バンクーバーオリンピック:男子シングル

caltec2010-02-17



注目の男子シングル、ショートプログラム。群雄割拠、選手の出来不出来による点数の幅も大きいことから、誰が勝つかわからない、見る方にとっては、かなり楽しみな種目です。結果はと言えば、上位3名が90点台に並ぶという、大激戦。金メダリストはこの3名から出ると思います。


ビックリするのが、今回の男子SPの結果は、前回のトリノオリンピックの女子SPと似ていること。トップ3の布陣がロシア・アメリカ・日本(トリノスルツカヤ、コーエン、荒川静香バンクーバー:ライサチェック、プルシェンコ高橋大輔)。そして他の日本人がSP4位(村主章枝織田信成)と8位(安藤美姫小塚崇彦)。何という偶然。。。


個人的には日本人の活躍素晴らしかったです。


高橋選手はやりましたね。このSPのプログラムとは相性が良いようで、国際大会での失敗があまりないプログラムです。ステップだけでなく、曲と曲との繋ぎの部分にまで、高橋選手の良い面をアピールできる良い構成。今季の序盤は、スタミナ切れかフリーで乱れることが多かったので、明後日のフリーではそうならないことを祈るばかり。


彼が狙っているのは「メダル」ではなく、「金メダル」なはずなので、その所望するものを獲得することが出来るよう祈っています。

五輪フィギュア:3位高橋 自己ベスト上回る 男子SP


バンクーバー五輪フィギュアスケートは16日(日本時間17日)、パシフィックコロシアムで男子ショートプログラム(SP)を行い、高橋大輔(関大大学院)は90.25点の高得点をマークし、前回トリノ五輪の金メダリストで連覇を目指すエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)、昨季の世界王者で90.30点を挙げたエバン・ライサチェク(米国)に次いで3位に入った。織田信成(関大)は84.85点で4位、小塚崇彦トヨタ自動車)は79.59点で8位だった。フリーは18日(日本時間19日)に行われる。


◇エースの力見せる……高橋


これが日本男子陣のエースの力だ。高橋がほぼ完ぺきな内容で滑り切り、観客を、審判を魅了した。


冒頭の3−3回転連続ジャンプを無難に降りると、続くトリプルアクセル(3回転半)も成功。情感豊かなステップも見せ、美しいスピンで氷上を彩った。昨年12月のグランプリ(GP)ファイナルでマークした自己ベスト(89.95点)を上回る90.25点。前回トリノの金メダリスト、エフゲニー・プルシェンコ(ロシア)とはわずか0.60点差だ。


右ひざ前十字靱帯(じんたい)断裂の手術から復帰した今季、スタミナ面に不安はあるが、演技時間の短いショートプログラム(SP)は好演技が多い。SP曲は日本のアコーディオン奏者、coba(コバ)の「eye」で、「ここという見せ場はないが、全体を通して男らしさ、男性の魅力を出せる演技をできたら」と演じてきた。哀愁を帯びたアコーディオンの音色が大人のムードを醸し出し、「男の色気」を漂わせる高橋に合ったプログラムだ。


手術後のリハビリで股(こ)関節や足首が柔らかくなり、「下(半身)から上へ力の伝わり方が以前と違う」という。以前は苦手だったスピンだが、今は得意にしている。この日もスピンは3種類とも最高のレベル4認定を受けた。


前回トリノ五輪では8位入賞。「4年前は五輪の重みを分かっていなかった。大会期間中、心ここにあらずだった」と振り返る。その時に優勝したプルシェンコ、銀メダルのステファン・ランビエル(スイス)の元世界王者がともに今季復帰し、この2人と今大会が今季初対決。GPシリーズ中は「プルシェンコは次元が違う。戦う気がうせそうになった」とやや弱気だったが、互角の展開に持ち込むことに成功した。


高橋は「五輪はこれが最後」と位置づける。その言葉通りなら18日のフリーは五輪最後の演技。目標に掲げる「五輪金メダル」に向け、視界は開けている。


【来住哲司】


毎日新聞 2010年2月17日 13時50分(最終更新 2月17日 16時56分))


小塚選手もトリプルアクセルの着氷が少し乱れての8位なので、今回は全選手に期待大です。

五輪フィギュア:日本男子陣、重圧克服しSPで好演技


米国と並んで最多の3人をバンクーバー五輪に送り込んだフィギュアスケートの日本男子陣。16日(日本時間17日)のショートプログラム(SP)ではいずれも重圧に打ち勝ち、好演技を見せた。吉岡伸彦監督は「みんな落ち着いて、いい緊張感の中で演技していた」と評価した。


3位高橋大輔(23)=関大大学院=と4位織田信成(22)=関大=はトリプルアクセル(3回転半)や3−3回転連続などジャンプをミスなくこなし、スピンやステップでも得点を取りこぼさなかった。ともに3種類のスピンはすべて最高のレベル4認定。さらに高橋は得意のストレートラインステップで最高のレベル4認定のうえ、GOE(出来栄え評価)は2.20点もつき、この要素だけで6.10点も稼いだ。表現力などを示すプログラム構成点も、高橋は5項目中4項目で8点台をマーク。首位プルシェンコとわずか0.60点差につけたことに「フリーに向けて変なプレッシャーを感じずに済む」という。


