である。


チェコアメリカ、韓国に続き、待望の日本初演!!


ロック、ジャズ、ラテンなど多彩でメロディアスな音楽がかなり良いものだけに、その「物語の紡ぎかた」に違和感を持ったのは事実。ハムレットを常識として知っているヨーロッパの人にとってはこのストーリーでも良いのだろうが、ハムレットをまったく知らない人にとっては、ハムレットの葛藤も少なく、いきなりオフォーリアが精神を崩したり、唐突に墓に行って、なぜか決闘をして、、、一つ一つのエピソードの繋ぎがあまりにもないため、「どうして、そうなるの?」と感じてしまうかもしれない。


しかし。その欠点を補っても余りあるのが音楽の素晴らしさ。主要キャストに「歌える」人を揃えたことで、なお一層その良さが活かされた印象を受けた。しかし、ハムレット、レアティーズともにロック調で歌うナンバーは、かなりのハイトーンです。それに比して女性陣は、アルトが主体というか、ファルセットで歌う箇所が少ない。caltecの好みドンぴしゃり。



オープニング、井上君演じるハムレットのナンバーからヤラレる。この舞台での井上君、岡田将生のようにも、長谷川博己のようにも見えました。時には悩み、怒り、愛おしみ。。。ハムレットを演じるだけでも大変なのに、それを歌でも表現しなくてはいけない(しかもロック調ナンバーもあり)ハムレット役。井上君に課せられたハードルはかなり高かったと思うが、大健闘だったと、いえると思います。


あとは、ミュージカル初挑戦のホレーショー役の成河(ソンハ)が想像以上に歌えて驚きました。


<出演者>

   井上芳雄 :ハムレット
   昆 夏美 :オフィーリア
   伊礼彼方 :レアティー
   成河(ソンハ) :ホレーショー
   阿部 裕 :旅芸人/亡霊
   山路和弘 :ポローニアス
   涼風真世 :ガートルード
   村井國夫 :クローディアス

   川口竜也/小西のりゆき/俵 和也/照井裕隆
   岩恕W亜希子/木村晶子/園田弥生/平田愛咲



音 楽 : ★★★★☆
脚 本 : ★★☆☆☆
演 出 : ★★★★☆
役 者 : ★★★★☆
舞台/衣装:★★★☆☆
満足度 : ★★★★☆



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