SIDE SHOW
東京芸術劇場中ホールにて「SIDE SHOW」を観劇。
トニー賞受賞式の様子を見、「I Will Never Leave You」を代表する楽曲の良さに惹かれ、輸入版ＣＤを繰り返しリピートしていたSIDE SHOWの日本公演がついに開幕、、、ということで、かなり期待しての観劇。
感想を簡潔に言えば、「楽曲が素晴らしい、そして出演者の歌唱力も素晴らしい。でも、エンターテインメントとしてみたときの作品の力を言うと、娯楽性に欠け少し物足りない」 というのが率直なところ。
デイジー、バイオレットという双子と、彼女を取り巻く３名の男性（テリー、バディ、ジェイク）の恋愛、生き方を軸に作品のストーリーが進んでいくのだが、良くも悪くも、この５名の関係性の描写の場面が突出しており、双子の人生を綴る芝居に歌が付いた作品という感が強い。結果として、ミュージカルとしての良さが十分に引き出されていはいない印象を受けた。楽曲・出演者が良いだけに非常にもったいない。
今回の振り付けは大隈賢也。ダイナミックで派手は振り付けというよりは、丁寧ではあるが、少しこじんまりとまとまりすぎてしまった感もある。舞台が「見世物小屋」であるならば、もっと大胆で大掛かりな舞台美術・振り付けでも良かったのではないかという気がした。
舞台装置・人の動線含め、全体的に大人しめ。ただ、それは「体がくっついている双子」が主人公である、という設定故のものなのかもしれないが。。。逆に衣装はとても豪華。特に双子は都度都度豪華な衣装を着替えて登場。衣装を見るだけで面白い。
客席はステージ近くの前方での観劇がベター。その理由は、舞台後方では、同じ出来事に対するデイジーとバイオレットの感情の違いなど、細かな演技を堪能するのが困難になってくるから。
再演を希望するが、もう少し構成等含めブラッシュアップの余地あり、という印象を受けた舞台だった。
＜主な出演者＞
ヴァイオレット：貴城けい
デイジー ：樹里咲穂
テリー ：下村尊則
バディ ：伊礼彼方
ジェイク ：岡幸二郎
ボス ：大澄賢也
音 楽 ： ★★★★☆
脚 本 ： ★★★☆☆
演 出 ： ★★☆☆☆
役 者 ： ★★★☆☆
舞台/衣装： ★★★★☆（衣装は★４つ、舞台は★１つ）
満足度 ： ★★★☆☆
