ソローリャ美術館(常設展)(日曜日のためFree)


実は、一昨年のヴェネチアのカ・ペーザロで一番気に入った作品が、このソローリャの作品で、マドリッドにソローリャ美術館があることを知り、密かに楽しみにしていた(今月上旬までプラド美術館でも、ソローリャの企画展が開催されていた)。この地域は、裕福な層が住む閑静な住宅街およびオフィス地区という感じで、昨日までいた旧市街とはまったく趣を異にする。


かつてのソローリャのアトリエ兼住宅の跡を美術館にしたとあって、入り口の庭からソローリャの趣味のよさが伺える。美術館の中に入ると、彼のアトリエに家具や調度品と共に作品が並べられており、在りしの画家のアトリエの風景を偲ばせる展示となっていた。同じモチーフの作品を並べて飾るセンスの良さが感じられた。アトリエから住居跡の建物に移ると、そこはかつての住居スペースの展示。本美術館の立地、家の中の調度品を見ると、ソローリャが、かなり裕福な暮らしを送っていたことがわかる。


ソローリャ作品の最大の特徴は、色と構図にあると言っていいと思う。光を意識した色の配色と、斬新だが洗練された対象物の配置。一言で言えば、「すっきりと美しい」。作品がたくさんあるわけではないのだが、ソローリャのこうした作品に囲まれていくうちに、何とも言えぬ至福感で満たされてくる。マドリッドの街の喧騒に疲れたら、訪れてほしい美術館である。


企画力  :★★★☆☆
展示方法 :★★★★★
作品充実度:★★★☆☆
満足度  :★★★★★