フランス大会


女子シングルについては、3名出場した日本人選手は表彰台に上がれず、、という結果に終わってしまいました。ショートでは復活のきざしの見えた村主選手、フリーの演技内容によっては表彰台も狙えた今井選手とも、フリーでは失敗してしまいました。


今回でグランプリシリーズ全6戦が終了しますが、全6戦を見てきた感想を一言で言えば、女子に関して言えば、今シーズンは誰かが頭ひとつ抜けた、という状態ではなく、総合力がある選手が勝つという感じなのかな、という印象を受けました。
ただ、村上選手、今井選手など、ジュニア卒業組がシニアの舞台でも上位争いをしてくるのが女子の世界なので、バンクーバーが終わり、世代交替の波が押し寄せてきたな、という感は強いです。次シーズンあたりは、上位陣の顔ぶれが変わっていてもおかしくはありません。

フィギュア:フランス杯男子は小塚V 織田もファイナルへ


フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ最終戦、フランス杯は第2日の27日、パリで男子のフリーがあり、ショートプログラム(SP)首位の小塚崇彦トヨタ自動車)が圧巻の演技を見せ、フリー170.43点、合計248.07点で優勝した。小塚の得点は、フリー、合計いずれも自己ベストを大きく更新。GP第3戦の中国杯優勝と合わせて、上位6人によるファイナル(12月10、11日・北京)進出が確定した。


また、すでに2大会を終えいずれも2位の織田信成は、今大会2位のアモディオ(仏)と3位のムロズ(米国)を上回り、ファイナル出場が確定。高橋大輔はすでに出場を決めているため、バンクーバー五輪男子代表と同じ3人が出場となり、安藤美姫鈴木明子村上佳菜子の3選手が確定している女子と並んだ。
 

◇浅田は5位 ファイナル逃す

この後の女子フリーでは、SP7位の浅田真央中京大)は、フリー97.92点で合計148.02点で5位に終わり、GP上位6人によるファイナル(12月10、11日・北京)進出を逃した。SP首位のコルピ(フィンランド)がフリー108.35点、合計169.74点で優勝した。SP3位の今井遥(東京・日本橋女学館高)はフリーで失敗し、6位。村主章枝陽進堂)は8位に終わった。【毎日jp編集部】


(毎日jp 2010年11月28日)


2年前のグランプリシリーズでの活躍は「予期せぬ嬉しい誤算」。しかし、今シーズンのグランプリシリーズでの活躍は「当然の結果」。この数シーズンで、小塚選手の実力・評価ともに高まっているのは事実です。そして中国大会・フランス大会での優勝により、雑誌・テレビ等で小塚選手の特集を見かけることが多くなってきました。


注目されることでいろいろ大変なことも出てくるかとは思いますが、回りに流されず、コツコツと地道に前を向いて進んでいってもらえたらなあ、と思ってしまいます。

表現力に磨きファイナルへ 2連勝の小塚


これまで高橋大輔(関大大学院)、織田信成(関大)に次ぐ日本男子の「3番手」とみられてきた小塚だが、今や世界王者の高橋すら脅かしそうな勢いが出てきた。リスト作曲のピアノ協奏曲の調べに乗せて滑るフリー。シックな紫と黒を基調とした衣装を身にまとい、絹のような繊細で滑らかなスケーティングで見せていった。


中国杯で優勝したが、フリーの出来に納得ができなかった。「流れは悪くなかったんですけど、自分が思い描いていた演技ではなかった」という。例えば手を大きく伸ばす時に伸びきっていなかったり、自分が理想とする体のポジションになっていなかったり――。誰もが認める技術を生かすために、どう表現力をつけるか。GP2勝目に浮かれることなく探求を続けた。


実は調子にのると気が緩む悪癖があり、これまで試合前になると必ず一度は佐藤信夫コーチから雷が落ちていたが、今季はまだそれもない。


「ファイナルでもっとしのぎを削りたい」という小塚の宣言通り、北京でさらなる高みに挑む。(坂上武司)



(asahi.com 2010年11月28日11時29分)

小塚 エースへの道着々 海外一人暮らしで成長


氷の前で足が震えた。リンクに上がって、衣装のボタンの留め忘れに気がついた。直前に滑った地元のアモディオが自己新をたたき出し、満場のスタンディングオベーションの余韻が残る。ミスはできない最終滑走者は、明らかな緊張の兆候を自覚していた。


しかし、それを21歳は、ねじ伏せた。出だしの4回転。わずかに着氷が乱れたが、残り7度のジャンプは、すべて出来栄え点でジャッジの加点を引き出した。三つのスピンでも最高難度のレベル4を取り、終わってみれば、フリーの世界歴代得点で高橋大輔に次ぐ2位となる170・43点をマーク。自己新で圧勝を手にしていた。


今季の小塚は、どっしりとした安定感がある。その理由に挙げるのが、単身カナダに渡った経験だ。5月と7月の2度、2〜3週間ずつ、振り付けのために異国の地に一人で過ごした。英語で連絡を取り、買い物、自炊をこなすのは、ストレスに満ちていた。「自分が折れてしまったら終わりの状況で、最後まで一人でやれたことが今シーズンにつながっている」


心の成長の自覚を糧に、北京とパリでGP2連勝。日本のエースへの階段を上り始めた逸材は、グランプリファイナルにも、自信を持って臨む。(近藤雄二)


(2010年11月29日 読売新聞)



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