四大陸選手権

caltec2011-02-19



今大会での収穫は、高橋選手の復調と、全日本4位の羽生選手の活躍だ。全日本ではSP2位で迎えたフリーでミスを連発し、世界選手権の代表を逃してしまったが、プレ世界選手権と言ってもいい本大会で表彰台に上ったことは、来シーズンからの彼の活躍を証明しているようで、楽しみでもある。


高橋選手はフリーが全体的に「踊れる」ようになっていて、プログラム全体を通してみたときの完成度というか、充実度が増していたように感じた。3位のアボット選手は本調子ではないながらも、表彰台に上ってくるところに地力の差を見せ付けたというところか。

4大陸フィギュア:安藤「あとはジャンプ」…3月に照準


フィギュアスケートの4大陸選手権第3日は19日、台北で行われ、女子ショートプログラム(SP)は全日本選手権を制した安藤美姫トヨタ自動車)がほぼ完璧な演技で今季自己最高の66.58点をマークして首位に立った。


3月の世界選手権で2連覇を狙う浅田真央中京大)はトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)が回転不足と判定され、63.41点で2位。レイチェル・フラット長洲未来の米国勢が3、4位で続き、鈴木明子(邦和スポーツランド)は57.64点で6位だった。


◇2連続3回転ジャンプ控え、安定感を重視…安藤


今季4戦3勝と好成績を残しながら、安藤は一度もSPでトップに立てずにいた。「フリーよりも練習してきた」という成果を発揮し、シーズンの自己ベストを10点以上更新。待望の首位発進に、自然と表情が緩んだ。


昨年12月のグランプリ・ファイナルからスローな曲調にプログラムを変更し、今大会で3戦目になる。6季ぶりに全日本女王に返り咲いた23歳は「音の細かいところまで聞きながら滑れるようになっている」と手応えを口にする。課題だったスピンでの得点の取りこぼしもなくなり「今後はジャンプに力を入れられる」と喜んだ。


この日は朝から体調に不安を感じていたそうで、「あまり演技も覚えてない」と苦笑いした。台北入りしてからの公式練習で好調だった2連続3回転ジャンプを控え、安定感を重視して滑った。


初優勝を飾った2007年以来、4年ぶりの東京開催となる3月の世界選手権に照準を合わせている。武器とする最高難度の2連続3回転は「練習ではできているので、試合でやれるまで完成度を上げたい」。さらなるスケールアップを誓った。(共同)


◇3回転半もう一歩 世界選手権へフリーで再挑戦…浅田


浅田の浮かない表情が印象的だった。ミスと呼べるのは、両足着氷になった冒頭のトリプルアクセルだけ。だが、20歳の世界女王にとっては生命線のジャンプだ。昨年末の全日本選手権に続く成功とはならず「悔しい」と肩を落とした。


台北に到着してから日に日に調子は上向き、期待は高まっていた。演技直前の6分間練習でも1回は「回りすぎて転倒」。もう1回はしっかり決めていた。「大きなジャンプを一発で決めるのは難しい。冷静な気持ちで臨めていなかった。やっと安定してきたけど、まだ波がある」と本番で失敗した原因を分析した。


こだわりの大技は回転不足となったが、シーズン序盤に迷い込んだトンネルからは脱した。オフにジャンプを基礎から見直し「長い目で見て、来季につながればいいと思っている」と焦りも薄れてきた。


フリーは「世界選手権につながる演技ができればいい」。再挑戦する3回転半を決めて弾みをつけたい。(共同)


毎日新聞 2011年2月19日 21時32分(最終更新 2月19日 23時06分))

4大陸フィギュア:高橋、貫禄のV


フィギュアスケートの4大陸選手権第3日は19日、台北で行われ、男子は3月の世界選手権で2連覇を狙う高橋大輔(関大大学院)がショートプログラム(SP)に続いてフリーも1位となり、合計244.00点で3年ぶり2度目の優勝を果たした。


SPで3位につけた16歳の羽生結弦(宮城・東北高)は自己ベストを大幅に更新する228.01点で2位。ジェレミー・アボット(米国)が225.71点で3位となり、SPで6位と出遅れた小塚崇彦トヨタ自動車)は223.52点で4位だった。


◇攻めの滑り、有言実行


鬼門だったSPを前日に克服し、気分よく迎えたフリー。世界選手権に向けた最後の演技に、高橋は「思い切り攻めていけたらいい」と力を込めて臨んだ。日本から駆けつけた大勢のファンの後押しに、世界王者が有言実行の滑りで応えた。


1月下旬に渡米して振り付けを大幅に手直しし「どう評価されるか確認したい」と大会のテーマを掲げていた。得点がボーナスで1.1倍となるプログラム後半はスピンやジャンプの種類、順序を変更。「しっくりしてきた」という好感触を、銀盤の上で実証した。「唯一の心配」と語っていた4回転ジャンプは転倒に終わり、課題として残った。それでも、フリーで今季の自己ベストを塗り替え、合計で244.00点を出した滑りには、納得の表情だった。


3月に東京で開催される世界選手権で2連覇を達成すれば、日本フィギュア界の歴史に新たな1ページを刻むことになる。ライバルが集結する頂上決戦まで残り約1カ月。24歳が、最後の追い込みに入る。(共同)


毎日新聞 2011年2月19日 23時32分(最終更新 2月20日 0時15分))



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