世界選手権

世界フィギュア:浅田真、SP3位で連覇厳しく 首位は金


【ロサンゼルス来住哲司】


10年バンクーバー五輪の国・地域別出場枠を懸けたフィギュアスケートの世界選手権は第4日の27日、当地のステープルズセンターで女子のショートプログラム(SP)とアイスダンスのフリーが行われた。


<女子シングル>


女子は前回優勝の浅田真央(愛知・中京大中京高)が66.06点で3位。今季4大陸選手権優勝の金妍児キム・ヨナ、韓国)が自身の持つSPの世界最高得点(72.24点)を更新する76.12点で首位に立ち、浅田真の2連覇は厳しくなった。2位は同選手権銀のジョアニー・ロシェット(カナダ)。前々回優勝の安藤美姫トヨタ自動車)は4位、村主章枝(AK)は9位と出遅れた。


▽村主(SP9位)まずまずだったと思う。(3年ぶりの世界選手権に)緊張しすぎと思うが、フリーではもう少しいい演技が出来るのでは。


○…2年ぶりの優勝を狙う安藤は今季自己ベストを更新したが、冒頭の3−3回転連続ジャンプの二つ目が回転不足。モロゾフ・コーチから「回転不足を取られやすいから3−2回転にしよう」という提案もあったが、安藤は「やるべきことはやる。自分の滑りを最優先する」と考えて挑戦したという。前回は故障でフリーを途中棄権。「ウィズドロー(棄権)しないように頑張ります。強い気持ちを持って臨みます」と抱負を述べた。 


アイスダンス


アイスダンスオリジナルダンス(OD)まで17位のキャシー・リードクリス・リード組(米国)が計151.04点で16位に上がり、五輪出場枠1を獲得した。ODまで首位のオクサナ・ドムニナ、マキシム・シャバリン組(ロシア)が計206.30点で初優勝した。 


○…米国出身で日本人の母を持つリード姉弟組が前回と同じ16位に入り、今大会19枠決まる五輪出場枠の18枠目を獲得。日本国籍を取得している姉キャシーは「幸せで誇りに思う」と喜んだ。この日はリフトでバランスを崩す場面もあり、内容は「とても悪かった。ミスもあった」(キャシー)というが、順位をODから一つ上げた。19歳の弟クリスは以前手術した右ひざに故障を抱えており、「ひざをしっかり治したい。五輪までにもっと成長したい」と話した。


毎日新聞 2009年3月28日 17時02分(最終更新 3月28日 20時53分))

世界フィギュア:浅田真3回転ルッツ乱れ失速


◆フィギュア世界選手権 第4日(27日)


まずまずの内容ではあったが、最高の演技ではなかった。浅田真央(愛知・中京大中京高)は今季自己ベスト(65.38点)を更新する66.06点。だが、完ぺきな演技をした金妍児、ロシェットの2人に後れを取ってしまった。


冒頭に、今季一度も成功のなかった3−3回転連続ジャンプを鮮やかに決めた。だが、続く苦手の3回転ルッツは2回転となって着氷も乱れた。後半はスピード感や伸びやかさに欠け、「課題の一つにしていた3−3回転を決められたのは良かったが、後半はベストの滑りができず、悔いが残ります」と唇をかみしめた。


2月上旬の4大陸選手権ではSPで6位と出遅れるなど、滑りに精彩を欠いた。その時に失敗した3−3回転連続ジャンプと3回転ルッツは、今大会に向けて「毎日課題にしてきた」と重点的に強化した。今季の集大成の場で、リスクを恐れずに3−3回転連続ジャンプに挑み、成功させたことは大きい。だが、完全復調とはいかず、吉岡伸彦・日本スケート連盟フィギュア強化部長は「4大陸選手権より仕上がりはよかったが……」と首をかしげた。


金とは10点余りの大差で、連覇は極めて厳しい状況。フリーに向けて浅田真は「すべてのエレメンツ(演技要素)をミスなくするだけ」と自らに言い聞かせた。トリプルアクセル(3回転半)二つを決め、昨季世界女王の底力を見せたい。【来住哲司】


毎日新聞 2009年3月28日 13時25分(最終更新 3月29日 13時19分))

浅田真央:3回転ルッツを悔やむ…フリーで大逆転Vに挑む


フィギュアスケート世界選手権第4日(27日・ロサンゼルス)


連覇は難しくなった。浅田真は今季自己ベスト(65.38点)を更新する66.06点を出したが、18歳同士のライバル・金妍児は76.12点。10点余の大差で逆転は厳しい情勢だ。


浅田真は冒頭で3−3回転連続ジャンプに今季初成功。だが、続く3回転ルッツは2回転になって着氷も乱れ、この要素の得点は0.90点。金が3回転ルッツを高く舞って決め、基礎点(6.0)にGOE(ジャッジ評価)1.60を加えて7.60点を獲得したのと好対照だった。先月の4大陸選手権でも失敗したジャンプだけに慎重に踏み切ったが、「もっと力強くいけばよかった」と悔やむ。


SP6位と出遅れるなど不調だった4大陸選手権から約1カ月半。復調傾向だが、まだスピード感や伸びやかさが乏しい。杉田秀男・国際スケート連盟判定役員評定委員は「真央は本来、自然体が持ち味なのに考えすぎている。だからスピードも出ない」という。


基礎点からのGOEの上積みは、浅田真が5.10点に対し、金は8.50点。表現力などを問うプログラム構成点も2.56点差がついた。もっとも、吉岡伸彦・日本スケート連盟フィギュア強化部長は金に対し「完成度の差で真央は負けたわけで、かなわない相手ではない」と見る。


今季、フリーでは金に負けていない。「スピードと力強さで滑る金はSP向きだし、時間の長いフリーは柔らかさのある真央に有利」と杉田氏。来季の五輪を見据える意味でも、フリー1位の座は譲れない。【来住哲司】


毎日新聞 2009年3月28日 17時11分(最終更新 3月28日 22時07分))



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