全日本選手権

caltec2011-12-24



女子シングル(ショートプログラム


さて、今回は、フジテレビのご好意もあってか、第三グループあたりの注目もジュニア選手の演技から放送してもらったおかげで、女子シングルに関してはいろいろと気づくことが多かった。


まず、女子シングルに関しては、ショートから、確実にコンビネーションジャンプはトリプルートリプルの流れになっているということ。


今までは、コンビネーションはトリプルルッツダブルトウループ、ステップからのトリプルはフリップ、そしてダブルアクセルというのが主流だったのが、ジュニアの選手の多くは、トリプルトウートリプルトウ、もしくはトリプルサルコウートリプルトウのコンビネーションに挑んでくる。ループの基礎点が上がったこともあってか、ルッツ・フリップのトウ系のジャンプが苦手な選手でも、(ジャンプの数が少ない)ショートでは、ステップからのジャンプにループを持ってきても、出来栄点(GOE)で加点がつけば、ロングエッジのついたルッツを飛ぶよりも結果は良いわけで、今までよりもバリエーション豊かなジャンプ構成を見ることができた印象を受けた。


第二の気づきとしては、ジュニアの強化はまずはスピンということ。体の柔らかいジュニアならではなのだろうが、スピンに関しては、確実にレベル4を取れる構成で組んできている。その傾向が特に顕著なのがレイバックスピンで、多くの選手がフィニッシュにはビールマンまで持って行き、レベル4を獲得する構成としている。その日の調子・緊張度合いによって出来・不出来の波があるジャンプに比べ、比較的崩れないスピンで高得点を稼ぐことで、少しでも上の順位を獲得できる、そんな構成にしているのだ。


気づきの第三としては、踊れる選手が多い、ということ。新採点システム導入前の、リンクを対角に滑ってはジャンプを飛び、またまっすぐ滑ってはジャンプを飛び、という時代からは変化を遂げ、音楽を表現できる選手が増えている。これは選手の質が向上したこともあるが、ジュニアでも表現しやすい、見栄えのするコリオを振付けるコリオグラファーが手がける良いプログラムが増えたこともその一因であると思う。


女子ショートの結果は(現世界チャンピオンの)安藤選手不在のため、予想通り3強の浅田、鈴木、村上の3選手がトップ3となったが、今シーズン急成長した感がある今井選手も好調のようで、明日のフリーの演技が楽しみでもある。

フィギュア:SP終え浅田2位 首位は村上 全日本選手権


フィギュアスケートの世界選手権(来年3月、フランス・ニース)の代表選考会を兼ねた全日本選手権は第2日の24日、大阪・なみはやドームで女子のショートプログラム(SP)など4種目。女子SPは前回3位の村上佳菜子(愛知・中京大中京高)が65.56点で首位に立ち、同2位の浅田真央中京大)が65.40点で2位、今季グランプリ(GP)ファイナル2位の鈴木明子(邦和スポーツランド)が59.60点で3位。ペアのフリーは唯一出場の高橋成美(木下ク)マービン・トラン(カナダ)組が計164.97点で4連覇。アイスダンスショートダンス(SD)はブリナ・オーイ(米国)水谷太洋(長野市協会)組が47.02点でトップ。


男子フリーはSP首位の高橋大輔(関大大学院)が2年ぶり5回目の優勝をかける。SP2位の小塚崇彦トヨタ自動車)、3位の町田樹(関大)、4位の羽生結弦(宮城・東北高)らが出場。最終日の25日は女子とアイスダンスのフリーが行われる。


毎日新聞 2011年12月24日 18時09分(最終更新 12月24日 19時42分)


村上選手に関して言えば、全日本においては、「挑戦」よりも「確実」をとり、コンビネーションジャンプのファーストジャンプを昨年までのトウループに戻した作戦が功を奏した。ステップアップ、成長のための挑戦のプログラム構成ではないく、確実に点数を取れる構成に変えたその戦略は正解だと思う。演技後暗い表情を浮かべる試合が今シーズン続いたが、久々に明るい村上選手を見た気がする。

フィギュア:村上 自信のトーループでスランプ一掃


全日本選手権女子SP(24日・大阪)


17歳の村上が、今季の不振がウソのような会心の演技。「すごく自信があったので、元気よく滑れた。スピードにちゃんと乗っていた」と笑顔もはじけた。


冒頭のジャンプは3−3回転トーループを選択した。好調だった昨季の武器だ。「成長」を目指した今季は、最初の3回転をフリップに変更。だが、GPシリーズ2戦はともに回転不足と安定しなかった。


そこで今大会は「絶対に失敗しない」というトーループに戻したことが奏功。ステップでややつまずくミスがあったが、それ以外はほぼ完璧にまとめ、指導する山田満知子コーチは今季初めて演技後の村上を褒めた。


