柿右衛門展―ヨーロッパを魅了した東洋の華―

caltec2009-06-27



渋谷松涛にある戸栗美術館にて「柿右衛門展―ヨーロッパを魅了した東洋の華―」を観る。


高級住宅街のひとつである松涛の少し高台にある戸栗美術館。江戸時代の焼き物(有田焼)に関してのコレクションは東京随一だと密かに思っている美術館。美術館の規模や来館者もそれほど多くはなく、ゆったりとした気分で、陶磁器と十二分に対峙できる、そんな陶磁器好きには堪らない美術館の一つだ。


今回の企画展の概要は以下の通りだ。

柿右衛門展 ―ヨーロッパを魅了した東洋の華―


大航海時代の末期、オランダ船でヨーロッパへ運ばれた多くの東洋陶磁器のなかに、ひときわ眼を引く色絵磁器の一群がありました。柔らかい陶器のような、それでいて精巧な薄造りの純白の肌。鮮やかな色彩で描かれる華やか、かつ繊細な文様。現在、柿右衛門様式と呼ばれるそれらは、その後始まる西洋の磁器生産にも大きな影響を及ぼしました。ヨーロッパを魅了した東洋の華を、染付作品まで視野を広げ紹介し、その創出から発展、次代への変化を辿ります。


個人的には、柿右衛門様式の陶磁器に関しては、イマイチな印象だった。というのも、柿右衛門様式の多くはヨーロッパへの輸出用に作られたもので、秀作は国内より海外(ヨーロッパ)にあることが多いからだ。


実際、本展覧会で展示されている作品のなかで「良いな」と思ったものは、ヨーロッパから里帰りした柿右衛門様式の作品だった。3年前に行ったベルリンのシャルロッテンブルク宮殿や、ドレスデンのツヴィンガー宮殿に飾られていた陶磁器の方がはるかに秀逸な作品だったと思う。


企画力  :★★★☆☆
展示方法 :★★★☆☆
作品充実度:★★☆☆☆
満足度  :★★★☆☆



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