四大陸選手権
女子シングルフリーですが、浅田選手がやはり格の違いを見せ付けて優勝、、という結果になりました。
最初から最後まで、息つく暇がないほどいろいろな要素が詰め込まれすぎていた今シーズンの彼女のフリープログラム。全日本選手権ではジャンプのタイミングが取りやすいように、つなぎの部分が変更されるなど、「各要素をきちんとこなす」ことができるように変更されていて、一安心したところでした。
今日の四大陸選手権のフリーを見て、彼女の出来映えにかなりの安心感を感じました。トリプルアクセルの着氷に余裕があった点（絶対ダウングレードされないだけの高さがある）、プログラムを自分のものとして消化できている点が特に良かったです。キム・ヨナ選手のプログラムは、彼女の身の丈に合ったもので、各要素を散りばめながら、つなぎの部分はある程度のゆとりを持たせることでキム選手が「表現」に注力することを可能にしていますが、今回の浅田選手の場合も同様な感じです。
曲の表現と言う意味でも、音楽のリズムを捉え、スケーティングで音楽を表現できている点が素晴らしいな、と感じました。今までは要素がイッパイイッパイで、なかなか曲とマッチングできるまで、滑りこなせていない（というか、一度タイミングがずれると中々修正が難しいほどたくさんのエレメンツが盛り込まれていたような構成でした）印象を受けたのですが、今回はそれがなかった。
「女王」としての貫禄・威厳のようなものすら感じさせる、圧巻の演技でした。あとはもっと滑り込んでいくことで完成度がより高まると思うので、オリンピックに期待大です！
２位になった鈴木選手はループのミスはあったものの、各エレメンツの完成度が増したというか、要素一つ一つを丁寧にそして確実に安定感を持ってこなせるようになっていたと思います。スピード・勢いで駆け抜けたのが全日本のフリーなら、その表現をより精度を高いものを目指して緻密に演技したのが今回の四大陸選手権なのかな。鈴木選手に残された今シーズンの国際大会は、あとはオリンピックだけだと思うので、最後まで悔いの内容、これから追い込みをかけていって欲しいです。メダルおめでとうございます。（今シーズンの彼女は、ロシア大会を除いて、出場した大会で全てメダルを確保しているのですね。素晴らしい）
浅田が逆転優勝 ＳＰ首位の鈴木２位 四大陸フィギュア
【全州（韓国）＝坂上武司】
フィギュアスケートの四大陸選手権第３日は２９日、女子フリーなどが行われ、女子ショートプログラム（ＳＰ）３位の浅田真央（中京大）はフリーでトップとなり、総合１８３．９６点で逆転優勝した。ＳＰ首位の鈴木明子（邦和スポーツランド）はフリー２位で１７３．７２点の２位。ＳＰ５位の今井遥（東京・日本橋女学館高）は１５５．２９点で５位だった。
（asahi.com 2010年1月29日17時8分）
◇真央Ｖで五輪へ手応え
「（五輪の金メダルに）８０％ぐらいは近づけたと思う」。浅田がそう振り返ることができた理由は、２度のトリプルアクセルだ。
１度目の単発はきれいに成功。２度目の連続ジャンプでやや着氷が乱れて減点されたが、回転不足ではない。今季のフリーで、二つそろってトリプルアクセルと認定されたのは初めて。同じ韓国であった２００８年グランプリ（ＧＰ）ファイナル以来だ。前回は国際大会の女子では史上初の快挙だった。「自分のベストの演技がまた韓国でできて良かった」と笑みがこぼれた。
「今まで本番はなかなか１発目が跳べても、２発目でつまずいたり、回転が足りなかったりした。今日はスムーズにいけた」と浅田。日本オリンピック委員会の小林れい子専任コーチも「２度目はどうしてもスピードが落ちて流れが良くなかった。今日は流れが止まらなかった」と及第点。練習通りの浅田のアクセルだった。
ただ、３位と出遅れたＳＰとあわせた内容について「５０点ぐらい」と自己採点は辛めだ。「アクセルを２度決めることができたのは一番良かった。でも、ＳＰの失敗と３回転フリップ（のミス）という課題が残っている」
「フリーの方がＳＰより内容が難しいので、そう考えると（出遅れた）ＳＰも問題ないと思う。このフリーは五輪につながる」と浅田。悪戦苦闘してきたアクセルの手応えをしっかりとつかみ、舞台は五輪へ――。（坂上武司）
◇鈴木、後退２位 後半にミス
ＳＰ首位の鈴木だったが、フリーで伸び悩み、順位を一つ落とした。前半はほぼ完璧（かんぺき）な出来だったが、後半の３回転ループジャンプでパンクしてしまった。だが、その失敗後に２４歳の経験値を見せた。失敗した３回転ループは連続技の予定だったのに成功しなかったので、次の３回転サルコーを連続技にした。「収穫はあった。ＳＰ、フリーを通してスピードを落とさずにジャンプを跳べるように。五輪に向け、もっと質のいい演技をして底上げしていきたい」
