全日本選手権

caltec2008-12-25



大本命の高橋大輔不在ということで、順調に行けば織田・小塚のワンツーフィニッシュだろうなあ、と予想できる本大会ですが、織田・小塚両選手とも緊張していたようで、SPに関しては、小塚選手はその緊張感が悪い方向に向かった結果となりました。


ただ、そうは言っても上位陣の滑りを見る限り、織田・小塚選手の上位は固いと思うので、フリーを悔いなく滑って欲しいです。


しかし、織田選手のSPはアッっという間に終わってしまった印象を持ちました。かつての佐藤有香選手のプログラムもそうでしたが、各要素が切れ目なく繋がっているプログラムは、本当にアッという間に終わってしまいます。PCSのスコアは織田選手だけ突出して高いのが、その証明でもあったりすると思います。


今大会は織田・小塚選手以外にも見所はあって、南里、無良選手の代表争い(3位争い)も見所の一つな気がします。昨年0.82点で涙を飲んだ中庭選手ですが、若手の台頭の中、代表になるには少し難しい立場になっているのかなあ。明日のフリーでどこまで巻き返しをはかれるか、楽しみにしたいと思います。


その他の注目株は、ジュニア3位の村上選手。同年代の無良選手と比べるとジャンプの豪快さはないものの、ジャンプ後の流れや、フリーレッグの処理やスケーティングなど、良い要素を持っている選手だと思います。

織田が首位 小塚2位、無良3位…SP


フィギュアスケートの世界選手権(来年3月、米国・ロサンゼルス)などの代表選考会を兼ねた全日本選手権が25日、長野ビッグハットで開幕し、第1日は男子とペアのショートプログラム(SP)、アイスダンスの規定が行われた。


男子は、NHK杯優勝の織田信成(関大)が86.45点で首位に立った。グランプリ(GP)ファイナル2位の小塚崇彦トヨタ自動車)が77.40点で2位、昨季全日本ジュニア王者の無良(むら)崇人=岡山・倉敷翠松高=が75.50点で3位だった。過去2年連続3位で昨季世界選手権代表の南里(なんり)康晴=ふくや=は69.15点で6位と出遅れた。


アイスダンスは連覇を狙う米国出身のキャシー・リードクリス・リード組(川越ク)が31.91点で首位。ペアは唯一出場の高橋成美(千葉・渋谷教育幕張高)、マービン・トラン(カナダ)組が45.94点だった。  


◇「4回転、今回こそ」 SP首位の織田


織田が「先輩」の貫録を示した。3連覇中だった高橋大輔(関大大学院)が故障欠場し、GPファイナル2位の小塚との一騎打ちとみられた今大会。自滅した2歳下のライバルを尻目に、ほぼノーミスの演技でSP首位に立った。


冒頭のトリプルアクセル(3回転半)、続く3−3回転連続ジャンプと大技に成功。本来のスピード感に欠け、最後の連続スピンは軸がややぶれたが、一つ一つを丁寧にこなした。


「緊張でスピードがなかった。いい演技で勝ちたい気持ちと、久しぶりの全日本選手権で緊張した」と反省しつつ「自分の演技ではよかった方だと思う」とホッとした様子だ。


06年世界選手権4位などの実績を持ち、国内では高橋に次ぐ存在だった。だが昨夏、ミニバイクの酒気帯び運転で検挙される不祥事を起こし、昨季を棒に振った。戦線復帰した今季は小塚が急成長した。これまでは高橋を追う立場だったが、自らも追われる立場になった。


21歳の織田は「若い選手がぐんぐん伸びてきた。追われる気持ちが70%で、30%は自分が追う気持ちでいる」という。フリーに向けて「NHK杯で失敗した4回転ジャンプを今回こそ決めたい」と意気込む。小塚とは9点余りの大差だ。「プレッシャーに打ち勝ってこそトップスケーター」。初の日本一は目前だ。【来住哲司】


○…2位の小塚はジャンプでミスを重ねた。


冒頭の回転ルッツ−3回転トーループは、ルッツの着氷で手をついて単発。そのため中盤の3回転フリップは3回転トーループをつける連続ジャンプにしたが、二つ目が両足着氷になってしまった。


「(今季は)今までSPでミスはなかったので動揺した。ルッツはいつもなら後ろに跳ぶ感じだが、真上に上がって体(の軸)が真っすぐにならなかった」と肩を落とした。今大会前はフリーを重点的に練習した。「全日本選手権には魔物がいる。打ち勝つだけのSPの練習が不足していた」と悔やんだ。


毎日新聞 2008年12月25日 21時14分(最終更新 12月25日 23時18分))