15歳で世界ジュニア選手権を制して以来、シニアのトップへの階段を一気に駆け上がってきた若手のエース。今季前半はスケート靴の不具合にも見舞われたが、靴の変更で何とか間に合わせた。「体調も靴も自分でコントロールできた」と胸を張った村上は、一回り大きく見えた。【芳賀竜也】


毎日新聞 2011年12月24日 19時43分(最終更新 12月24日 20時32分)


浅田選手に関して言えば、あれ?点数が意外と低い、、という印象が。村上選手との差は、コンビネーションが3回転ー3回転か3回転ー2回転であることの違いか? やはりトリプルートリプルのコンビネーションは強い。

フィギュア:浅田 母に届けたノーミス演技


全日本選手権女子SP(24日)


悲しみをこらえ、浅田が入魂の演技を見せた。母匡子(きょうこ)さん(享年48)を9日に亡くしてから、初めての試合。天国の母を安心させるかのように、ほぼノーミスで滑り終えた。


練習で不調のトリプルアクセル(3回転半)は、先月のロシア杯に続いて回避し2回転半にした。「後の流れを良くできればいい」という狙い通り、伸びやかな滑りを披露。3−2回転連続ジャンプを決め、3種類のスピンとも最高のレベル4認定を得た。演技後はホッとしたような表情で「エレメンツ(要素)を練習通りできた」と振り返った。


練習場への送り迎えからコーチ選びまで、競技生活を長年支えてくれた匡子さんの死去から、まだ2週間ほど。この日の浅田は「滑る前は今までと違う緊張感があった」。練習は4日休んで13日に再開したが、心身とも万全な状態に仕上げるのは極めて難しいはず。その中で、ほぼ完璧に演技をこなした技術の高さと精神力の強さ。杉田秀男・元国際スケート連盟判定役員評定委員は「以前は滑りが縦蹴り気味だったが、今季はエッジに乗ってカーブに滑るからスピードが出る。(昨季から師事する)佐藤信夫コーチの教えが身に着いてきた。相当滑り込んできたから、大事な時期に少し休んでもカバーできた」と評価した。


首位の村上とはわずか0.16点差。浅田は「フリーにつながる滑りができた」と手応え十分だ。2年ぶりの優勝を、最愛の母にささげる。【来住哲司】


毎日新聞 2011年12月24日 20時41分(最終更新 12月25日 0時40分)


ジュニアの選手に負けじと、今期からコンビネーションジャンプをトリプルートリプルの構成としている鈴木選手。第一ジャンプをグランプリファイナルのフリップからトウループに変更し、NHK杯の演技再びで確実性・高得点を狙っての挑戦。ただタイミングが合わなかったこともあり、セカンドジャンプがパンクし、シングルに。記事には6点差が、、と書かれてはいますが、フリーを完璧に決めれば、スピン・ステップでも、PCSでも高得点を稼げる選手なので、トップ3はほぼ確実、(浅田選手の出来如何では)優勝も夢ではないと思います。明日の演技に期待です。

フィギュア:鈴木、ジャンプ失敗 2位に大差の3位


全日本選手権女子SP(24日・大阪)


冒頭の連続ジャンプのミスが全てだった。上位2人に6点近い差をつけられた鈴木。3−3回転連続トーループに挑戦したが、力みから2本目が1回転となった。「自信はあった。勢い余って……。跳びたい気持ちが強すぎて焦ってしまった」とショックを隠しきれない様子。悪い流れは続き、3回転ルッツがロングエッジ(踏み切り違反)と認定された。昨年はSP7位と出遅れて総合4位に終わり、世界選手権の出場を逃した。「自分でも気がつかない全日本の緊張感があった。何回やっても全日本は全日本だな」とため息をついた。


毎日新聞 2011年12月24日 19時50分(最終更新 12月24日 20時53分)


男子シングル:フリー


男子シングルフリーに関しては、3強が、予想通りの順位でフィニッシュ。ただ予想と違ったのはその演技内容で、どの選手も本調子ではなかった、というか、国際試合よりも緊張する全日本選手権ならではの出来だった、というべきか。。。


世界選手権代表組に続く位置に、町田、村上、無良の選手がこれまた予想通り収まり、男子シングルに関しては波乱が少なかった大会であった、と言えるだろう。


今回(例年よりも)多くの選手の演技内容を見て思ったのは、プログラム構成や試合に対する姿勢・顔つきを見れば「世界選手権で勝つことを意識しているのか」「世界選手権に出ること、国際大会に派遣されることを目的としているのか」「自分の持てる力を十二分に発揮し、少しでもよい順位を獲得することを目指しているのか」の違いがすぐにわかるということ。

