バンクーバーオリンピック:女子シングル ショートプログラム

caltec2010-02-24



注目の女子シングル、前半戦のショートプログラムが始まりました。結果はと言えば、、、キム・ヨナ選手の貫録勝ち。もともとのジャンプの加点が半端ないところに、007のこのプログラム。演技構成点でも充分高得点を狙えるこのプログラムを滑り込んで精度を上げてきた、、、 今シーズンに関して言えば、金選手側の戦略勝ちだったと思います。


浅田選手もトリプル・アクセルを決めて、とても良かったと思います。ただ、オリンピックシーズンでも難しいプログラムに挑み、直前で調整して仕上げてくるというのは、ちょっとリスクが高い戦法だったかな、、、と。男子のライザチェックの金メダルでも思いましたが、各要素の精度を上げ、かつ演技・構成点で稼げば、(男子の)四回転や(女子の)トリプルアクセルがなくても充分勝てるんだなあ。。。 ただ、女子はスピンやスパイラルでレベル4を取る選手が多いので、ジャンプで点差をつけざるを得ない状況のため、トリプルートリプルのコンビネーションが一つはないとメダルは難しい気がします。


■キム選手

ヨナ、堂々のSP首位…歴代最高点で


今季フィギュア界最大の人気プログラムと言える、女子SP首位の金妍児キム・ヨナ)の映画「007」シリーズ・メドレー。自身の歴代世界女子最高得点(76.28点)を更新する78.50点を挙げ、鮮烈な五輪デビューを飾った。


冒頭のルッツ−トーループの3回転連続ジャンプを高く舞い、流れるような着氷。続く3回転フリップは朝の練習で転倒していたが、きれいに決めた。金が演じるボンドガールは、躍動感と美しさを兼ね備えたうえ、ノーミス。「私はここでやるべきことをやりにきて、やり通せたと思う」と言い切った。


「(練習拠点のカナダの)トロントでいい練習ができて体調も良かったので、いい演技ができる自信はあった」という言葉通り、初の五輪でもおくすることなく実力を発揮。ただし、今季はフリーでミスが目立つ。07年世界選手権では浅田に10.63点差を逆転されており、2位・浅田との4.72点差、3位・ロシェットとの7.14点差は決して安心できない。「金メダルを取るには技や技術は必要だが、運や神様の恵みがあると思う」。五輪の女神が昨季世界女王にほほ笑むかは、だれもまだ分からない。【来住哲司】


毎日新聞 2010年2月24日 21時16分(最終更新 2月24日 22時06分))


■浅田選手

五輪フィギュア:真央「滑る前に集中」…ヨナと金争いへ


バンクーバー来住哲司】


バンクーバー冬季五輪のフィギュアスケート女子のショートプログラム(SP)は、歴代女子世界最高得点をマークして首位に立った韓国の金妍児キム・ヨナ)選手(19)を、2位の浅田真央選手(19)=中京大=が追いかける展開となり、25日(日本時間26日)のフリーを迎える。23日(同24日)に行われたSPの得点差は4.72点で十分逆転を狙える位置だ。ジュニア時代から競い合ってきたライバル同士が、前評判通り金メダルを争うことになった。


22番滑走の浅田選手が「仮面舞踏会」の曲に乗ってトリプルアクセル(3回転半)を決め、ノーミスで演技を終え、続けて登場したのが金選手だった。「マオのスコアを見たし、観客の反応も聞いて、いい滑りをしたんだと思った。でも、自分はたくさんの経験があるので、マオの演技が私の演技に影響するとは思わなかった」。その言葉通り、映画「007」シリーズの音楽に乗り、こちらもミスのない滑りで昨季世界女王の貫禄を示した。


ともに4年前のトリノ五輪は、国際スケート連盟が定めた年齢制限のため出場資格がなかった。五輪前年の7月1日時点で15歳に達していることが条件で、9月生まれの浅田選手は約3カ月足りなかった。念願の五輪に初めて出場した浅田選手は「緊張したけど、アップの時からだんだん落ち着いてきて、滑る前は集中できた。滑っている最後の方に、自分が五輪で滑っているという喜びがわいてきた」と、胸の高ぶりを隠さなかった。一方、金選手は「昨年(の4大陸選手権)もここに来たし、あまり五輪と考えなくて、いつも出る大会のような感覚で滑れた」と平常心を強調した。


フリーは金選手が21番滑走、浅田選手が22番滑走で、SPとは逆の順番で続けて滑る。


小差とは言えないものの、逆転可能な位置につけた浅田選手は「やっと金妍児選手にSPで近づけた気がします。いつも10点(くらい)離されるので、それに比べればうれしい」。金選手は「半分終わった。いい演技を後半(フリーで)もできたらいいと思う」と淡々と語った。 


毎日新聞 2010年2月24日 20時13分(最終更新 2月25日 0時54分))

五輪フィギュア:真央SPで最高の演技…練習量が自信の源


満面の笑みで、氷上をピョンピョンと跳ねた。観客の大歓声と拍手が、小さくガッツポーズをする浅田を包む。今季は失敗が目立ったSPだが、最も大事な五輪の舞台で最高の演技を見せた。


