全日本選手権

caltec2010-12-25



昨年のオリンピック&世界選手権代表の3名(高橋、織田、小塚)+昨年のジュニア世界チャンピオン(羽生)の4名に絞られた、世界選手権代表3枠を争う戦い。実はこの4名とも、ジュニアの世界チャンピオン経験者。日本男子の層も厚くなった。


個人的には、優勝した小塚選手をはじめ、上位各選手の多くが、少しずつミスを重ねていた点が気になった。小塚、高橋、羽生、無良、町田、村上、など、出場したほとんど選手のフリーに関しては、グランプリシリーズの試合での方が良い演技をしていたように感じる。挑戦者としてぶつかっていくだけのグランプリシリーズと「代表」が見えている国内選手権(代表決定大会)へ臨む、精神的な違いによるものなのだろうか?

フィギュア:小塚が全日本初優勝 織田2位 高橋3位


フィギュアスケート全日本選手権は第2日の25日、来年3月の世界選手権(東京)最終選考会(男女各3人)を兼ねて長野市ビッグハットで行われ、男子のフリーで、ショートプログラム(SP)首位の小塚崇彦トヨタ自動車)が4回転ジャンプなどで2度転倒したものの、フリーもトップとなり計251.93点で初優勝。父嗣彦さんも66年から全日本を3年連続制しており、男子では初の親子優勝となった。


SP3位の織田信成(関大)は計237.48点で2位、SP4位の高橋大輔(関大大学院)は計236.79点で3位、SP2位の16歳、羽生結弦(はにゅう・ゆづる)=宮城・東北高=は計220.06点で4位だった。男子の世界選手権代表枠は3で、小塚、織田、高橋の選出が確実になった。


女子のSPで、今季不振の浅田真央中京大)がトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決め、66.22点で首位に立った。安藤美姫トヨタ自動車)は64.76点で2位、16歳の村上佳菜子(愛知・中京大中京高)は61.50点で3位につけた。ジュニアグランプリ(GP)ファイナル4位の14歳、庄司理紗(西武東伏見ク)は4位、村主章枝陽進堂)は5位、鈴木明子(邦和スポーツランド)は7位だった。


ペアは唯一出場した高橋成美木下工務店ク東京)マービン・トラン(カナダ)組が合計172.05点で制した。アイスダンスショートダンスを行い、バンクーバー五輪日本代表のキャシー・リードクリス・リード組(木下工務店ク東京)が51.77点でトップに立った。


○…前回王者の高橋がSP4位の出遅れから挽回し、総合3位に食い込んだ。「SPでミスしたのでジャンプは不安があった。それ以外はミスしないように気合を入れた」と言うように、冒頭の4回転フリップは失敗したが、得意のステップで高評価を得た。高橋は「表彰台に上れてほっとしている。久々に切羽詰まったが、強い気持ちで臨めば結果につながる」。連覇のかかる世界選手権出場も確実になり、気を引き締めていた。


○…男子フリーで3強の壁に阻まれ、表彰台をのがした16歳の羽生。「結果や順位は考えていなかったが、持てる力をまたしても出せなかったのが悔しい」と振り返った。最初に予定していた4回転ジャンプは「跳ぶ気満々だったのに、力が入りすぎて」3回転になり、続く3回転半も転倒して波に乗れなかった。「フリーはまだまだ」と反省したものの、観客から大きな声援を受けたことには大感激で「期待されたので練習のしがいがある。もっともっと練習したい」と意欲的だった。


毎日新聞 2010年12月25日 22時25分(最終更新 12月26日 0時37分))


総合的に言えば、今シーズンは、優勝した小塚選手が頭一歩抜きん出ている感は拭えない。スケーティング力、ジャンプの確実性、スピンのポジション・バリエーション、そしてステップ。プログラムを演じること、魅せることに関しては高橋選手には及ばないものの、それ以外の要素に関しては、今シーズンの日本選手の中では小塚選手がピカイチではないだろうか。

フィギュア:小塚逃げ切り、全日本王者 努力、点数に反映


全日本を制したうれしさと、思い通りの演技ができなかった悔しさ。試合後、小塚は「いろんな気持ちが交ざっている」と吐露した。だが、「今の僕の原点」と語るバンクーバー五輪後、積み重ねてきた練習は、21歳の伸び盛りを裏切らなかった。


最初のジャンプは、バンクーバーで日本勢唯一の成功となった4回転トーループ。4回転と認定されたものの、着地後に転倒し大きく減点。締めのジャンプの3回転サルコウも、回転不足に転倒が重なった。


だが、三つのスピンはすべてレベル4評価。本人が「せっかく良くなったのに、元に戻ってしまった」と言う表現力も、審判には着実に浸透しているようで、この日のプログラム構成点は5項目すべてで8点台。2度の転倒のため失敗した印象の強い演技だったが、成長の跡は確実に点数に反映された。


