バンクーバーオリンピック:ペア

caltec2010-02-16



川口選手のメダルが大いに注目されたペアのフリーでしたが、やはり中国は強かった。昨日のブログで「メダル争いは、上位5組に絞られた感があります」と書きましたが、やはりショートトップ5の争いになりました。


個人的には金メダルを獲得した申雪/趙宏博組より銀メダルのパン/トン組に金をあげたなあ。そう思うくらい彼らのフリーの出来は素晴らしかったです!

五輪フィギュア:川口組メダル逃し4位 優勝は申雪組


バンクーバー冬季五輪第4日の15日(日本時間16日)、フィギュアスケート・ペアのフリーが行われ、ショートプログラム(SP)3位のロシア代表の川口悠子アレクサンドル・スミルノフ組は120.61点、計194.77点で4位で、メダルを逃した。


ロシア勢がペアで金メダルを逃したのは、旧ソ連時代の1960年スコーバレー大会以来、13大会ぶり。


2大会連続銅メダルでSP首位の申雪、趙宏博組(中国)がフリー139.91点、計216.57点で初優勝。SP4位の※清、▲健組(中国)がフリー141.81点、計213.31点で2位に入った。


○…フィギュアスケート・ペアでロシア勢の五輪13連覇(旧ソ連時代を含む)に挑んだ日本出身の川口、スミルノフ組は、スロー3回転ループで転倒するなどミスが目立ち、得点を伸ばせなかった。昨年ロシア国籍を取得してロシア代表として初の五輪に挑んだ川口は、転倒した際に肩を強打したが、その後も懸命に演技を続けた。得点を待つ間は視線を落とし、悔しさを押し殺していた。


※まだれに龍 ▲にんべんに冬


毎日新聞 2010年2月16日 14時00分(最終更新 2月16日 15時29分))

五輪フィギュア:趙、申組が4度目で頂点に…中国に初の金

バンクーバー五輪第4日(15日)


熟練の「夫婦ペア」が、4度目の五輪でついに悲願の頂点に立った。36歳の趙宏博と31歳の申雪。ロシア勢の13連覇を阻み、フィギュアで中国初の金メダルだ。


ノーミスだったSPと異なり、ミスはあった。演技の中盤、趙がリフトしていた申を降ろす時、申が趙の背中に抱きつく形で落下。ただし乱れたのはここだけ。表現力などを示すプログラム構成点は5項目中3項目で9点台をマークした。フリーは2位にとどまったものの、合計216.57点は昨年12月のGPファイナルで自分たちが出した世界最高得点(214.25点)を更新した。


最終滑走だった演技終了直後、優勝を確信した趙は右手で目を覆った。「半分はうれしくて、半分はつらい練習を思い出して泣いた」。92年にペア結成後、中国のエースとして長く活躍してきた。02年ソルトレークシティー五輪では、当時成功者がいなかったスロー4回転サルコウに挑んだものの失敗して銅メダル。06年トリノ五輪の約半年前には趙が左アキレスけんを断裂し、懸命のリハビリで約2カ月間の練習で五輪に出たが、銅メダルだった。


07年世界選手権で3度目の優勝を飾った後、競技を離れてアイスショーに出ていた。第一線に復帰した今季は4戦全勝と圧倒的な強さだ。趙は「夢をかなえてとてもうれしい。世界選手権で金メダルを取っても『これが五輪だったらうれしいのに』と思っていた」。


フィギュアでは1920年アントワープ五輪(夏季大会で実施)ペア金のウォルター・ヤコブソン(スウェーデン)の37歳に次ぐ高齢金メダリストとなった趙は、「もう(現役を)続けるのは難しいかな。赤ちゃんをつくる時期かな」。申は「私たちの金メダルで中国全土の若者がフィギュアに関心を持ってほしい」と願う。けがや年齢的ハンディを乗り越えての栄光は、中国だけでなく世界中に勇気を与えた。


【来住哲司】


毎日新聞 2010年2月16日 20時54分(最終更新 2月16日 23時34分))


川口組はスロー4回転サルコウを回避して望んだ3回転サルコウで失敗してから、元気がありませんでした。。。フリーの点数もっと出ても良いのになあ、と思い、オリンピックのホームページにあるスコア表の詳細を見ると、いくつかの要素で予定していたレベルよりも低いレベル認定されており、結果点数が伸び悩んでいたのですね。。取りこぼしがなければ、ひょっとしたらひょっとしていたかもしれません。

