四大陸選手権

caltec2009-02-05



女子シングルSPは、浅田選手の2つのジャンプミスにより、キム・ヨナ選手の独壇場となりました。実際に彼女の滑りを見ると、体のキレ、スケートのスピード、ジャンプの幅と流れ、そして演技力と、どれをとっても自信に溢れ、「ノッて」演技をしている、完璧なパフォーマンスでした。


浅田選手は残念だったと思います。今シーズンのSPは、なかなか自分のタイミングでジャンプを飛ぶことができないのですが、これは選んだ曲や、コリオ(振付)のせい、ってことはないんでしょうか?

4大陸フィギュア:村主SP4位、浅田真6位 金妍児首位


バンクーバー来住哲司】


フィギュアスケートの4大陸選手権は第1日の4日(日本時間5日)、当地のパシフィック・コロシアムで女子のショートプログラム(SP)が行われた。


女子シングル


金妍児キム・ヨナ、韓国)が自身のSP世界最高得点(71.95点)を上回る72.24点を出して首位に立った。日本勢は村主章枝(AK)が60.18点で4位に入ったのが最高で、2連覇を狙う浅田真央(愛知・中京大中京高)は57.86点で6位、鈴木明子(邦和スポーツランド)は55.40点で9位。


◇真央出遅れ、連覇絶望的 金妍児完ぺき


不安が現実になった。今季一度も決まらない3−3回転連続ジャンプ。公式練習で不調だった3回転ルッツ。いずれも失敗に終わり、浅田真央がまさかのSP6位。首位の金妍児とは14点以上の大差で2連覇は絶望的となった。


3−3回転は二つ目が回転不足で着氷が乱れ、3回転ルッツは空中で体が開いて2回転に。失敗を引きずったのか、二つのスピンでレベル2認定にとどまった。57.86点は07年フランス杯の56.90点に次ぐ自己ワースト2位。不調の自覚から失敗を覚悟していたのか、意外に落ち着いた表情で「(カナダに)来る前から調子が良くなかった。不安があった」と振り返った。


公式練習でも3回転ルッツは失敗が目立ち、何度も助走を繰り返していた。昨季からルッツとフリップの踏み切りのエッジ判定が厳格化され、昨季はルッツで減点され続けた。今季は踏み切りを修正できていたが、吉岡伸彦・日本スケート連盟強化部長は「エッジに神経を配らないと前の癖が出てしまう。エッジを気にしているのかなと思う」と首をかしげる。上体の上下動が多いことによる重心のずれや、跳ぶタイミングの感覚の狂いを指摘する声もあり、杉田秀男・国際スケート連盟判定役員評定委員は「跳ぶ直前に身構えて右手の位置が高くなり、重心が高い」と見る。


タチアナ・タラソワコーチが体調面を理由に帯同していない影響について「それはないと思う」と否定した浅田真。世界女王の意地にかけ、メダル獲得に全力を尽くす。


【来住哲司】


金妍児、SP世界最高更新…ジャンプ、表現力で沸かせ


金妍児キム・ヨナ、韓国)がほぼ完ぺきな演技を見せ、自身が07年世界選手権SPで出した世界最高の71.95点を更新。高い3−3回転連続ジャンプなどを決め、優美な表現力でも観客を沸かせた。過去2年間は腰痛など故障に苦しんだだけに「今季は体調面を良くすることを心がけている。世界最高を更新できてとてもうれしい」と満足そう。今季はフリーではミスが目立つが、初優勝に向けて大きく前進した。


村主章枝は今季自己ベスト(58.30点)を更新する60.18点を出し、4位スタート。


3回転ルッツの踏み切り違反で減点された以外はミスがなく、「まずまずだったと思います」と納得顔だ。4年ぶりの優勝は厳しくなったが、前回10位からの躍進は確実。吉岡伸彦・日本スケート連盟強化部長は「復活を印象づける出来だった」と一定の評価をした。


