レミゼラブル

caltec2011-05-24



前回のレミゼ観劇で、大感激して気を良くして今回の「帝国劇場100周年記念スペシャルキャスト」を観劇。スペシャルキャストの皆様の容姿・歌声からはピーク時の勢いはないものの、その分、役を体現しているというか、演じることの奥深さ、味わい深さのようなものを感じ取ることが出来、今までに味わったことのないような不思議な充実感を得た公演だった。


気になるプリンシパル


 ジャンバルジャン 今井清隆
   今井バルは、朗々と響く声が素敵な歌の人。
   ただ(劇団四季出身役者特有の)演技が大根な感じ。
   こんな印象がガラリと変った今井バル。
   歌と演技のバランスが絶妙なバランス!
   ただ、対峙するのが濃い癖のある演技・歌唱法の鹿賀ジャベ。
   なので、いつもの「アッサリ感」は変らなかったです。
   でも、今回の公演では、別所バルより、今井バルの方が好きかもしれません。


【ジャベール】 鹿賀丈史
   立っているだけで絵になるというか、存在感があるというか、
   「俺は違うんだ」というオーラが出まくりの鹿賀ジャベ。
   群集の中から登場するシーンでも始めからわかります。
   この違いって、どこから生まれてくるものなのでしょう?不思議です。
   個人的には、歌・台詞ともにその独特の節回しが苦手な鹿賀さんなのですが、
   本公演では、その苦手感を常に感じながらも、
   ジャベールを演じる彼の演技に説得力を感じ、これはこれでありだと、
   自分の中では腑に落ちて肯定的な見方をしてしまう鹿賀ジャベ。
   特に「自殺」のナンバーは圧巻で、歌唱力だけではミュージカルはだめだなあ、
   演技プラン・演技力、人生経験って必要だなあと感じてしまいました。


 【エポニーヌ】 島田歌穂
   レミゼの顔、エポニーヌと言えば、やはり歌穂ニーヌ。
   どんな役者がエポニーヌを演じたとしても、往年のレミゼファンの頭の中では、
   かつての歌穂ニーヌと無意識のうちに比較してしまっている、
   それくらいスタンダードになっているかと思います。
   何年経っても、彼女のエポは変らない。
   ただ、彼女の「オンマイオウン」よりも、「恵みの雨」のパフォーマンスの方が心に響く、
   そんな年齢になったのも事実かなあと今回の公演を観て感じました。


 【ファンテーヌ】 岩崎宏美
   ベストエポが歌穂ニーヌであるのと同じく、
   自分にとってのベストファンテは、岩崎ファンテであることは、ずっと変らないでいました。
   知念・新妻・和音とツワモノが揃った今回のファンテの中にいても、
   やはり岩崎ファンテが一番なんだろうなあと、強く感じた岩崎ファンテでした。
   往年の声の透明感は、やはりないものの、でも、もともとの彼女の声質が好きなんだろうなあ。
   声が太くなろうが、高音が枯れようが、やはり岩崎ファンテは良いです。


 【コゼット】 神田沙也加
   チラシやポスター等のキャスト一覧の位置付け的にはスペシャル・キャストではないのに、
   その登板ローテはスペシャル・キャストの回のみ、という不思議な存在の神田エポ。
   やはり高音のファルセット部分は少しきついですが、華はあります。
   でも、普通のローテで登場して、スペシャル・キャストは別の人でも良かったのでは?
   と思ったのも、事実です。


 【マリウス】 石川禅
   個人的にはすごく期待していた石川マリ。
   オペラグラスでアップで観なければ、歌声・台詞・舞台上での動き、どれをとっても
   とても若々しさに溢れたマリウス像を感じます。
   特に石川マリ&岡アンジョが2人で登場するシーン(「♪誰が導くか〜、誰がこの国を〜」)の
   ぱーっと明るくなるところは圧巻です。
   全体的に、単純と言うか、純粋と言うか、真っ直ぐに突き進んでいく、石川マリ、
   少しKYなんだよなあ。だから一人生き残ったのかも。


 【テナルディエ】 斎藤晴彦
   音程が少し怪しかろうが、テンポがずれていようが、斎藤テナは、斎藤テナ。
   こういうものなのね、と思わせてしまうものが彼にはあります。
   前回スペシャル版のときのように、
   通常プリンシパルキャストの中に混じると違和感がありましたが、
   プリンシパルのほぼ全員がスペシャルキャストである今日の公演では、
   特に違和感を感じませんでした。
  

 【テナルディエの妻】 鳳蘭
   気丈夫で、男勝りで、とっても怖〜い、鳳テナ夫人。
   コゼットをいびるシーンで感じる、底知れぬ怖さ、彼女の怖さは
   歴代テナ夫人の中でも一番かも知れません(阿知波テナ夫人も並ぶくらい怖いですが)。
   カーテンコールのときに、パープル&ピンクの衣装にオカメインコメイクではなく、
   宿屋のときの衣装で出てくるテナ夫人は彼女だけかも。
   元塚トップスターのプライドを感じます。
 

 【アンジョルラス】 岡幸二郎
   やっぱりアンジョは岡幸二郎。今回の公演を観てそう思いました。
   人物像に深みがなくても、声をただただ張り上げているようにしか感じられなくても、
   でも、勇ましく朗々と歌う長身の岡アンジョには、
   革命の学生のリーダーという役がとても良く似合います。
   ジャベじゃなくて、毎回アンジョで出ればいいのになあ。。。


 【司教】 林アキラ
   司教様がスペシャルキャスト? プリンシパルでもないのに?
   という驚きをキャスト表を見て感じましたが、
   ここまで単独で歌うソロパートがあるのは、プリン以外は司教のみかも。
   その司教役のスペシャル・キャストが林司教ということで、
   個人的には(学生役で登場する)バリケードのシーンを期待していたのですが、
   学生役のときは、林さんではないのですね。残念。。。
   本当に司教役のときのみの出演。凄すぎです。



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