初期伊万里展(併設:朝鮮陶磁)

caltec2010-06-18



松涛にある戸栗美術館にて「初期伊万里展(併設:朝鮮陶磁)」を観る。伊万里というと、古久谷様式、柿右衛門様式、金襴手など、どちらかというと派手なものを連想しがちだが、本展覧会「初期伊万里」展では、染付が主体の、生地もどちらかというとポッテりとしたものが中心で、「伊万里」っぽくはないと感じた。


本展覧会の概要は、以下の通り

1610年代佐賀県有田町において、日本初の磁器・伊万里焼が誕生しました。一般的には、草創期から色絵が登場する前の、染付を中心とした伊万里焼は“初期伊万里”と呼ばれ、技術的には未完成ながら、やわらか味のある質感、のびやかな雰囲気をもつことが特徴といわれています。しかし実際には、さまざまな作風や技法の作品が見られることから、今展示では、〔概念〕〔生産窯〕〔文様〕〔技法〕〔用途〕などの観点から改めて“初期伊万里”を追究します。併設展示として伊万里焼のルーツでもある朝鮮半島の陶磁器の歴史を展観します。(出展作品数 初期伊万里:約70点 朝鮮陶磁:約30点)


ただ、逆に、その素朴さが、味わい深いのであり、caltecの陶磁器の主体である染付とは、バッチリ合うんだけど。。。。 でも、どちらかと言うとスッキリかつ洗練されたデザインが好きなので、個人的な好みではない、というのが正直なところ。


併設展示されていた朝鮮陶磁器の方は、すっきりと洗練されたフォルムで、こちらの方が見ごたえがあった。実は、淡い青磁はあまり好きではないのだが、展示されていた高麗時代の青磁は渋く押さえた発色にキリリとしまった形をしており、かなり技ありの逸品。そして、李氏朝鮮時代に時代が移ると、素地の色が淡い白になり、染付の絵柄もシンプルだが可愛らしいものになってくる。個人的には、3月に大阪で見た北宋の青磁器を彷彿させる高麗青磁の方が好みです。


企画力  :★★★☆☆
展示方法 :★★★☆☆
作品充実度:★★★☆☆
満足度  :★★★☆☆



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