大人はかく、戦えり
初台にある新国立劇場小劇場にてシスカンパニー公演「大人はかく、戦えり」を観劇。外れの芝居がほとんどないシスカンパニー公演、そして、出演者に大竹しのぶ、秋山菜津子、段田安則、高橋克美と来れば、絶対外れない、という鉄壁の舞台になるだろう、と予想していたが、期待通りの面白さ、だった。
本作品の面白さは、ストーリー展開の面白さというよりは、4人の登場人物の会話のやりとりの面白さと、その関係性がその場その場変化していく点。
まあ、本舞台の内容を一言でいうと、子供の喧嘩をめぐる2組の夫婦の喧嘩話なのだが、そこにそれぞれの夫婦間の問題だったり、男女の問題だったり、仕事と家庭の問題だったり、文化の問題だったり、とまあ、いろいろな要素が詰め込まれ、誰が悪いだ、何が問題だということが、4人の発する会話によってどんどん変わっていく。
大竹しのぶ演じるヴェロニクが舞台序盤から「いやな女」感をまき散らしているのに比し、その他3名の大人たちはわりとクールで大人な対応を取っている。ヴェロニクに巻き込まれる形で、3人の大人たちがドンドンと壊れていく様が本舞台の見物。芸達者な4人が演じているだけに、会場は終止笑いの渦だった。
<出演者>
大竹しのぶ:ヴェロニク・ウリエ
段田安則 :ミシェル・ウリエ
秋山菜津子:アネット・レイユ
高橋克実 :アラン・レイユ
音 楽 : ★★☆☆☆
脚 本 : ★★★☆☆
演 出 : ★★★☆☆
役 者 : ★★★★★
舞台/衣装:★★★☆☆
満足度 : ★★★★★