五輪フィギュア:川口組、フリー大失敗で4位 安全策裏目


バンクーバー五輪第4日(15日) 


この4年間で最も大事なフリーは、大失敗に終わってしまった。「今シーズン一番ひどい、ミスの目立つ演技」と川口。メダルにあと一歩届かなかった。


女子選手を投げてジャンプをさせるスロー4回転サルコウを、五輪史上初めて成功させようとしていた2人。6分間練習を終えた後にタマラ・モスクビナ・コーチから思わぬ指示を受けた。「3回転にしなさい」。SPで首位と2.50点差の3位につけており、表彰台確保のための安全策。だが川口は「4回転をやるつもりでいたので(気持ちの)切り替えが少し……」と戸惑ったまま演技に入った。


冒頭のスロー3回転サルコウで着氷が乱れて片手をついてしまい立て直しがきかない。中盤のシークエンス付きの連続ダブルアクセル(2回転半)は、スミルノフが一つ目の着氷で体勢を崩したため単発に終わり、続くスロー3回転ループで川口が転倒。フリーは自己ベスト(139.23点)に遠く及ばない120.61点だった。


98年に同コーチに弟子入りした川口は、06年にスミルノフと組んでから急成長し、昨年の世界選手権で3位。だがこの日は「クリーンに滑りたいと強く望みすぎた」。安全策は裏目に出たが、スロー4回転サルコウが成功した保証もなく、誰も責められない。引き揚げてきた川口に、同コーチは「しょうがない。終わっちゃったわよ」と声をかけた。


ロシア勢13連覇を逃し、表彰台に立つ夢もかなわなかった。だが日本人女性が単身ロシアに渡り、ペア王国・ロシアのエースに成長して、五輪メダルに肉薄した。この事実は、まぎれもなく偉業としてたたえられるべきものだ。


【来住哲司】


毎日新聞 2010年2月16日 20時07分(最終更新 2月17日 0時03分))

五輪フィギュア:夢追う姿に観客拍手…ペア4位の川口選手


バンクーバー大前仁】


15日(日本時間16日)のバンクーバー冬季五輪フィギュアスケート・ペアのフリー演技で、ロシア代表の川口悠子選手(28)は総合4位になり、あと一歩でメダルに手が届かなかった。だが日露両国のファンは国籍を変えてまで五輪への夢にかけた川口選手に惜しみない拍手を送った。


ロシアと日本、両方の応援団の声援を背に、真っ赤な衣装の川口選手がアレクサンドル・スミルノフ選手(25)とリンク中央へ滑り出した。しかし応援の拍手は、すぐに落胆のうめき声に変わる。川口選手、スミルノフ選手が次々とジャンプの着地に失敗。あっという間に4分半の演技時間が過ぎた。


「ごめんね」。リンクから上がる時、川口選手はスミルノフ選手に声をかけた。相手の言葉は覚えていない。


順位は前日の3位から一つ落ちた。会見では「(次のシーズンについては)まだ分からない」と淡々。ここに至るまでの思いや、五輪の感想などの質問には答えず、この日の演技に関してしか話さなかった。強い性格の持ち主だけに湿っぽいことは言いたくなかったのかもしれない。


川口選手のペアは、07年ごろからロシア国内で頭角を現した。五輪も夢じゃない、と思えた。しかしロシア代表で出場するなら、日本国籍は維持できない。日本の外務省やスポーツ界の関係者に相談したが、最後は自分ひとりで結論を出すしかなかった。やっぱり五輪に出たかった。「ずっと悩んできたけれども、日本国籍を捨てることは仕方がない」。09年2月にロシアのパスポートを取得。そうして、やっとつかんだ代表の座だった。


競技では敗者と言われるかもしれない。しかし会場にいた日露両国の多くの観客が、川口選手に共感した。30歳のロシア人男性は「立派なロシア代表だし、以前の国籍は関係ない」と語り、広島から来た26歳の女性は「スケートに対するストイック(禁欲的)な姿勢が素晴らしい」と話した。メダルはなくとも人々の心に、何かを残すことはできた。


毎日新聞 2010年2月16日 20時26分(最終更新 2月17日 0時31分))



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