織田もプログラム構成点5項目中2項目で8点台。五輪に向けて毎日、SPとフリーを通して演技するなど、滑り込みを十分してきたことが奏功した。「体力的にしんどかったが、乗り越えたことで強くなれた」という。


8位と出遅れた小塚崇彦(20)=トヨタ自動車=も内容は悪くなかった。だが、冒頭に3−3回転連続ジャンプを決めながら、続く3回転半の着氷が乱れて減点され、中盤の3回転フリップもロングエッジ(誤った踏み切り)の疑いで減点された。


「満足と悔しさと、両方ある。できれば80点は超えたかった」と小塚。最後の決めのポーズを取る際、音楽を切られるアクシデントがあったが「五輪でジャッジや音響(係)も緊張している。人間のやることだからミスはある」と寛容。


2日後のフリーでは、4回転トーループに挑むかが注目される。3人とも今季成功がないのは懸念材料だ。吉岡監督は「コンディションと試合の流れを見て決めたい」といい、強化部としてメダル奪取がかかる高橋サイドとは挑戦の是非を協議する方針。運命の瞬間は、間もなくだ。


【来住哲司】


毎日新聞 2010年2月17日 21時23分(最終更新 2月17日 23時32分)

五輪フィギュア:8位小塚 フリーで巻き返しを 男子SP


バンクーバー五輪フィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)で8位に入った小塚は冒頭の3−3回転連続ジャンプを決めたものの、続くトリプルアクセル(3回転半)は着氷がやや乱れるミス。だが、その後は「ロックのライブらしく上半身はハチャメチャに見せる」と激しく首や頭を振りながら、ギターのリズムに合わせて丁寧に滑りきった。最後の決めのポーズを取る場面では、ギターの音が聞こえないアクシデントがあり、演技終了直後に思わず天井のスピーカーを指さす仕草も。得点は79.59点と伸び悩み、フリーで巻き返しを期す。


毎日新聞 2010年2月17日 14時10分(最終更新 2月17日 14時54分))


織田選手は、フリーで高得点を稼いで順位を上げていくことが多かったので、ひょっとするとメダルに手が届くかも知れません。試合でのミスも少ないし。。。他の選手の出来次第ですが、結構期待しています。まあ、何より彼のキャラクターにあったコメディータッチのチャップリンメドレー、見ているだけで楽しい気分になれるプログラムです。

五輪フィギュア:4位織田 ほぼノーミスで滑る 男子SP


男子ショートプログラムで演技する織田=パシフィックコロシアムで2010年2月16日、須賀川理撮影 バンクーバー五輪フィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)で84.85点で4位に入った織田信成(関大)。五輪デビューの演技としては、上出来だった。ほぼノーミスの内容で、日本男子選手として歴代最多のグランプリ(GP)シリーズ通算5勝の実績が、だてではないことを示した。


冒頭のトリプルアクセル(3回転半)、続く3−3回転連続と得点源のジャンプを確実に決めていく。中盤のサーキュラーステップでは観客から手拍子が起きた。3種類のスピンも、狙い通り最高のレベル4認定。自己ベスト(87.65点)には届かなかったが、84.85点の高得点だ。


今季の織田はフリーに比べ、SPをやや苦手としてきた。優勝したフランス杯、2位に入ったGPファイナルや全日本選手権は、フリーで順位を上げた。フランス杯SPでは表現力などを示すプログラム構成点の低さに、「夏場は表現力を課題に練習してきたのに。すごいショック」と涙を流したほどだ。


SP曲の「死の舞踏」(原曲リスト作曲)は曲調が速く、「疲れると曲に(演技が)遅れて焦ってしまう」とやや苦手意識を持つ。今大会に向けて「SPはすべてのエレメンツ(要素)を確実にこなすこと。力強さを見せたい」と心掛けてきた。前回トリノ五輪女子で優勝候補筆頭だったイリーナ・スルツカヤ(ロシア)がSPでこの曲を使い、総合3位に敗れた。だが、そんな“縁起の悪さ”も、今季好調の織田には関係なく、持てる力を十分発揮した。


日本男子初の五輪メダル獲得に向け、2日後のフリーにつながる演技。フリーでは今季成功のない4回転トーループを跳ぶのか。「フリーでは笑顔を見せられたらいい」。先祖の戦国武将・織田信長譲りの勝負強さを発揮できるか、いよいよ真価を問われる時だ。


【来住哲司】


毎日新聞 2010年2月17日 14時07分(最終更新 2月17日 16時56分))


アボットジュベールは残念でした。ジャンプが3つしかないショートプログラムでは、ジャンプの出来不出来が順位に大きく影響することを改めて感じました。

五輪フィギュア:ぼうぜん米仏両エース…なぜきょう失敗?