自ら「完璧」と振り返るSPでは、大舞台の緊張を「自分のコントロール内」に抑えた。だが、この日は試合前のホテルの室内から試合開始まで時間に追われたといい、「ちょっとしたスキに全日本の緊張感が入り込んできた」。指先まで神経が行き届く感覚が得られず、ジャンプの精度低下につながった。


しかし、それも経験。「今季の試合はまだ残っている。そこでこの悔しさを克服できたら」と小塚。その舞台は、言うまでもなく世界選手権だ。【芳賀竜也】


毎日新聞 2010年12月25日 23時14分(最終更新 12月26日 0時35分))


女子シングルのショートプログラムについては、上位陣がミス連発。明日のフリーはどこまでミスのない完成度の高い演技が見られるか、期待したい。個人的にはトリプルアクセルが完璧ではなかったとはいえ、復活してショートトップに立った浅田選手の復活が嬉しいところ。試合後、優れない表情の多かった彼女だが、今大会ではショートプログラムの演技中に笑顔が出るなど、本人も復活の明るい兆しを感じているように思う。

フィギュア:トリプルアクセル成功で流れ 浅田SP首位


フィギュアスケート全日本選手権は第2日の25日、女子のショートプログラム(SP)で、浅田真央中京大)が66.22点で首位に立った。冒頭のジャンプに、浅田が選んだのはトリプルアクセルだった。着氷は乱れたものの、今季初の成功。観客席が沸く。佐藤信夫コーチは「しぶとい。根性はありますよ」と、その精神力の強さを認めざるを得なかった。


トリプルアクセルで流れをつかんだ。2連続の3回転ループでミスも出たが、終盤のスピンやステップで観衆を魅了し、浅田は「今の自分が持っているものを出せた」と充実感を漂わせた。


浅田は「山場はジャンプだと思っていた」。冒頭のジャンプについては2回転半にする安全策も考えていた。だが、自らが滑る最終グループの直前練習でトリプルアクセルを2度跳び、調子の良さを信じて決断した。


佐藤コーチは「非常に危険」と思ったが、同時に「本人の気持ちが盛り上がっていく方向にやらないといけない」と考え、最終的に“挑戦”を認めた。


そして、完璧とはいかなかったが成功させSPトップに立った浅田。今季はGPシリーズ2戦に出場して国際大会としては自己ワーストの8位と、5位。「(不調だった)時間があって、今に至ると思う。今までやってきたことを自信にして、フリーも滑りたい」。全日本5連覇と、2連覇のかかる世界選手権の代表権獲得を目指し、最初の関門は突破した。【村社拓信】


毎日新聞 2010年12月25日 20時49分(最終更新 12月25日 21時23分))

フィギュア:23歳安藤、大人の雰囲気で 全日本SP2位


フィギュアスケート全日本選手権は第2日の25日、女子のショートプログラム(SP)で、安藤美姫トヨタ自動車)は2位。1週間前に23歳になったばかりの安藤は、しっとりとしたチェロの音色に合った大人の雰囲気で、フリーでの逆転も十分可能な点差で2位につけた。シーズン当初のSPはアップテンポの曲だったが、腰を痛めたこともあり、GPファイナルから映画「ミッション」のサウンドトラックのチェロ曲に変更。「曲をかけての練習はフリーよりもずっと多くやった」というだけあって、「音楽の解釈」で7.90の高得点を出すなど、緊急プログラムをしっかり消化していた。


ジャンプではルッツ−ループの連続3回転の予定を、モロゾフ・コーチの指示で難易度を落として3−2回転に。「練習ではできていたので悔しい」と言うものの、「世界選手権の代表選考会は駆け引きも必要。今回は(指示を)素直に納得した」と気持ちの制御も大人になったようだ。


世界選手権に出たら3−3で勝負するつもり。そのためにも、フリーでも「最後までミスなく決めたい」と安藤。代表切符獲得を最優先に、滑り切るつもりだ。【冨重圭以子】


毎日新聞 2010年12月25日 19時49分(最終更新 12月25日 19時56分))

フィギュア:村上「フリーで挽回したい」 全日本SP3位


フィギュアスケート全日本選手権は第2日の25日、女子のショートプログラム(SP)で、16歳の村上佳菜子(愛知・中京大中京高)は3位。GPファイナルで日本女子最高の3位に入った村上が、SPでつまずいた。得意にしている冒頭の2連続3回転ジャンプと、続く3回転フリップはきれいに決めたものの、最後に跳んだダブルアクセルが1回転半に。「(序盤の二つのジャンプが)すごくよかったので、(次も)跳べるかなと不安になった。練習で失敗した時のことを考えちゃった」と村上。演技後、山田満知子コーチに「またやっちゃったね」と苦笑いされたといい、「今日の悔しさを挽回できるフリーにしたい」と気持ちを切り替えていた。


毎日新聞 2010年12月25日 19時58分(最終更新 12月25日 20時02分))



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