冒頭のトリプルアクセル(3回転半)−2回転トーループの大技。公式練習では演技に入る時のコースを繰り返し滑り、ラインや目線の位置を確認していた。「(リンクに)入る時はすごく足がガクガクして震えそうだったが、跳べるって信じて跳んだ」。今大会前は中京大リンクで朝6時から夕方6時まで練習し、「やることはやった」という練習量が自信の源だった。


SPでの3回転半成功は昨年4月の世界国別対抗戦以来。今季の3回転半はこれまで13回試みて成功は4回。SPではすべて失敗していたが、今季5試合目でついに成功した。その後もノーミスでこなし、自己ベスト(75.84点)に迫る73.78点。「ほっとした。今季ベスト(得点)だったのでフリーにつながる」と手応え十分だ。


19歳の同い年のライバル金妍児キム・ヨナ)には4.72点差のリードを許した。浅田の3回転半−2回転トーループは基礎点(9.50点)が金妍児の3回転ルッツ−3回転トーループ(10.00点)より低く、跳ぶ前に長い間構える浅田の3回転フリップは加点が低くなる。ただし、昨年10月のフランス杯では、表現力などを示すプログラム構成点で3.12点も差があったが、今回は1.52点差まで詰めた。4大陸選手権でプログラム構成点が低かったため、ダブルアクセル(2回転半)の前にイーグル(つま先を180度に開く滑り)を新たに入れるなど、つなぎの部分に技を増やしたことが奏功した。


フリーに向けて「金(メダル)は欲しいけど、その前に自分のできることをパーフェクトにやることを考えたい」。選手村で過ごす生活は新鮮らしく、「本当に楽しいことだらけ」と五輪の重圧はない様子。伸び伸びとして自然体の浅田が、帰ってきた。【来住哲司】


毎日新聞 2010年2月24日 20時53分(最終更新 2月24日 22時09分))

五輪フィギュア:浅田の一問一答「今シーズンベストだった」 女子SP


Q:滑り終えて?
A:本当にこの山場だと自分で思っていたショートプログラムを無事滑り終えることができてすごくうれしい。


Q:緊張はした?
A:きょうはホテルにいるときから緊張していてなかなか緊張がとれなかったけど、アップのときからだんだん落ち着いてきて、滑る前はしっかり集中できていました。滑って、最後の方になってきてから自分がだんだんオリンピックで自分が滑っているんだという喜びが出てきました。


Q:トリプルアクセルは?
A:入る時はすごく足がガクってふるえそうになったんですけど、飛べるって信じて飛びました。


Q:他の大会とは違った?
A:リンクで滑っている時の違いはなかったんですけど選手村とかそういう部分が全然違ったので、そういう部分がすごくワクワクして、楽しい気分に毎日なりました。


Q:アクセルが決まった後はちょっと安心した?
A:とりあえずほっとしましたけど、次フリップがあるので気は抜いてなかったです。


Q:不安はなかった?
A:不安になってもマイナスなことばかりなので、練習はしっかりしてきているので、自信を持って臨むと決めていました。


Q:初めてのオリンピックはどうですか
A:本当に楽しいことだらけなので、もちろん試合はすごい緊張しますしすごい集中もいりますし、でもほかの部分でいままで経験したことないことがたくさん経験できているので、すごく出れてよかったなと思いますし、また出たいって思います。


Q:いい点が出ましたね
A:今シーズンベストだったのであさってのフリーに必ずつながるきょうの演技だったと思います。


Q:衣装変えたのは?
A:4大陸終わってから変えようかなと決めました。フリー(の衣装)は一緒です。


Q:キム・ヨナ選手の演技はみた?
A:最初のジャンプしかみなかったんですけど、パーフェクトだったので本当にすごいなあと思いますし、またフリーに向けてお互いベストを尽くせればいいと思います。


Q:(キム・ヨナ選手と)5点差ですが?
A:まあでもフリーにつながると思います。


(2010年2月24日)


■ロシェット

ロシェット、母の急死を乗り越えSP3位


バンクーバー大前仁】


天国の母に思いは届いたか−−。地元カナダ代表、ロシェット選手は、2日前に母テレーズさん(享年55)を亡くす悲劇に見舞われたが、悲しみを乗り越えてSP3位につけた。


両手を腰に当てた最後のポーズを決めると、涙が止まらなくなった。会心の演技と母への思いが交錯したのかもしれない。1万1700人の観客は、拍手と歓声を送った。


テレーズさんは娘の応援のためバンクーバー入りした翌日の21日早朝、心臓発作で急死した。悲報を伝えられたロシェット選手は、その日のうちに練習を再開した。「スケートをうまくなる過程で、最も支えてくれた人」のためにも、五輪出場を辞退するわけにはいかなかった。

 
シェット選手はフリーが終わるまで取材に応じない意向だが、「(五輪に出たことに)後悔はない。観客の皆さんの声援は永遠に忘れない」とコメントを発表した。


毎日新聞 2010年2月24日 20時27分(最終更新 2月24日 21時06分))


