全日本選手権

caltec2010-12-26



注目の女子シングルは、最終的には、男子シングル同様、昨年のオリンピック&世界選手権代表の3名(浅田、安藤、鈴木)+昨年のジュニア世界チャンピオン(村上)の4名が、代表3枠を争う戦いとなった。


女子は全体的に各選手とも、全日本選手権に照準を合わせて調整してきたことが伺え、今まで観てきたグランプリシリーズなどの大会での演技より、この全日本選手権での演技の方が内容が良い選手が多かった。ただ、気になったのは、PCSが上位4名に甘すぎな気がした点。

フィギュア:安藤が逆転V 浅田、村上も世界選手権代表に


フィギュアスケート全日本選手権は最終日の26日、来年3月の世界選手権(東京)代表の最終選考会を兼ねて長野市ビッグハットで行われ、女子はフリーで、ほぼノーミスの演技をしたショートプログラム(SP)2位の安藤美姫トヨタ自動車)が逆転し、計202.34点で6年ぶり3回目の優勝を果たした。SP首位の浅田真央中京大)は計193.69点で2位にとどまり、大会5連覇を逃した。SP3位の村上佳菜子(愛知・中京大中京高)が計187.52点で3位に入った。上位3人は世界選手権代表に選ばれた。


4位は鈴木明子(邦和スポーツランド)、5位は14歳の庄司理紗(西武東伏見ク)だった。アイスダンスはフリーで、バンクーバー五輪日本代表のキャシー・リードクリス・リード組(木下工務店ク東京)が計127.71点で4連覇を果たした。



○…SPで7位と出遅れた鈴木がフリーでは4位、総合でも4位に入ってバンクーバー五輪代表の面目を保った。しかし、本人は「調子がいいときは何も考えずに体が動くが、ジャンプでの注意点ばかり考えて余裕のないフリーになった」と演技には不満を漏らした。若手の台頭が著しいフィギュア界で25歳の鈴木は、ベテランの一人。2月の五輪が終わってから「次の五輪まではやらない。1年ごとに続けるかどうか決めよう」と考えて今季に臨んだ。「これじゃ、終われない。来年もやります」と、涙を浮かべながら現役続行宣言をした。


◇世界選手権など主要国際大会の代表決まる
日本スケート連盟は26日、フィギュアスケートの世界選手権(来年3月、東京・代々木第1体育館)など今季の主要国際大会の代表選手を決定した。世界選手権には男女とも全日本選手権の上位3選手が選ばれた。女子の浅田は世界選手権で日本選手初の2連覇を、安藤は4年ぶりの優勝を狙う。村上は初挑戦になる。


代表は次の通り。


<世界選手権>
▽男子 小塚崇彦トヨタ自動車織田信成(関大)高橋大輔(関大大学院)
▽女子 安藤美姫トヨタ自動車浅田真央中京大村上佳菜子(愛知・中京大中京高)
▽ペア 高橋成美木下工務店ク東京)マービン・トラン(カナダ)組
アイスダンス キャシー・リードクリス・リード組(木下工務店ク東京)


<4大陸選手権>(来年2月、台北
▽男子 小塚、高橋、羽生結弦(宮城・東北高)
▽女子 安藤、浅田、鈴木明子(邦和スポーツランド)
▽ペア トラン、高橋組
アイスダンス キャシー・リードクリス・リード


毎日新聞 2010年12月26日 19時45分(最終更新 12月26日 22時59分))


鈴木選手は、ショート7位と出遅れたものの、フリーで持ち直し、総合4位。ここまで上がってくるのは彼女の力そのもの。今シーズンの彼女のフリー(屋根の上のバイオリン弾き)もいいが、彼女にはもっとメリハリの利いたプログラムの方が合うと思うので、個人的には、フリーは昨年のウェストサイド・ストーリーのようなシャープなもので、ショートを柔らかな雰囲気のものにする方が良いような気がする。


優勝した安藤選手は、今季絶好調のフリーをほぼパーフェクトの出来で演じ、浅田選手を逆転しての優勝。今季の彼女のフリープログラムは、男子と同様に、点数が1.1倍となる後半に5つのジャンプを配することで点数アップを狙う意欲的なもの。ジャンプの確実性・スタミナともに自信があって始めて組める構成だ。


そして、今日の彼女の演技を見て素晴らしいと感じたのは、このフリープログラムを「演じきっている」ということ。特にステップでの情感の込め方が秀逸。彼女が世界チャンピオンとなったときのフリープログラムと同様の完成度であると思う。あとは今季途中で変更したショートを、彼女が納得いくまで滑り込めば、2度目のゴールドメダルも夢ではないように思う。


フィギュア:安藤、七つのジャンプ成功 女王復帰を狙う

全日本選手権女子フリー(26日・長野)
フリーでの逆転が、安藤の必勝パターンになりつつある。フリーで逆転優勝した中国杯はSP3位、ロシア杯は5位。この日、SP首位の浅田にわずか1.46点差の2位でフリーに臨む姿には余裕すら感じられた。


全く危なげなかった。冒頭の3回転−2回転から七つのジャンプがすべて成功。三つのスピンもすべてでレベル4評価を得た。妖艶なムードの滑りが多い安藤だが、演技終了後に右足をリンクで躍らせ、両手で2回もガッツポーズ。「うれしくって、自然に出た」と照れ笑いした。


