グランプリシリーズ第１選：フランス大会
フィギュア：金妍児ＳＰで首位、２位中野、浅田３位 仏杯
【パリ来住哲司】
フィギュアスケートのグランプリ（ＧＰ）シリーズ第１戦・フランス杯は第１日の１６日、当地で５種目が行われた。
女子シングル
女子ショートプログラム（ＳＰ）で中野友加里（プリンスホテル）が５９．６４点で２位、浅田真央（中京大）は５８．９６点で３位だった。昨季世界女王の金妍児（キム・ヨナ、韓国）が７６．０８点で首位に立った。
○…中野は２位につけたものの、得点は伸び悩んだ。大きなミスなくまとめたように見えたが、冒頭の３−２回転連続ジャンプは基礎点から１．４０点減点され、最後の連続スピンは最低のレベル１認定と取りこぼした。「全部が課題。スピン（のレベル１）は入る前に滑ってしまったことか……」と首をかしげた。３日のジャパンオープンで転倒して左肩を亜脱臼。「演技中は痛みを感じない」というが、動きの切れは今ひとつだった。
○…ＳＰ首位の金妍児は、３月の世界選手権で出した世界最高の７６．１２点に迫る７６．０８点をマーク。今季新たに導入した３回転ルッツ−３回転トーループを鮮やかに決め、プログラム構成点も５項目中４項目で８点台を並べた。「今季初の大会だったので、そんなに得点が高くなるとは思わなかった。ちょっと緊張したけど、うれしい」と満足そう。映画「００７」シリーズメドレーという冒険的なプログラムもスピードある滑りの金に合っており、演技後は観客を総立ちにさせていた。
男子シングル
男子のＳＰは織田信成（関大）が７９．２０点で２位につけ、昨季世界選手権４位のトマシュ・ベルネル（チェコ）が８１．００点で首位、同３位のブライアン・ジュベール（フランス）は７２．１５点で６位。
パリで１６日開幕したフィギュアスケートのグランプリ（ＧＰ）シリーズ第１戦・フランス杯。男子ショートプログラム（ＳＰ）で織田信成（関大）は２位につけた。
織田の課題が見えたＳＰだった。技術点に当たる総要素点の４４．４０点はトップだが、表現力などを問うプログラム構成点は３４．８０点で３位にとどまった。
「表現、つなぎ、スケーティングなど５コンポーネンツ（プログラム構成点）を伸ばしていきたい」と掲げてきた織田。強化に取り組んできた部分で得点が低く抑えられ、「すごいショック」と涙を流した。５項目中「演技のつなぎ」「振り付け」など３項目が６点台で「７点台はほしかった」と悔しがった。
昨季から師事するニコライ・モロゾフ・コーチが振り付けたプログラムだが、「演技のつなぎ」「振り付け」などの低得点はコーチの責任も大きい。滑りやすさを追求した分、つなぎに複雑な動きが乏しくなった。逆転がかかるフリーでは、総要素点でどれだけ稼げるかにかかってくる。【来住哲司】
ペア
ペアＳＰは世界選手権２連覇中のアリョーナ・サブチェンコ、ロビン・ゾルコビー組（ドイツ）が７２．９８点で首位に立ち、井上怜奈、ジョン・ボルドウィン組（米国）は５５．０６点で５位だった。
（毎日新聞 2009年10月17日 9時41分（最終更新 10月17日 10時24分））
フィギュア：ジャンプ！ジャンプ！ジャンプ！それなのに織田悔し涙２位
好発進にも悔し涙だ。フィギュアスケートＧＰシリーズ第１戦フランス杯第１日は１６日、フランス・パリのベルシー体育館で、男子ショートプログラム（ＳＰ）などで開幕し、織田信成（２２＝関大）が３度のジャンプはすべて成功させたものの、表現力が問われる５項目の演技点で得点が伸びず、７９・２０点での２位にも大粒の涙を流した。８１・００点で首位のトマシュ・ベルネル（２３＝チェコ）とは射程圏の１・８０点差で、１７日のフリーで逆転を狙う。
得点が出た瞬間、自信に満ちた笑みが消えた。トリプルアクセルなど３度のジャンプを着実に決めて高得点を確信していた織田だが、目標の８０点台に届かない７９・２０点で２位発進。オフから表現力アップに取り組んできたものの、５項目の演技点で７点超えはわずかに２つだけ。大粒の涙を流し、「凄い点数が引かれてショック。やらなきゃいけないことがたくさんあるって痛感した。もうちょっと点が出るかなと思ったけど…」と震える声で振り返った。
完全オフの１４日は１人で街中に繰り出して迷子になったが、今季初戦のこの日もトラブルが発生した。演技終盤に照明の一部が消え、その後、赤のライトが点灯するなどアイスショーのような異様なムードに。「僕はあまり気づかなかった」と織田は言うものの、関係者は「影響がなかったから良かったけど、何かあったら大変ですよ」と怒り心頭だ。トップのベルネルとは１・８０点差で、１７日のフリーでは４回転ジャンプで逆転を狙う。「４回転もその他の表現も、曲に合わせてやっていければいい」。大技成功で、悔し涙を歓喜の涙に変えてみせる。
（スポニチ 2009年10月17日）
夕方から一時 