鈴木明子 


(3回転フリップでオーバーターンするなど9位)フリップは外に(体が)振られて回転軸がとれなかった。ミスが出て残念だが、7年ぶりに出場し、滑る直前はうれしい気持ちでいっぱいだった。


▽女子SP 
(1)金妍児(韓国)72.24点
(2)ロシェット(カナダ)66.90
(3)ファヌフ(カナダ)60.98
(4)村主章枝(AK)60.18
(6)浅田真央(愛知・中京大中京高)57.86
(9)鈴木明子(邦和スポーツランド)55.40


アイスダンス


アイスダンスの規定は、キャシー・リードクリス・リード組(川越ク)がクリスの右ひざ痛のため欠場し、首位は前回優勝のテッサ・バーチュー、スコット・モイヤー組(カナダ)。


ペア


ペアは井上怜奈、ジョン・ボルドウィン組(米国)が5位にとどまり、前回優勝の※清、▲健組(中国)が首位に立った。(※は、「广」の中に「龍」)(▲は、ニンベンに冬)


○…ペアで3年ぶりの優勝を狙う井上、ボルドウィン組はSP5位。スロー3回転ループで井上の着氷が両足となるミスがあった。「ループのほかは大きな失敗はなく、演技自体は満足している。5コンポーネンツ(プログラム構成点)を上げるように努力しているが、ジャッジの個人的意見が入ると私たちはどうしようもない」と井上。採点に不満も漏らした。3月の世界選手権代表から落選し、今季は今大会が最後。春にはボルドウィンと結婚する予定だ。


毎日新聞 2009年2月5日 16時33分(最終更新 2月5日 20時24分))


村主選手の復活についても記事がありました。ただこの記事で注目すべきは、「城田憲子アシスタントチームリーダー」という行(くだり)。先日の記事にもあったように、城田さん、復帰です。そしてチクリと選手に対して辛口コメントを言うという、城田節も健在でした。

村主、復活アピールへ


実に8回目の出場となる28歳の村主。今季は全日本選手権(昨年12月)2位で3年ぶりの世界選手権(3月、米国)出場を決め、近年の不振を脱した。今大会は世界に向けて復活をアピールする場となる。


来年のバンクーバー五輪の会場となるパシフィック・コロシアムで滑るのは8年ぶり。01年世界選手権バンクーバー大会に出場した際、練習会場だった。村主は「もう8年も前なんですね」と、自らもキャリアの長さに驚いてみせる。


4大陸選手権では女子最多の3回優勝(01、03、05年)を誇る。しかし、06年トリノ五輪後は不振が続き、前々回はショートプログラム(SP)12位でフリーを棄権、前回は総合10位。だが、ニコライ・モロゾフコーチに師事するなど取り組み方を変えて迎えた今季、体の切れを取り戻した。今大会の公式練習でも、いい動きを見せる。


不振は、練習過多でやせすぎて筋力が落ちたことが一因だった。城田憲子アシスタントチームリーダーは「『太りなさい』とアドバイスした」という。食生活を改善し、ウエート練習も増やして体を作り直した。かつては表現力を追求していたが、今季は着実に得点を稼ぐプログラムだ。持ち味だった演技最後の高速スピンも封印し、SP、フリーとも最後はレベル認定を上げやすいI字スピンで締める。城田リーダーは「『売り物なんだから高速スピンをやったら』というんだけど、本人が頑固だから」と話す。


来年の五輪について、「先のことは考えられない」といい、今大会のテーマを「世界選手権に向けて(課題などを)いろいろ見ていかないと」と設定する。全日本選手権で回避した苦手の3回転サルコウは、公式練習ではほとんど成功させた。「全日本選手権の時より準備はきちんとできたと思う」。表彰台確保に、ベテランはひそかな自信を示す。


【来住哲司】


毎日新聞 2009年2月5日 11時31分(最終更新 2月5日 17時45分))


人気ブログランキングへ


/