バンクーバー冬季五輪第5日の16日(日本時間17日)に行われた男子フィギュアスケートプルシェンコ(ロシア)、ライサチェク(米国)そして高橋大輔(23)=関大大学院=と優勝候補が高いレベルで争ったショートプログラム(SP)だが、その他のエースたちは明暗が分かれた。ランビエル(スイス)こそ5位と優勝争いに絡んできたが、地元の期待を背負ったチャン(カナダ)は苦しい7位。全米王者のアボットは15位、元世界王者のジュベール(フランス)は18位と大きく出遅れた。


06年トリノ五輪銀メダリスト、ランビエルは予定していた4回転−3回転が4−2になって得点を伸ばしきれず「五輪の重圧は言い表せなかった」。それでも5項目のプログラム構成点の合計は全体トップの43.15点をマークし84.63点。首位プルシェンコと6.22点差につけて「状態はいいので自信はある」と巻き返しを誓った。


チャンは冒頭の3回転アクセルでステップアウトしたが、プログラム構成点5項目のうち4項目が8点台に乗ったことに救われて、首位と9.73点差の81.12点。何とか踏みとどまり「フリーの日は、また新たな日だ」と切り替えていた。


世界選手権では07年の優勝から3大会連続で表彰台に立っているジュベールは冒頭の4回転−3回転に失敗すると、3回転ルッツでも転倒。「あんなミスはしたことがない。信じられないし、説明ができない」と失意の表情。アボットは同じ北米大陸での大舞台に重圧で押しつぶされた内容。冒頭の3回転連続ジャンプこそ無難に決めたが、その後はジャンプをことごとく失敗して「なぜきょうで、なぜ今、失敗するのか。練習はうまくいっていたし、こんなに悪かったことは、かつてない」とぼうぜんとしていた。


【小坂大】


毎日新聞 2010年2月17日 22時06分)

五輪フィギュア:男子SPで日本勢好位置、メダルに期待も
 

バンクーバー来住哲司】


バンクーバー冬季五輪第5日の16日(日本時間17日)、当地のパシフィックコロシアムで行われたフィギュアスケートの男子ショートプログラムで、高橋大輔(23)=関大大学院=が自己ベストの90.25点で3位、織田信成(22)=関大=は84.85点で4位につけ、この種目初のメダル獲得に向け、好スタートを切った。


高橋は技術面を示す総要素点が48.90点の2位、表現力などのプログラム構成点は41.35点の3位と安定。小塚崇彦(20)=トヨタ自動車=は79.59点で8位。2連覇を狙うトップのエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)と高橋の差は、わずか0.60点で拮抗(きっこう)。フリー演技は18日(日本時間19日)にある。


トリノ五輪女子と同じ順位、金奪取の経験則になるか


「大激戦」の前評判通りだった。ショートプログラム(SP)は3人が90点を超す高レベルの争いになり、わずか0.60点差にひしめく。前回五輪金のプルシェンコ(ロシア)、昨季世界王者のライサチェク(米国)との優勝争いに日本のエース・高橋が加わった。


「今季一番の演技ができた」と高橋。大舞台で自己ベスト(89.95点)を更新する90.25点。演技最後を終え右手を突き上げた。「お客さんも盛り上がってくれてパワーをもらえたので、勢い余ってガッツポーズしてしまいました」と笑った。


4−3回転連続ジャンプとトリプルアクセル(3回転半)を決めたプルシェンコが90.85点、高橋同様にトリプルアクセルと3−3回転連続ジャンプを決めたライサチェクが90.30点。プルシェンコは「ジャンプや結果に満足している。最初の段階で勝てたが(フリーがある)あさってが大きな戦いだ」と気を引き締め、ライサチェクは「世界王者の重圧があった。今夜のことは早く忘れて、頭を切り替えたい」という。


高橋は前回トリノ五輪で女子優勝の荒川静香(現プロスケーター)と一緒にいることが多かったという。「近くで荒川さんの雰囲気を感じられた。いつも以上にリラックスして落ち着いていた。練習でこれ以上やり残したものはないと思えば、自信もついてくると分かった」。荒川もSPは3位で、サーシャ・コーエン(米国)、イリーナ・スルツカヤ(ロシア)を含む3人が0.71点差の間にひしめいた。その時の日本勢は村主章枝が4位、安藤美姫が8位で、今回の織田、小塚の順位と同じ。「荒川金メダル獲得」とそっくりな構図が出来上がり、高橋には吉兆だ。


フリーで高橋は、今季成功のない4回転トーループに挑む意向。「ミスなく終えることができるか、お客さんをどれだけ味方にできるかがポイント」。情感豊かな滑りが見る者の心をつかんだ時、フィギュアで日本男子初の五輪メダリストが誕生する。


【来住哲司】


毎日新聞 2010年2月17日 20時18分(最終更新 2月17日 20時28分))



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