グランプリシリーズ第3戦:中国大会

caltec2009-10-30


フィギュアGP:男子SP、織田が首位に 中国杯第1日


【北京・来住哲司】


フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第3戦・中国杯が30日、当地の首都体育館で開幕した。


男子シングル


男子のショートプログラム(SP)は第1戦・フランス杯優勝の織田信成(関大)が83.35点で首位に立った。2位にセルゲイ・ボロノフ(ロシア)が81.40点で続き、昨季世界王者のエバン・ライサチェク(米国)は80.80点で3位。


織田、首位発進で満面の笑み…フリー「4回転決めたい」


2週間前のフランス杯では、SP後は低得点に涙を流した織田だが、この日の演技後は満面の笑みだった。自己ベスト(83.55点)に迫る83.35点。昨季世界王者のライサチェクらを抑えて首位発進した。


冒頭のトリプルアクセル(3回転半)を決めると、続く3−3回転連続ジャンプは、一つ目のルッツで空中で体が傾きながらも、絶妙の着氷でトーループにつなげた。「朝の練習で、失敗していたトリプルアクセルが決まって調子に乗り、早く回りすぎた」と振り返るが、足首が柔らかく、平衡感覚に優れた織田ならではの連続ジャンプだった。


フランス杯は逆転優勝したものの、SPでは表現力などを問うプログラム構成点が伸びずに2位だった。大会後、ジャッジの一人から演技と曲がずれていることを指摘された。SP曲の「死の舞踏」(原曲リスト作曲)は曲調が早く、「ゆっくりしていると遅れちゃうし、早いとずれちゃう」。だが「高揚感があったフランス杯と違い、落ち着いて滑れた」というこの日は、その点を注意してプログラム構成点は向上。フランス杯でレベル1だった連続スピンもレベル4に上げ、前回抱えた課題のいくつかを克服した。


フリーに向けて「4回転(ジャンプ)を決めたい」と誓う。今大会、表彰台に上がれば決まるGPファイナル進出に、ぐっと近付いた。【来住哲司】


女子シングル


女子のSPは鈴木明子(邦和スポーツランド)が59.52点で4位、村主章枝(AK)が55.46点で6位。日米両国籍の長洲未来(米国)が62.20点で首位に立ち、昨季世界選手権銀のジョアニー・ロシェット(カナダ)は52.12点で7位と大きく出遅れた。


鈴木は自己ベスト(55.56点)更新の59.52点を出したが、SP4位にとどまり、「目標は60点だった」と残念がった。冒頭の3−2回転連続ジャンプの二つ目が回転不足だったほか、得意のストレートラインステップがレベル2の低評価。「ステップは足元を丁寧にと思って、大きく動くことができなかった」と反省点を挙げた。もっとも、3度のスピンはいずれも最高難度のレベル4と認定され、「昨シーズンは弱かったスピンを強化してきたが、これが評価されたのは良かった」と収穫も。首位まで2.68点差の混戦だけに、フリーで逆転の可能性も十分ある。


村主は6位と出遅れた。冒頭の3−2回転連続ジャンプは決めたが、続く3回転ルッツは回転不足で両足着氷。その後はほぼノーミスでまとめたが、滑りに切れはなく、得点は伸びなかった。もっとも本人は、「まずまずと思う。かなり本調子ではないので」と納得顔。調整不足は歴然としているが、今月上旬のフィンランディア杯(7位)よりは手応えを感じた様子で、「全日本選手権(12月)に最終的な目標は置いて頑張りたい」とマイペース調整を強調した。 


日本人の両親を持つ米カリフォルニア生まれの16歳、長洲が女子SP首位に立った。「緊張したが、最初のジャンプを降りて安心した」と振り返る通り、冒頭の3−2回転連続ジャンプを、やや詰まったものの着氷すると、その後は伸びやかな演技。3度のスピン、スパイラルで最高難度のレベル4を認定された。プログラムに音楽を使った映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」を「試合に来る前にホテルでDVDで見てきた」という長洲。高得点にも「キム・ヨナ金妍児、韓国)には比べられない。まだまだやることは多い」。フリーに向けて「ロングプログラム(フリー)に入るのが怖い。(下位と)点数はそんなにないので、ちゃんと滑りたい」と緊張気味だった。


ペア


ペアのSPは3季ぶりに戦線復帰した元世界王者の申雪、趙宏博組(中国)が計72.28点で1位。


アイスダンス


アイスダンスオリジナルダンス(OD)まで終え、規定首位のタニス・ベルビン、ベンジャミン・アゴスト組(米国)が計98.66点で首位を守った。


毎日新聞 2009年10月30日 18時50分(最終更新 10月31日 1時42分))

フィギュアスケート:GP連勝見えた! 信成 昨季王者抑えSP首位


フィギュアスケートGPシリーズ第3戦の中国杯第1日は30日、中国・北京の首都体育館で行われ、男子ショートプログラム(SP)で織田信成(22=関大)が、83・35点をマークして首位発進。自己ベストにあと0・20点と迫るハイスコアで、昨季の世界選手権王者のイバン・ライサチェク(24=米国)を2・55点リードし、フランス杯に続くGPシリーズ連勝を視界にとらえた。


演技を終えた織田が満足そうに頭上で両手を叩いた。先々週のフランス杯を制した勢いに乗って、今大会でもほぼ完ぺきな演技を披露して83・35点をマーク。「フランス杯は(SPで)2位だったのでうれしい。今回は落ち着いて滑れた」。自己ベストの83・55点に迫るハイスコアで、世界王者・ライサチェクらを抑えての首位発進だ。


SP使用曲「死の舞踏」に乗って果敢に攻めた。トリプルアクセルを含む3度のジャンプをすべて成功。フランス杯では表現力が問われる演技点の5項目中2項目でしか7点オーバーがなく、悔し涙を流した。だが、この日は4項目で7点台を突破。1週間余りの間に映像などで演技をチェックして、修正した成果を見せた。


31日のフリーではフランス杯で回避した4回転トーループに挑戦する。「五輪で表彰台に上がるのに4回転は必要。しばらく大会がなくなるので、フリーで挑戦したい」と織田。今大会で3位以内に入れば、GPファイナル(12月4日開幕、東京)への進出が確実だが、22歳の視線に映るのは大技成功での優勝だけだ。


スポニチ 2009年10月31日)



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