フィギュア:男子は2年ぶり高橋V 全日本選手権


フィギュアスケートの世界選手権(来年3月、フランス・ニース)の代表選考会を兼ねた全日本選手権は第2日の24日、大阪・なみはやドームで男子のフリー、女子のショートプログラム(SP)など4種目が行われた。男子のフリーはSP首位の高橋大輔(関大大学院)が計254.60点で2年ぶり5回目の優勝を飾った。同2位の小塚崇彦トヨタ自動車)は計250.97点の2位で大会連覇はならなかった。同4位の羽生結弦(宮城・東北高)が計241.91点で3位に入り、同3位の町田樹(関大)は計213.48点で4位だった。


ペアのフリーは唯一出場の高橋成美(木下ク)マービン・トラン(カナダ)組が計164.97点で4連覇。アイスダンスショートダンス(SD)はブリナ・オーイ(米国)水谷太洋(長野市協会)組が47.02点で首位に立った。最終日の25日は女子とアイスダンスのフリーが行われる。


毎日新聞 2011年12月24日 22時30分(最終更新 12月24日 22時50分)

フィギュア:高橋 苦しみながらも王座奪い返す

全日本選手権男子(24日)


苦しみながらも、日本のエースが全日本王者の座を奪い返した。SP首位の高橋は、フリーでまさかの3度もの転倒。SPでの“貯金”に救われた形になった。「逃げ切って終わった悔しさがある。優勝はしたが、自分の中では優勝できていない気持ちが大きい」と悔しさもにじませた。


冒頭の4回転トーループはきれいに着氷したかに見えたが、直後に転倒。中盤のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)、最後に跳んだ3回転フリップでも転んだ。演技終了直後は照れ隠しのような苦笑いを浮かべた高橋は、少し間をおいて天を仰いだ。「疲れているなとは思った。調整ミスも原因だと思う」と省みた。


だが、SP、フリーともに守りに入らなかったことは評価できる。SPでは05年以来となる4回転を成功させ、フリーでも4回転と認定された。「ちょっとずつ(調子は)上がってきている。まだまだ追い込める」と手応えもつかんだ。


25歳の高橋は、後輩たちの迫り来る影を感じている。4回転をたやすく跳ぶ羽生の演技を見て、「彼がいて、自分の闘志を燃やすことができた。まだ、負けられない」。プラス思考で闘争心に転じた危機感が、世界選手権に向けエースをさらに強くするだろう。【芳賀竜也】


○…2連覇を逃した小塚は「最後までコントロールして滑ることができた」と収穫を強調した。「調子が良すぎたので(助走の)スピードを抑えた」という冒頭の4回転トーループに成功。中盤に予定したトリプルアクセル(3回転半)からの3連続ジャンプの一つ目に転倒し、その後の3回転フリップでロングエッジ(踏み切り違反)を取られるミスもあったが、「今季はこれまで靴が合わずに調整が遅れて焦りがあったが、今後は自信を持ってやりたい」。昨季の世界選手権銀メダリストが「やっとスタート(ライン)に立った」。


○…SP4位の羽生が猛追を見せた。冒頭で、4回転トーループを成功させて波に乗った。演技後半には3−3−2回転の3連続ジャンプを決めるなどしてフリーはトップに。ただ、GPファイナルでも失敗した3回転サルコウが、この日も1回転となってしまい、「サルコウのミスの悔しさが大きかった」と演技後は両手で膝をたたいた。それでも最大の目標にしていた世界選手権の切符はほぼ手中に収め、「SPから切り替えていけたのは良かった」と笑顔を見せた。


毎日新聞 2011年12月24日 23時21分(最終更新 12月25日 0時13分)


あとは、羽生選手の負けん気の強さと、あまりにも大人なコメントには毎回「・・・・」と思ってしまいます。どうか今のままのスタンスで成長をしていってくださいな。

フィギュア:高橋 3度転倒に「今は悔しい」 Vから一夜


フィギュアスケート全日本選手権男子で24日に優勝した高橋大輔(関大大学院)ら上位3人が25日、大阪・なみはやドームで記者会見を行った。2年ぶりに制した高橋は、フリーで3度転倒したため「今は悔しい気持ちが大きくなった」と苦笑い。SPで4−3回転連続ジャンプを決めたこともあり、「けが(08年に右膝手術)をしてからジャンプに自信がなかったが、今季は自信を取り戻しているかな」と収穫も挙げた。


2連覇を逃して2位の小塚はフリーで4回転トーループを決め「次への希望を感じた。自分でコントロールして跳べたのが大きい」と手応えを実感。「SPでも入るのでは」と、SPに大技導入の可能性に言及した。3位の羽生は「今季はこの舞台でメダルを取るのが大事と思っていた。課題のスケーティングや表現力の部分を上げていきたい」と、さらなる飛躍を誓った。【来住哲司】


毎日新聞 2011年12月25日 19時26分(最終更新 12月25日 19時52分)



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