■安藤選手

安藤が天仰ぐ「悔しいが安全策取らず」


腰に手をやり、天を仰いだ。演技を終えた女子SP4位の安藤は、ある種の安堵(あんど)感と悔しさが入り交じったような、複雑な表情を浮かべていた。


冒頭に試みた3−3回転連続ジャンプは、後ろにつけたループが回転不足と判定された。ジャンプ後に動きが途切れ、演技の流れを断ち切ってしまった印象もある。「悔しいけれど、安全策を取らずトライできた。すっきりしています」


安藤は今季、3−3回転で失敗するリスクを避け、難易度の低い3−2回転を選択することが多かった。しかし五輪で上位を狙うためには、3−3回転は挑戦しなければならなかった技でもある。冒頭のジャンプ以外は無難に演技をまとめながら、SP4位。この事実が、五輪が一つのミスで大きく順位が左右される厳しい舞台であること、そして女子の競技レベルが確実に上がっていることを示す。


バンクーバーでは絶対に3−3を使うと決めていた」という安藤の挑戦を、ニコライ・モロゾフ・コーチは「(成功していれば)スコアは高かったかもしれない。チャレンジに値するものだった」と評価した。SPでは、やるだけのことはやった。こんな思いを抱けたことは、フリーへの収穫になるはずだ。【栗林創造】


毎日新聞 2010年2月24日 20時36分(最終更新 2月24日 22時27分))

五輪フィギュア:安藤の一問一答「4年前から成長したねっていわれるように頑張る」女子SP


Q:滑り終えて
A:うーんそうですね。でもトリプルトリプルに、安全策にやらずに、やるって決めてできたのは、なんかすっきりしてます。トリプルダブルに安全策でやったらダウングレードもなかったと思いますし、点数も伸びたと思うけど、順位も大切だけどここに入る前からやると決めて入ったのでトライできたのはよかったんですけど、ダウングレードが悔しいかなという感じです。


Q:モロゾフコーチはどう言っていた?
A:彼も安全策はなかった感じなので、そういう意味では信じてくれているというかオリンピックだからこそ、彼は前のスケーターの演技を見ているので、いままでだったら安全策でというのを何も言わずに見守ってくれたので、だから一応すっきりしてますけど…まあ点数はやっぱり悔しいです。


Q:点数は?
A:オリンピックは違う試合なので、なんだかんだ、どいう点数がでるか予想はまったくなかったですけど、自分でルッツループは回転不足でランディングも流れなかったので、まあファイナルよりは点数でないだろうな、というぐらいですかね。


Q:最終滑走でしたが、前の人の演技は?
A:自分はまだ前の滑走者の演技を見てないので何ともいえないですけど、自分らしくはすごくリラックスして滑れたと思います。緊張はしてました、たぶん。いい緊張だったと思うんですけど、最終滑走で、緊張してました、たぶん。さっき緊張してないっていったけど。すごく自分のペースを持って演技までモチベーションをちゃんと保ってできたので、そういう面はすごくよかったと思います。


Q:滑った気持ちは
A:すごく声援が聞こえて後押ししてくれたんです。感謝の気持ちを込めて滑りました。(フリーは)どのエレメンツをやるかわからないですけど4年前から成長したねっていわれるように頑張るのと、あとは本当に4年間ずっと支えてくれて、応援してくれた方に感謝の気持ちを忘れずに、きょうみたいに点数とかにはこだわらずにフリーには自分らしくを忘れずに滑りたい。


2010年2月24日


■鈴木選手

鈴木、連続ジャンプミスも今季自己ベスト


冒頭に予定していた連続ジャンプの1回目の着氷が乱れ、単発となってしまった。それでも鈴木は、冷静さを失わなかった。「失敗は仕方ない。気持ちを盛り上げ、リカバーしよう」。ミスの直後に連続ジャンプを決め、中盤以降は動きの大きなステップも見せた。ミスを最小限にとどめた鈴木は、61.02点の自己ベストをマークした。今季のGPシリーズでは、中国杯がSP4位からの逆転優勝。スケートカナダでもSP8位から5位に盛り返した。SP4位の安藤との差は4点足らずと、まだ射程だ。


毎日新聞 2010年2月24日 20時46分(最終更新 2月24日 22時36分))


■長洲選手

長洲、鼻血で勢い欠く


バンクーバー冬季五輪第12日の23日(日本時間24日)、フィギュアスケート女子のショートプログラム(SP)が行われた。日米両国籍を持ち米国代表として出場した16歳の長洲未来はミスなくまとめ、自己ベスト(65.07点)に迫る63.76点をマークした。3−3回転連続ジャンプを回避して3−2回転にし、スパイラルとスピンの三つで最高のレベル4。だが、「(拠点の)カリフォルニアと気候が違って乾燥して鼻血が出た。演技の半分くらいから鼻の中からチョロチョロ流れた。鼻が詰まってどうしようという感じ」と、勢いに欠けてしまった。「表彰台に立てる演技ではなかったのでちょっと悔しいです」と悔やみつつ「次の五輪ではもうちょっとしっかりした結果が出るのでは」と雰囲気には慣れた様子だった。


毎日新聞 2010年2月24日 14時28分(最終更新 2月24日 15時54分))



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