オペラ・ド・マランドロ〜リオデジャネイロ1941〜

caltec2009-08-01



東京芸術劇場中ホールにて「オペラ・ド・マランドロ〜リオデジャネイロ1941〜」を観る。

この作品を一言で言うと「ブラジル版三文オペラ」。登場人物の名前と舞台設定こそ違えど、そこで展開される筋書きは三文オペラそのものだった。


主要キャストは歌って演技が出来る布陣(別所、石井、杜)、ダンス要員としてDIAMOND☆DOGS、カリスマダンサーJuNGLE、そして呼び動因としての石川梨華田中ロウマと、出演者だけ見るととても豪華なものだ。


演出は宝塚歌劇団を辞めた荻田浩一。宝塚在団当時から「独特の世界観を持った舞台を作る」ことで有名だった荻田の作り出す本作品は、明と陰、退廃・悲哀・享楽などいろいろな要素が交じり合いカオス的に仕上がっていたと思う。ただ、個人的にはそのカオス状態であるがゆえに、本作品を見て「しっくりこない、収まりが悪い「違和感」を感じた。演劇中心なら演劇、ミュージカルならミュージカル、ダンスならダンスというように、舞台の「核」をしっかりと形作った上での作品構成をしてほしかったのが本音のところ。


蜷川幸雄、ジョン・ケアード、白井晃と異なる演出家による、「三文オペラ」(およびその派生版)を観たが、本作品が一番観客に「前提」としての知識を必要としている印象を受けた。
#ある程度舞台を見ている人向けに作られていると思う。


ただ、エンターテイメントとしてみると、理屈抜きにその独特の世界観を堪能するという意味では大いに楽しめるので、ハマれば、これはこれでアリということか。。。それにしてもいろんな演出方法があるものだな、と感じた。


マルシア石井一孝といったラテン気質な出演者や、DIAMOND☆DOGSの群舞(フォーメーションとかが少し塚っぽい)、ジェニ役の田中ロウマの「ジェニと飛行船」でのパフォーマンス(それ以外のところではもう少し肩の力を抜いて演技してもいいとは思うが)、などいろいろと見所満載の舞台であった。


ひとつ謎なのがフィナーレで出てくるサンバ軍団。NHKの「つばさ」のように本場のブラジルダンサーではなく、どう見ても「浅草サンバカーニバル」に出てます、といった感じの方々が最後だけフル装備で何の前触れも無く出てくるのと、パーカッションのお兄さんがどことなーく場違いです、てきな顔つきでトントン太鼓叩いているギャップが何とも。。。


「ジェニと飛行船」では大拍手、フィナーレは会場総立ち、ということで、結構リピーターが多い公演なのかな、と感じた。



音 楽 : ★★☆☆☆
脚 本 : ★★☆☆☆
演 出 : ★★★☆☆
役 者 : ★★★☆☆
舞台/衣装: ★★☆☆☆
満足度 : ★★☆☆☆



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