「全日本は、日本で一番大事な試合」。五輪や世界選手権の舞台を踏んだ安藤でも、主要国際大会の代表選考が懸かる全日本選手権では重圧が襲う。そんな繊細な元世界女王に、ニコライ・モロゾフ・コーチは「今日はお客さんのために滑りなさい」とアドバイスした。「はっとした。日本には自分を支えてくれる人たちがたくさんいる」。観客席や応援の横断幕を見ていると、胸の鼓動が収まった。


基礎点が1.1倍になる演技の後半に五つのジャンプを集めた今季のフリー。「五輪が終わり、楽しみながらやっているけど、実際には大変な挑戦」と言う。完成の域に近づきつつあるフリーを武器に、4年ぶりの地元開催となった世界選手権で、女王復帰を狙う。【芳賀竜也】


毎日新聞 2010年12月26日 21時26分(最終更新 12月26日 23時28分))


2位の浅田選手は、トリプルアクセルを着氷したことが功を奏して、他の3回転ジャンプの成功の確率上がり、技術点が今季最高に。佐藤コーチの談話では、練習ではジャンプを飛べている、ということなので、今シーズンのグランプリシリーズの不調はやはり精神的なものが原因なのか。。。 ただ気になったのは、スケーティング力が安藤選手や、鈴木選手と比べてどうか?という点。「プログラムを演じる」という点では、実は安藤・鈴木・村上選手よりも、完成度では劣っている印象を受けた。ジャンプの精度向上同様、来年の世界大会に向けて、これから滑り込み、プログラムの完成度を上げていくことが彼女の課題であると思う。

フィギュア:「大きな山を越えた」浅田、復活の第一歩


フィギュアスケート全日本選手権最終日は、26日に女子フリーが行われ、浅田真央選手(20)=中京大=が2位に入った。復活の第一歩を、浅田は穏やかに踏み出した。五輪で銀メダル、世界選手権で金メダル。トリプルアクセルを武器に華やかに締めくくった昨季から一転し、今季は全く跳べなくなった。しかし、追い込まれると強いのが浅田の真骨頂だ。


出だしのトリプルアクセルは、回転不足と判定されたものの、とにかく降りた。続く3−2回転連続ジャンプはクリーンに決めた。苦手のルッツもエッジミスがあったとはいえ、転ばなかった。「最後までジャンプが入ってよかった」と浅田。大会5連覇は逃したものの「今できる自分の滑りは、全部出せた」と言ってほほ笑んだ。


昨季も前半は不調で、年末の全日本選手権を機に上昇気流に転じた。「去年は五輪に出られないかも、と押しつぶされそうだったが、今年は自分の演技をしたいとだけ思った」という。五輪前のプレッシャーの経験があったから、不調の中でもあわてずにすんだ。まして今季は佐藤新コーチのもとでスケーティングの基礎から改造中。プログラムの完成が遅れるのはわかっていた。改造成果は早くも出た。スパイラルでスケートが伸び、出来栄え点で2.20の加点を得たのだ。


「大きな山を越えた」と少し大人びた雰囲気で語った浅田。「世界選手権ではもっといい演技をする」と約束した。【冨重圭以子】


毎日新聞 2010年12月26日 21時33分(最終更新 12月26日 23時21分))


村上選手は、今季の好調を維持し、3位で世界選手権のキップを手に。出場した大会を上手に活用し、一つ一つ課題を克服していく、その調整力は経験豊富なチーム山田マジックかなあ。村上選手はまだ成長過程にあるので、シニアの国際試合を経験することでの成長も、より戦略的なプログラムを滑ることでの成長も、まだまだ見込める選手だけに、今シーズン、そして来シーズンの彼女の滑りに期待大。

フィギュア:佳菜子16歳、伸び盛り…全日本選手権3位


26日に閉幕したフィギュアスケート全日本選手権(長野・ビッグハット)で3位に入り、来年3月に東京で開かれる世界選手権の代表に選ばれた16歳の村上佳菜子(愛知・中京大中京高)。シニア本格参戦1年目でグランプリ(GP)シリーズ優勝を果たした勢いは止まらない。【村社拓信】


ジュニアだった昨年、5位に入った全日本選手権。シニアとして初めて臨んだ今年は、勝手が違ったようだ。SPではジャンプで「緊張した」とミス。トレードマークである銃を撃つ最後のポーズでは、よろめいた。


しかし、これで終わらないのが今季の村上だ。フリーでは、得点源となる2連続3回転ジャンプを決め、約2週間前のGPファイナルで失敗した3連続ジャンプも跳んだ。小さなミスはあったものの、「毎回練習の成果を出そうと思っている。今回は初めて、それができた」。


3月の世界ジュニア選手権で優勝。本格的なシニアデビューとなった10月のNHK杯で3位に食い込み、11月にはスケートアメリカで頂点に立つ。着実な成長を示した1年を「初めてのシニアで緊張することが多かった。試合の合間にたくさん練習することで、不安をなくそうとした」と振り返った。


全日本選手権後、村上は、安藤美姫浅田真央と並んで代表会見に出席した。年末年始の予定を聞かれ、先輩たちが「少し休みます」と答えたのに対し、「私は休ませてもらえないと思う。練習を頑張ります」。残念そうに語り、会場の笑いを誘った。はつらつとした滑りだけでなく、天真らん漫な性格で一躍脚光を浴びる村上。「たくさん練習をして、今の自分ができるレベル以上の演技をしたい」と新しい年を前に、さらなる飛躍を誓った。


毎日新聞 2010年12月27日 10時45分(最終更新 12月27日 10時54分))



人気ブログランキングへ