スケートアメリカ

caltec2010-11-15



いやー、シニアデビュー初戦が3位、そして2戦目にして優勝と言うのは、凄いの一言。もっとも村上選手の場合、去年のジュニアは出場した試合(グランプリファイナル、世界選手権含め)は、全て優勝、しかも頭一つ抜けての点数を出していたので、実績は十分だとは思ったのですが、シニアでも堂々と勝負できるとは正直、思ってませんでした。


トリプル→トリプルの連続ジャンプが飛べること、スピンだけではなく、ステップのレベルも高いこと、踊れることと、各要素とも万遍なくスキルが揃っていて、取りこぼしがないところが彼女の一番の強みではないかと感じます。


レイチェルは、10代とはとても思えないくらいの「貫禄」さえ漂わせはじめました。アメリカ的というか、黄金時代のハリウッド映画というか、そんな雰囲気のゴージャスさを演じるのがとても上手いし、そして何より、どっしりとした安定感がある(「重そう」という意味ではなく、いい意味での安定感)。どんな場面でも崩れなさそうなサバイバルできる安定感というのは、彼女の大きな武器だと思います。


シズニー、ワグナー、レイチェル、長洲、ザン(最近、体形変化で苦労しているようではありますが)。アメリカの女子は、皆同じようなレベルであるだけに、日本女子以上に代表争いが熾烈であり、そうした環境の中で生き残っていくには、レイチェルのような「強さ」って必要なんだろうな、と改めて思いました。

フィギュア:16歳村上が初優勝、SP2位から逆転

ポートランド(米オレゴン州)小坂大】


フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦、スケートアメリカは最終日の14日、当地で女子のフリーを行い、16歳の村上佳菜子(愛知・中京大中京高)がショートプログラム(SP)2位から逆転でGP初優勝、12月のGPファイナル(北京)進出も決めた。


村上はフリーで連続3回転ジャンプなどを決めて110.18点を記録、自己最高の合計164.93点をマークした。今季からシニアに転向した村上は第1戦のNHK杯は3位だった。


2位はレイチェル・フラット(米国)、SP首位のカロリナ・コストナー(イタリア)は3位だった。

フィギュア:村上、真央と同じ快挙 GP2戦目で優勝


フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦、スケートアメリカで16歳の村上佳菜子(愛知・中京大中京高)がGP初優勝した。


期待の新星が表彰台の中央に立った。優勝が決まった瞬間は「本当か分からなかったから、びっくりした」と村上。はじけるような笑顔からは思わず涙もこぼれた。


GPデビュー戦のNHK杯ではSP2位からフリーで3度転倒して3位に後退しただけに、「悔しい思いを挽回(ばんかい)したかった」。冒頭の3−3回転ジャンプを成功させると、3回転で手をつくミスはあったものの、自ら「今季の中では一番いいジャンプ」と納得の演技だった。


158センチの体をいっぱいに使った躍動感も目を引いた。ただし、地元米国の五輪代表のフラットや、イタリアのベテラン、コストナーが大失敗した中での優勝とあって「うれしいけど課題ばかり。周りが完ぺきな演技のときは、自分がどこにいくか分からない。シニアで評価された実感は今一つない」と村上。冷静に自分を見つめる目も持っている。


シニアにデビューした年のGP、しかも2戦目での優勝はバンクーバー五輪銀メダルの浅田真央中京大)と同じ快挙だ。「真央ちゃんに、ちょっとは追いつけたかな。少しでも追いつけるように頑張る」。これから、あこがれの先輩と同じ道を歩んで、世界の頂点を目指していく。


【小坂大】


毎日新聞 2010年11月15日 11時29分(最終更新 11月15日 11時39分))


NHK杯スケートアメリカ、表彰台の位置(順位)は違うものの、その上に並んだ選手は全く同じ顔ぶれ(村上、レイチェル・フラットコストナー)。村上選手、実力もありますが、運も良かったと思います。


個人的に少し気になるのが、マスコミが村上選手をこぞって取り上げることです。「第二の真央」と、大々的に取り上げられる風潮が続くようだと、次のシーズンの村上選手への影響が心配です。
メディアは話題提供者であり、その時の選手の状態しか見ません。もっと長い目で選手の成長を見守りながら報道してはくれませんので、身近に選手の精神状態やメディアでの取り上げられ方についてケアしてくれる人がいるのといないのでは大きな違いが出てくると思います。まだ十代の選手が多い中、メディアと上手く付き合っていく術を会得するのには少し時間がかかると思うので。
村上選手は世間の注目を浴びてからも、暫くは練習の拠点が日本になると思うので、かつての安藤選手のようにならないように祈るばかりです。

村上佳菜子:「真央ちゃんに近づけたかな」16歳の成長 逆転GP初優勝


真央に並んだ!フィギュアスケートGPシリーズ第4戦、スケートアメリカ最終日は14日、米オレゴン州ポートランドで行われ、女子フリーで村上佳菜子(16=中京大中京高)が、自己最高の110・18点で2位となり、ショートプログラム(SP)の2位から逆転してGP初優勝を飾った。第1戦のNHK杯で3位に入った村上は、浅田真央(21=中京大)に並ぶシニアGP2戦目での最速優勝でGPファイナル(12月9日開幕、北京)出場権も獲得。SP1位のカロリナ・コストナー(23=イタリア)のミスにも助けられたが、期待の星が早くもタイトルを手にした。


リンクから控室に戻る途中、村上は潤んだ目元を左手でぬぐった。「まさか110点が出るとは思わなかった。優勝も、本当かどうか分からなかった」。シニアGPデビュー2戦目で最速優勝。子供のころから同じリンクで練習し、あこがれた浅田に並び「真央ちゃんに少しは近づけたかな」と16歳の笑顔を見せた。


初優勝は運もあった。苦手の3回転ルッツでエッジのミスをし、3回転フリップは1回転になった。3回転ループも着氷で手をついた。だが、それを補う表現力が村上の武器だ。演技点だけならコストナーに次ぐ2位。そのコストナーがジャンプでミスを連発し、優勝が転がり込んできた。


フリーの110・18点と合計の164・93点はともに自己最高。山田満知子コーチは「佳菜子も他の選手もパーフェクトではなかった。有頂天では喜べない」と話したが「それでも優勝できたことを自信につなげてほしい」と評価する。まだ、16歳。運があったにしても、優勝すること自体に大きな意味があった。


昨季のジュニア世界選手権を制し、今季からシニアデビューした。「白鳥の湖」のゆったりした演技でジュニア女王となったが、シニア転向を前に夏の合宿でメリハリのある「マスク・オブ・ゾロ」をとことん滑り込む村上の姿があった。


複雑で細かいエッジワークを駆使したストレートラインステップ。正確なスケーティング。音楽との調和にもとことんこだわった。関係者が「16歳でなぜ、こんな難しいプログラムを」と絶句するほどの演技に挑戦することが、シニアに臨む村上の心構えだった。


女子では今季のGPファイナル出場権を最初に手にした。「優勝はうれしいけど課題はいっぱい。でも、自信はついたと思う。次に優勝するときは、他の選手がパーフェクトな演技をした中でしたい」。毎試合、緊張で泣きそうになるが「きょうは動ける緊張だった」とはにかめただけでも、16歳には成長だった。


スポニチ 2010年11月16日)



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