マルグリット

caltec2009-03-14



日比谷の日生劇場にて「マルグリット」を観劇。


レ・ミゼラブル」「ミス・サイゴン」のプロデューサーが、ミシェル・ルグランの楽曲で、「椿姫」の物語の舞台を第二次世界大戦下に移して、ミュージカル化。主演のマルグリットに、宝塚退団後の復帰作となる春野寿美礼、そしてマルグリットの恋人アルマン役に若手のテノール歌手・田代万里生。 という、話題性が結構ある演目。


「椿姫」をベースにしたマルグリットのストーリーはと言うと。。

舞台は第二次世界大戦下のパリ。街はナチスの占領下におかれている。マルグリットはかつてナイトクラブをわかせた歌姫だが、今はドイツ人将校・オットーから寵愛を受け、贅沢三昧の暮らしをおくっている。
40歳の誕生日を迎えた夜、マルグリットはパーティーの演奏にやとわれたバックバンドのピアノ弾き、アルマンと出会う。彼は、昔ナイトクラブで歌うマルグリットの姿を見て、彼女に秘かに思いを寄せていたことを告白する。空襲警報が鳴り響き、パーティー客が逃げ惑う中、二人は激しい恋におぼれていく。


一方、パリ市内ではナチスによるユダヤ人への迫害が強まっていた。アルマンのバンド仲間であるルシアンは、ユダヤ人であることを隠して生活している。しかし、同じくバンド仲間のピエロの不注意で、ナチスから追われる身となってしまう。ルシアンは恋人のアネット(アルマンの姉)と一緒にパリを脱出しようとするが、アネットはナチスの愛人と恋仲になったアルマンの身を心配し、後で追いかけることを誓いひとりパリに残る。そんな中、マルグリットとアルマンの関係がオットーの知るところとなり…


まあ、椿姫をベースにしたという点で、主役のマルグリットと若い恋人のアルマンの悲哀、マルグリットの死というのは見えている展開なので、今回の観劇の関心は楽曲と主要陣の歌・演技だったのですが。。。


楽曲、良かったです。ちょっとスモーキーでセピアがかったマルグリットの「チャイナドール」だとか、ナチス占領下のパリという雰囲気だったりとか、作品の世界観を形作っていたと思います。春野・田代の主役ペアだけではなく、飯野・tekkan、そして(歌中心に選ばれたであろう)アンサンブルと、皆歌が上手かったです。


レミゼと同じような舞台後方の回転舞台と、左右に移動する舞台前方の作りなど、舞台も凝っていて、なかなか見ごたえがありました。


ただ、残念なのが、ちょっとこじんまりと、まとまりすぎているような印象を受けたこと。おそらく出演者の数だったり、ストーリーの主軸を知っていることだったり、ということも関係があるのでしょうが、綺麗にまとまりすぎていて、もう少しパワーというか枠からはみ出る部分みたいなものも欲しかったかな、と。 どちらかと言うと、燻銀のような芸達者な方が多かった関係もあるとは思うので、贅沢な要望だとは思いますが。。。 あ、カーテンコール時の若さ一杯の田代君のリアクションは結構面白かったです。


舞台転換の少なさや出演人数、作品の世界観など考えると、やはり、日生劇場などの大きな箱ではなく、シアタークリエなどの中規模の劇場で上演する方が適した作品なのかな。。。


<主な配役>
  マルグリット:春野寿美礼
  アルマン  :田代万里生
  オットー  :寺脇康文
  ビエロ   :山崎裕
  ルシアン  :tekkan
  アネット  :飯野めぐみ
  ジョルジュ :横内正



音 楽 : ★★★★☆
脚 本 : ★★☆☆☆
演 出 : ★★★☆☆
役 者 : ★★★★☆
舞台/衣装: ★★★★☆
満足度 : ★★★☆☆



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