押して押して押して!小塚狙う大逆転


演技を終えた小塚崇彦は渋い表情を浮かべた。「全然満足いく演技ではなかった。思ってもいなかったミスで動揺してしまった」。冒頭の連続ジャンプでは最初の3回転ルッツでバランスを崩して左手をついた。続く3回転半は決めたものの、3回転−3回転の連続ジャンプは両足で着氷。今季のSPでは一度もミスがなかったジャンプで、まさかの2度の失敗だった。


「昨季の全日本は(気持ちを)押していけばよかったのに、今回は体が動かなくなるくらい緊張した」。今季はスケートアメリカでGP初優勝。初出場のGPファイナルでも2位に入り、日本のエースに急成長した。挑戦者だった昨季までとは立場が変わり、知らないうちに重圧に縛られていた。トップの織田とは大差がついたが、フリーでは4回転ジャンプで逆転を狙う。「きょうのことは忘れて、あすは押して押して押しまくりたい」と大技に挑むことをアピールしていた。


(2008年12月26日 スポニチ

織田、断トツの首位発進


演技が終わっても、硬い表情は変わらなかった。トリプルアクセルを含め3度のジャンプをすべて成功。表現力を示す演技点でも高得点をマークした織田が、初の日本一へ断トツの首位発進を決めた。国際連盟主催大会でないため非公認記録ながら、86・45点は今季世界最高得点。それでも、真っ先に口をついたのは反省の弁だった。


「いろんな緊張があった。いつもよりスピードがなくて、ジャンプに乗り切れなかった」


昨夏、酒気帯び運転で検挙されて出場停止処分を受けた。昨年11月以降の国内大会は出場可能だったが、エントリーしていた昨年の全日本選手権も直前に欠場。今年11月に西日本選手権で国内復帰を飾り、NHK杯でGPシリーズの国際舞台を踏んでも、2年ぶりに帰ってきた日本最高峰の舞台には特別な緊張感があった。


声が震えるほどの状態だった戦国武将・織田信長の末えいに火をつけたのは、追いかけ続けたライバルの不在と年下のライバルの存在だ。エース・高橋大輔が右ひざ故障で欠場した一方、スケートアメリカ優勝、GPファイナル2位と急成長した19歳・小塚が台頭。「追われる気持ちもある。でも、追われるのは70%くらいで、30%は自分が追う気持ち」。ジャンプでミスを犯した小塚を抑え、新エース襲名へ前進した。


06年トリノ五輪代表選考会だった05年12月の全日本選手権では、1度は優勝と発表されたものの、その後、採点ミスが明らかになり順位が2位に訂正された。幻の優勝から3年。小塚に9・05点差の大差をつけて迎える26日のフリーでは、いまだ成功していない4回転トーループにチャレンジする。「今度は絶対に跳んで優勝したい」。日本一の称号は、もう目の前だ。


(2008年12月26日 スポニチ


女子に関しては、浅田選手の優勝は固いとして、2位争いも実は熾烈になるのかな、とも思っています。ベストな滑りをすれば、1位浅田、2位安藤、3位中野、4位村主、5位鈴木、、ということになるのでしょうが、村主・鈴木選手が調子を上げてきているのに反し、(いつも安定している)中野選手が最近不調気味なので、各人が全日本選手権に向けてどう調整してきたか、の結果が問われる大会になると思います。

浅田真「ミスなしで」女子5選手が抱負


フィギュアスケートの世界選手権(来年3月、米国・ロサンゼルス)などの代表選考会を兼ねた全日本選手権は、女子の有力選手5人が25日、試合会場で抱負を語った。


3連覇がかかる浅田真央(愛知・中京大中京高)はフリーにグランプリ(GP)ファイナル同様、2本のトリプルアクセル(3回転半)を入れる予定で、「3連覇は目標だけど、まずはミスなくしっかり滑りきりたい」と話した。GPファイナルで、ジャンプのミスが響いて5位に終わった中野友加里プリンスホテル)は「自分で納得できる演技をすれば、世界選手権のキップは得られると思う」と意気込んだ。


GPファイナル6位の安藤美姫トヨタ自動車)は「ジャンプよりスピンやステップを練習したので、そこを評価してもらいたい」とアピール。フリーで4回転サルコウに挑むかどうかは「当日朝の調子を見て決めたい」と語った。


NHK杯2位の鈴木明子(邦和スポーツランド)は「いい感じに仕上がっている」と笑顔。村主章枝(avex)は「今季はコーチを変えたり、いろんな変化があったので、その成果を発揮できれば」と自信を見せた。


山本亮子】


毎日新聞 2008年12月25日 18時35分(最終更新 12月25日 21時18分))



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