スケートカナダ

caltec2008-11-02



スケートカナダ、大方の予想を裏切り、コストナーが表彰台から外れました。ま、コストナー波がある選手だから、今回は調子が悪い時期だったのかも知れません。。。


女子シングルの第2位は村主選手。現時点で彼女の持てる力を十分に発揮していたように感じた。とくに不安定だったジャンプは、高さが増し回転軸もぶれなくなたことによりシャープで力強いジャンプになったように思う。実際に技術点を見ても、加点がもらえる質の高いジャンプを飛んでいるように見えた。


ただ、逆に、村主の特徴だった表現力、トランジッション(技と技のつなぎ)については、昔見られたつなぎのステップや指先の表現などが少なくなり、いわゆる「走っては飛び」というプログラム構成になっている印象も受けた。


これは、勝ちに行くための、モロゾフのフリープログラム共通に見られる特徴だとは思うが、村主選手の技術要素の流れ(ジャンプ→ジャンプ→ジャンプ→スピン→ステップ→スパイラルetc)が、いわゆる旧採点方式のときとほぼ同じなため、昔の彼女の滑りを記憶しているものにとっては、PCSについては、「劣化している」という印象を受けることは否めないと思う。


「新たな自分らしさ」を見つけるためにローリー・ニコルの元を離れた村主だが、ローリー・ニコル以上に自分に似合うコリオグラファーを見つけられたかどうか、という点では疑問が残る。


文句なしの優勝は、地元カナダのジョアニー・ロシェット。彼女が得意とするジャンプ、スピン、ステップなどの技術点だけではなく、身のこなし、スケーティング、技と技のつなぎ、などPCSについてもかなりの得点を稼げる演技構成。何より勢いがあるというか、メリハリがあるというか、見ていて飽きないプログラムだった。
コストナー・マイヤーと並び、毎年プログラムを楽しみにしているスケーターが実はロシェット。


21歳にして、すでにイブシ銀の「ベテラン」らしさを醸し出しているロシェット。ここ一番というときの大技を持つビックジャンパーではないだけに、大舞台(世界選手権やオリンピック)では、表彰台一歩手前(4位〜6位)にいることが多い選手だが、今年辺りは表彰台に乗れるだろうか?


3位は苦手なジャンプが好調だったアリッサ・シズニー。優勝候補のコストナーは4位だった。先週のスケートアメリカの上位3名(キム・ヨナ中野友加里安藤美姫)と比べると派手さはないが、手堅くまとめる、堅実なタイプのスケーターが多い大会だったように思う。


男子シングルは、こちらも地元カナダのパトリック・チャンが優勝。優勝候補のライザチェックはアメリカ大会に続き、3位。すべりを見る限り不調には思えないのだが、思うように点数が伸びていないのはなぜ?

フィギュア:女子で村主が2位 カナダGP第2日


フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第2戦、スケートカナダ第2日は1日、オタワで男女のフリーなどを行った。


<女子シングル>


女子の村主章枝(avex)が合計163.86点で2位となり、2季ぶりにGPの表彰台に上がった。村主はショートプログラム(SP)2位で、フリーは3位。ジョアニー・ロシェット(カナダ)が188.89点で圧勝した。


武田奈也早大)は9位。昨季世界選手権2位のカロリナ・コストナー(イタリア)は4位。


◇村主、レベルアップを痛感


2位だった2006年のNHK杯以来、2シーズンぶりのGP表彰台。記者会見で感想を問われた村主の言葉が笑いを誘った。「久しぶりで、どう立つか忘れていた」


3回転−2回転の連続ジャンプに始まり、中盤までは上々の滑りだった。だが後半にはミスも。ジャンプが1回転になったほか、同じ種類のスピンを重複して一つは得点に数えられないという凡ミスを犯した。「やっちゃった」。演技を終えると苦笑いを浮かべ、顔を両手で覆った。


「心」「信」…。これまで「しん」と読む漢字を各シーズンのテーマにしてきた。今季は「新」と「進」。ニコライ・モロゾフ新コーチの下での再出発で、ようやく一歩を踏み出した。満面の笑みはまだ先にある。


現時点で跳べるジャンプを正確に跳ぶという点では手応えを得た。一方で、昨季世界選手権5位のロシェットにすら25点以上もの差をつけられたように、世界のトップに近づくには2連続3回転の習得などレベルアップが必要だ。「技術的にはまだまだ遅れている」。足りないものは誰よりも村主が分かっている。(共同)


◇武田、悔しいミス


武田はジャンプのミスで得点を伸ばせなかった。大会1週間前に痛めた右足首に負担がかかる高得点のジャンプは回避しただけに「難度を落としてのミスは悔しい」と肩を落とした。次戦は3週間後のロシア杯。「一から練習し直す」と気を引き締めた。


▽女子

(1)ジョアニー・ロシェット(カナダ)188・89点(ショートプログラム64・74、フリー124・15)
(2)村主章枝(avex)163・86点(57・92、105・94)
(3)シズニー(米国)157・92点(49・66、108・26)
(9)武田奈也早大)128・93点(45・14、83・79)



<ペア>


ペアはSP1位の川口悠子アレクサンドル・スミルノフ組(ロシア)がフリーは2位ながら、逃げ切ってGP初制覇。


3月の世界選手権で4位だったペアの川口組が、同3位のカナダペアを0.43点差で抑えた。GPファイナルや世界選手権の表彰台に向け、大きなステップとなるGP初優勝に、川口は「上が見えてきた」と目を輝かせた。


大技のスロー4回転サルコーは回避したが、息のあったスピンや豪快なリフトで観客の拍手を誘った。来季のバンクーバー五輪に出場するためにはロシア国籍を取得しなければならない。川口は「その方向で進めている。五輪に出たい」と話した。(共同)


▽ペア

(1)川口悠子アレクサンドル・スミルノフ(ロシア)176・97点(ショートプログラム65・02、フリー111・95)
(2)デュベ、デービソン(カナダ)176・54点(60・14、116・40)
(3)マクローリン、ブルベーカー(米国)161・51点(60・66、100・85)


<男子シングル>


男子はSP2位のパトリック・チャン(カナダ)が215.45点で逆転優勝し、南里康晴(ふくや)は8位だった。


▽男子

(1)パトリック・チャン(カナダ)215・45点(ショートプログラム77・47、フリー137・98)
(2)ブラッドリー(米国)212・75点(72・50、140・25)
(3)ライサチェク(米国)209・27点(71・40、137・87)
(8)南里康晴(ふくや)177・84点(63・36、114・48)



アイスダンス規定・オリジナルダンス(OD)

(1)メリル・デービスチャーリー・ホワイト(米国)90・65点(規定34・29、OD56・36)
(2)ペシャラ、ブルザ(フランス)81・27点(33・90、47・37)
(3)ナバーロ、ボメントレ(米国)80・35点(31・67、48・68)


毎日新聞 2008年11月3日 東京朝刊)



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