世界選手権

世界フィギュア:安藤が銅メダル、浅田4位 金妍児が初V


【フィギアスケート世界選手権女子フリー】


【ロサンゼルス来住哲司】


10年バンクーバー五輪の国・地域別出場枠をかけたフィギュアスケートの世界選手権は最終日の28日、当地のステープルズセンターで女子のフリーが行われた。ショートプログラム(SP)4位の安藤美姫トヨタ自動車)が計190.38点で3位に浮上し、銅メダルを獲得した。


安藤は前々回の金メダルに続く2個目のメダルで、日本女子勢は4年連続のメダル獲得。SP3位の浅田真央(愛知・中京大中京高)は計188.09点で4位に落ち、連覇を逃すとともに05年のシニア転向後21戦目で初めて表彰台を逃した。SP9位の村主章枝(AK)は計164.58点で8位だった。


過去2年連続3位でSP首位の金妍児キム・ヨナ、韓国)がフリーも1位となり、韓国勢として初の金メダル。計207.71点は浅田真が06年NHK杯で出した計199.52点を抜き、世界最高得点。SP2位のジョアニー・ロシェット(カナダ)が計191.29点で2位に入り、この種目でカナダ勢21年ぶりのメダル。


日本女子は06年トリノ五輪に続いて五輪出場枠を3枠確保した。3枠を獲得したのは日本だけだった。 


○…ベテランの28歳・村主はSPから一つ順位を上げたが、3回転サルコウが1回転半になるなどジャンプで大きなミスが二つあり、本来の出来ではなかった。


「いろいろ反省して来季につなげたい」といい、来季は「3−3(回転連続ジャンプ)に取り組みたい」と宣言。「3−3を跳べるノウハウが分かっているのとそうでないのとは違う。次の世代に継承することが私の役割と思う」と、現役引退後は指導者になる意向を表明した。


○…金妍児が合計得点で女子初の200点超えを果たして初優勝。冒頭に3−3回転連続ジャンプを決め、その後もスピード感豊かな滑りを披露し、プログラム構成点は全5項目で8点台だった。


3回転サルコウが1回転半になったほか、定められた種類のスピンをすべてやらなかったため、規定違反で最後の連続スピンが加算されないミスもあったが、大勢に影響は全くなかった。


「200点を超えたいと思っていたけど、ついに超えて興奮している。演技後はいつも涙っぽくなるけど、今日は抑えられなかった」と感激の面持ち。別格の強さで、バンクーバー五輪の金メダル最有力候補であることをアピールした。


毎日新聞 2009年3月29日 14時12分(最終更新 3月29日 18時27分))

世界フィギュア:安藤、復活の銅…安全策も新境地の安定感


【フィギアスケート世界選手権女子フリー】


フィギュアスケート・世界選手権最終日(28日・ロサンゼルス)


途中棄権の屈辱から1年。安藤美姫が表彰台に立った。メダルの色は2年前の金ではなかったが、復活を告げる銅だ。


冒頭の3−3回転連続ジャンプは「練習で回転不足が目立ったので」3−2回転に変更。4回転サルコウも回避した。3回転ループの回転不足以外はノーミス。安全策が奏功した「守りの演技」だったが、エッジに深く乗った流れるような滑りと抜群の安定感は、安藤の新境地を示すものだ。表現力などを問うプログラム構成点も5項目中3項目で8点台を並べた。


昨年の世界選手権でフリー本番前に左足ふくらはぎを肉離れし、途中棄権。ショックで「スケートをやめようと思った」と振り返る。その後はマッサージなど他人任せだった体のケアを、自分でも心掛けるようにした。昨季まで試合によって波が激しかったが、故障がなかった今季は安定。「自分を考えさせられた1年だった。あの経験は自分にとってプラスだった」という。


もともと感情が演技に表れるタイプ。城田憲子・元フィギュア強化部長によると、今大会前に「いつも同じ感情で演技するように」と助言したところ、「私は日によって気分が違うので、毎試合違う感情で演技している」と返されたという。


そんな安藤がうまく感情を制御して試合に臨めるようになった。「大人の女性らしさが出てきた」と城田氏に認めさせた安藤が五輪イヤーの来季、どんな魅力を放つのか楽しみだ。【来住哲司】


毎日新聞 2009年3月29日 17時41分(最終更新 3月29日 18時04分))

浅田真央:まさかの4位も「今はホッと」重圧からの解放感

フィギュアスケート世界選手権】


日本人初の連覇への挑戦は、まさかの4位に終わった。浅田真央が表彰台を逃すのは、シニア転向した05年11月の中国杯以降、21戦目(ジュニア大会を除く)で初めてだ。


冒頭のトリプルアクセル(3回転半)−2回転トーループは決めたが、続くトリプルアクセルは回転不足で転倒し、中盤の3−2回転連続ジャンプは二つ目が回転不足。演技後は「今はホッとしているのと、うれしい気持ち。トリプルアクセルに失敗してしまったが、その後に引きずることなくできた」と話した。連覇を期待された重圧からの解放感がうかがえた。


3位だった2月の4大陸選手権から続く不調。ジャンプ失敗よりも、滑りにスピード感や伸びやかさが乏しいことが懸念される。表現力などを問うプログラム構成点は金妍児に5.52点差もつけられた。伊東秀仁・フィギュア部長は不調の要因を「プログラムが難しい」と推測する。


「先生(タチアナ・タラソワ・コーチ)と相談して来季につなげていきたい」と浅田真。バンクーバーで笑うために、今は悩んでもいい。【来住哲司】


毎日新聞 2009年3月29日 18時02分(最終更新 3月29日 21時16分))



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