世界選手権

世界フィギュア高橋大輔が優勝 日本人男子で初


フィギュアスケートの世界選手権は第3日の25日、イタリアのトリノで男子フリーを行い、バンクーバー冬季五輪銅メダリストの高橋大輔(24)=関大大学院=が日本の男子として初の優勝を果たした。過去の日本男子の最高成績は07年の高橋の銀メダルだった。


前日のショートプログラム(SP)で首位に立った高橋は、この日のフリーでも1位となり、今季世界最高の合計257.70点をマークした。SP4位の小塚崇彦(21)=トヨタ自動車=は10位だった。バンクーバー五輪で金のエバン・ライサチェク(米国)、同銀のエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)は出場していない。


日本女子では89年の伊藤みどり、94年の佐藤有香、04年の荒川静香、07年の安藤美姫、08年の浅田真央の5人が世界選手権で優勝したことがある。


毎日新聞 2010年3月26日 7時12分(最終更新 3月26日 11時38分))

高橋、新たな道を開いた 「最強」日本の旗手


高橋が、また日本男子の歴史に金字塔を打ち立てた。


男子が初めて世界に近づいたのは1965年大会の佐藤信夫氏。アジア勢として初めて4位に入ったが、関係者から「もし君が白人だったら表彰台に上がっていただろうね」とささやかれたという。欧米中心のフィギュア界に、まず佐藤氏が一石を投じた。


そして、初めてメダルを獲得したのは77年大会。佐野稔氏が男女を通じて日本初の銅メダルを獲得し、先駆者となった。


さらに4回転を武器にした本田武史氏(現コーチ)が登場。2002、03年大会で2大会連続の銅メダルを獲得。ヤグディンプルシェンコというロシアの「2強」に果敢に挑んでいった時期だ。


そして、02年世界ジュニアで日本勢初優勝した高橋が、花を咲かせた。本田氏は言う。「いろんな先輩が一歩ずつ上がってきた階段があってこそ、高橋は世界王者になれたんだと思う」。その本田氏が高橋のジャンプの指導にあたっているのがその好例だ。


今、日本男子は高橋を筆頭に「世界最強」と呼ばれる層の厚さを誇る。世界ジュニアは05年に織田、06年に小塚、そして今年は羽生結弦(宮城ク)が制した。


高橋は優勝後、こう言った。「これがいいきっかけになって日本男子全体が盛り上がっていけば。僕自身も冷や冷やしながらやってる。常に上を求めてやっていきたい」。来年は東京開催。地元で連覇を飾れば、本田氏が持つ2大会連続メダルも超えることになる。高橋なら、歴史を塗り替えそうだ。(坂上武司)


朝日新聞 2010年3月27日11時16分)



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