世界選手権

世界フィギュア:真央が逆転優勝 ヨナ2位 安藤4位


フィギュアスケートの世界選手権は最終日の27日、イタリアのトリノで女子フリーを行い、バンクーバー五輪銀メダリストの浅田真央中京大)が197.58点をマークし、逆転優勝を果たした。ショートプログラム(SP)2位の浅田は、フリーでもほとんどミスのない演技で得点を伸ばした。五輪女王でSP7位の金妍児(韓国)は、出遅れが響いて190.79点で2位、SP首位の長洲未来(米国)は175.48点で7位。SP11位の安藤美姫トヨタ自動車)は177.82点で4位、同20位の鈴木明子(邦和スポーツランド)は160.04点で11位だった。


浅田の世界選手権制覇は2年ぶり2回目。今大会では男子の高橋大輔(関大大学院)に続く金メダルで、日本勢の男女同時優勝は史上初の快挙。


毎日新聞 2010年3月28日 1時01分(最終更新 3月28日 11時21分))

真央、次への「金」 世界フィギュア


五輪直後の難しい状況での世界選手権。浅田は最後のステップにすべての力を注いだ。「自分の悔しさや力強さをステップに込めた」。演技を終えると、思わず腕を振り下ろした。「全部出し切った」。2季ぶりに世界女王のタイトルを取り戻した。


現在、世界で彼女しか跳べないトリプルアクセル(3回転半)を前面に押し出したフリー。二つのアクセルのうち、最初のアクセルは成功したが、二つ目は回転不足の判定を受けた。大きな得点源でのミスとなったが、その他の要素はミスなくまとめた。


長く険しいバンクーバー五輪に向けた4年間だった。


2006年シーズンから、さらなる飛躍を目指して母親の匡子さん(47)とともに世界中を駆け回った。米国に拠点を構え、あこがれのスケーターであるクワン(米)を指導したコーチに就いて2シーズン。そして、数々の金メダリストを育て上げたロシアのタチアナ・タラソワ氏のもとで2シーズン。成長し続ける体とジャンプのタイミングを合わせるため、他の選手の数倍は練習したから今がある。「もう演技中に笑顔なんて出ない」と漏らすほど、濃密なプログラムもこなした。


悔し涙に終わったバンクーバー五輪の後、浅田はすぐにこう言い切った。「普通の試合とは違った、大きな舞台。もう一度出たいなと思った。けがをしないように、次のソチ五輪を目指したい」


同い年のライバルとして刺激し合った金妍児から学んだことも。「しっかりとした計画を持って、万全な状態で臨むというのは、本当に大事だと思う」。浅田は心新たに歩き出す。4年後の金メダルをしっかりと見据えて――。(坂上武司)


朝日新聞 2010年3月28日11時15分)

ヨナ、面目の「銀」


SPで出遅れた金妍児はフリーでも2度ジャンプに失敗。だが、この日はSPと違ってスピンやスパイラルで取りこぼすことなく、総合で190点台に乗せ、面目を保った。「今朝の練習は調子が良くなかった。シーズンが終わるのが待ち遠しかったので、本当にシーズンが終わって良かった」と19歳の五輪金メダリストは、ほっと一息ついた。


朝日新聞 2010年3月28日11時8分)

「自分の弱さに区切り」安藤、リスク避け完成度で勝負


安藤美姫のフリーは「クレオパトラ」をイメージした演目。リスクの高い2連続3回転ジャンプを避け、完成度で勝負する戦略で、七つのジャンプ要素もきっちりまとめた。15位に終わった4年前のトリノ五輪を「あの時の映像は見たくない」と言う。その五輪以来となる会場での世界選手権は大会前に「メンタル的に心配」と漏らしていたが、「気持ち良く滑れた。自分の弱さに区切りをつけられた」と晴れ晴れとした表情だった。


朝日新聞 2010年3月28日1時24分)



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